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さとみside

だんだん暑さが抜けてきて、涼しい北風が四角く切り取られた窓からすぅっと入ってくる気持ちのいい昼休み…………

蒼瀬 ころん

ちょっと!莉犬くん!暑苦しいから離れて………!!!

狗井 莉犬

なんでそんなこと言うの!?ころちゃん、ひどい!

蒼瀬 ころん

僕、ひどいのかな!?

………のはずだった。

俺の耳に入って来たのは、怒鳴り散らすころんの声とそれに対抗する莉犬の声だった。

百瀬 さとみ

二人ともさぁ、こんな昼休みなにしてんの?

蒼瀬 ころん

あっ♡さとみせんぱ〜い♡聞いてください!莉犬くんがあ〜

そういって、俺の袖を掴んでくるころん。そんな気持ち悪いころんの手をすぐに引き離し、莉犬の方に体を向けた。

蒼瀬 ころん

せんぱっ!

という、ころんの声を無視して。

百瀬 さとみ

で、莉犬?どうした?

莉犬と仲良くなり始めて、今では敬語も外れ、お互い、名前で呼び合う仲にまで達していた。

狗井 莉犬

……ねぇ、さとみくん。さとみくんに話したいことが出来たからさ、放課後、屋上に来てくれない?

そんな莉犬から、急な呼び出しに、驚きはしたものの、平然を装い、俺は頷いた。

百瀬 さとみ

うん…。別にいいけど……

蒼瀬 ころん

えぇっ!?二人してこしょこしょ話!?ずるいよぉ〜!僕も入れて!僕もお話する!

狗井 莉犬

あ、ころちゃん。ごめんね、これは二人でお話したいんだ。たから、ね?ごめんね

蒼瀬 ころん

えぇ〜………。ねぇっ!先輩!いいですよね?僕も連れて行ってください!!!

百瀬 さとみ

ねぇ……2人で話すっつってんだよ。邪魔。こんなことするためなら、さっさとどっか行って(睨)

蒼瀬 ころん

え……あ……はい!先輩がそう言うなら!じゃあね!莉犬くん!さとみ先輩!!

スタスタスタ

狗井 莉犬

お前……ボソ

百瀬 さとみ

ん?なんか言ったか?莉犬

狗井 莉犬

別に、何も言ってないし。てか、事情変わった。今すぐ来て、屋上。

百瀬 さとみ

え、ああ。分かった

なぜか、その時の莉犬の目は、明らかに殺気立っていて、その目は激怒の最高潮に溢れていたのは、気のせいだったのだろうか……。 それに、口調も少し荒っぽかったというか………。 ま、莉犬はそんなことないな、なんて軽い気持ちで莉犬のあとに続いて、その場をあとにした。

ガチャ(ドアを開ける音)

俺の目の前にいる莉犬は、ドアノブを開けた瞬間、数歩、歩き、すぐそばまである柵に手をかけた。 そのとき、莉犬は信じられない力で柵を握っていた。 怒っているのだと、それは目にした瞬間わかった。 なぜなら、莉犬の手からギギギと嫌な音が俺の耳に届いたからだった。

百瀬 さとみ

莉犬、どうした?話って。屋上まで来てさ

莉犬は、俺の方を一切見ず、ただただ柵の向こう岸をずっと眺めているだけだった。 なので顔全体は見えず、口元だけかすかに見える程度だった。

狗井 莉犬

………ころちゃんはさ、なんつーか、分かりやすいよね。表情が豊かというかさ。俺、好きなんだ、ころちゃんのこと。心から

いきなり何を話し出すのかと思ったら、なんだ、ころんの話か……。と、俺は深くため息をついた。

百瀬 さとみ

もしかして、あいつの話をするために俺を呼び出したわけ?悪いけど、あいつの話聞く時間がもったいないからもう行くわ。じゃーな。

狗井 莉犬

ころちゃんは!!!

百瀬 さとみ

!!

狗井 莉犬

ころちゃんは!俺と幸せになる運命なの!!邪魔者なんかいらない!二人で幸せな家計を作って、寄り添って!だめなことには励ましあって!嬉しいことは喜び合って!そんな未来を俺は望んでるの!!!

俺は、すぐにころんの話ともなると嫌な記憶しか脳裏をよぎらないため、あいつの話は聞かないようにしている。 でも、莉犬がここまで声を荒げて話すってことは何かがあったんだろうと思い、俺は、屋上出口の階段に繫がるドアノブを開けようと思っていた手を反射的に止める。

百瀬 さとみ

…………何が言いたいわけ………?

狗井 莉犬

邪魔…………

百瀬 さとみ

は……?

狗井 莉犬

さとみくん!邪魔!!!俺達の関係において!すごく邪魔!!

そう言って莉犬は勢い良く後ろを振り返り、俺と目があう。 その顔を見て、俺は驚きを隠せなかった。

なぜなら、目元は真っ赤になり、眉を中心に寄せている。 そして、泣いていた跡がしっかりと残されていたからだった。 きっと、ここに移動してる最中に泣いたのだろう。それも、声をあげずに。

百瀬 さとみ

………どうしろっていうんだよ

そんな莉犬に驚きはしたが、冷静さを取り戻し、莉犬に聞く。

狗井 莉犬

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百瀬 さとみ

は?

君に好きと伝える日

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コメント

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え、、、、、神作。楽しみです((o(。>ω<。)o))

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