美月
お、お父さん…
お父さん
なんだい?
お母さん
…
お母さんが無言で美月を見つめている
美月
い、いや、なんでもない
お父さん
そうか
お父さん
もうそろそろ、仕事に行ってくるよ。
美月
あ、うん…いってらっしゃい。
お母さん
いってらっしゃい
葉月
あ、おかーさん、私、遊んでくる!
お母さん
いってらっしゃい
美月
(お母さんと二人きり…)
美月
わ、私、部屋に行くね。
美月は、逃げるように部屋へ行こうとした
お母さん
さっさと行って。あんたの顔なんて見たくない。
その言葉は、美月に深く刺さった。
美月
…ひっぐ…うう…(なんで?私、お母さんに、こんなに怒らせるようなことしたっけ?)
お母さん
うるさいっ!ないてんじゃねえよ、バレたらどうすんだ!
美月
ご、ごめんなさい
夜ご飯
美月
おかーさんさっきはごめんなさい…
お父さん
なんかあったのか?
お母さん
いや、別に、美月が謝るようなことなんてなんもないけど
葉月
えー?なになに、気になる〜
美月
(なんてこと言っちゃったんだ!ど、どうしよう…)
美月
あ、あの、ご、ご飯何?
お母さん
え、ないけど?さっきいらないって言ってたじゃない。
お父さん
お腹すいてないのか?
葉月
すいてなくても食べたほうがいいよ?
お母さん
いいんじゃない?お母さんがせっかく作ったご飯、いらないって言うんだし。
美月
…
美月は無言で部屋に戻った
美月
ひどい…
美月
ひどいよ…
美月
うう…
葉月
…?
葉月
どーしたの?おねーちゃん?
美月
はっ、葉月…!!
美月
いや、なんか、スマホで見てたやつが泣けちゃって…へへ
葉月
…本当に?おかーさんとなんかあった?
美月
いやいや、うそなんかついてないって
葉月
本当に…?
美月
しつこいな、葉月に関係ないでしょ!?
葉月
やっぱり、なんかあったんだ。
美月
!…ないって!もういいから、出てって…
美月
でてけっていってんでしょ!
葉月が出て行った
葉月
(お父さんに言おう)
葉月
お父さんちょっと来て
お父さん
ん、わかった
お母さん
なになに?
葉月
お父さんだけ、来て
葉月の部屋で
葉月
お父さん…
葉月は、あったことを全て話した。
葉月
怪しいと思わない?
お父さん
…でも
葉月
でも!もしこれであったら、絶対後で後悔する。お母さんに、ちょっと仕掛けたい。手伝って。
お父さん
確かに、仕掛けて損はなさそうだし、いいだろう。
美月
(お父さん!葉月!)
美月
自分でも、なんとかしないと…!
次の日
お父さん
仕事、行ってくる。
お母さん
あら、今日あったっけ?
お父さん
あるよ。行ってきます。
お母さん
いってらっしゃい。
美月
いってらっしゃい。
葉月
わたしも、出かける。行ってきます。
葉月は、台所の椅子の下に、スマホを置いた
お母さん
行ってらっしゃい。
美月
いってらっしゃい。
美月
お母さん、もうやめて。
お母さん
何がよ?
美月
冷たい態度、取らないで。昨日だって、夕飯いらないなんて行ってないし、立派な犯罪だよ?お母さんのやってることは。
お母さん
ふん、お前ごときが犯罪犯罪ほざいちゃって、笑える。
美月
訴えてやったっていいんだぞ。ばか。
お母さん
ばかって何よ!?お母さんにそんな態度、とってもいいの?
美月
お前なんて、親じゃない!
お母さん
こんな子供に育てた覚えはないわ。
美月
お前の育てかたが悪いんだ。
お母さん
うるさいっ
ピッ
美月
痛っ(血が、出てる…)
お母さん
あなた悪いのよ。
お母さん
全部全部あなたが悪いのよ!
美月
こんなことして、バレたらどうするの?りっぱなDVだよ?
お母さん
誘拐…されたことにすればいいのよ。
美月
ひっ、殺す気?
美月
嫌だ、そんな…⁉︎
お父さん
いい加減にしろ!
お母さん
あ、あなた!?
お父さん
お前、見損なったよ。
葉月
お前なんて、親じゃない。
葉月
もう、警察、呼んだから。
お父さん
永遠にばいばいだな。俺たちと。
お母さん
ご、ごめんなさい…許してください…
お父さん
こんなことして許されるほど、世の中甘くないんだよ。
葉月
バイバイ!哀れだねw
美月
…
警察が来た
警察官
連行します
お母さん
待って、もう少し話をさせて。
警察官
いきますよー
離婚し、新しく優しいお母さんもでき、幸せに暮らしましたとさ