もし、本の中に行けるなら
あなたは行きますか?
いや、そんなの出来るわけないと言う人もいるでしょう
でも、出来るんです
それを可能にする人がいるんです
私もその一人です
読書をしていたら、そうなりました。
というか、私以外にいるのかもわかりません
私は、それを仕事だと思っています
そして、その仕事とは...
まず、本の中に行きたい人を探す事から始まります
探すというか片っ端から話しかけるだけですけど...
私
こんにちわ
女の子
こんにちわ
女の子
お姉さん誰?
私
それは秘密だよ
私
それで、
私
本の中に行きたい?
女の子
本の中?
女の子
うん!
私
どの本の中なの?
女の子
この本!
私
花の国のお姫様?
女の子
うん!
女の子
私、お姫様になりたいんだ!
私
そうなんだ...
私
その本、貸してくれる?
女の子
うん
私
....
私
(花の国のお姫様の中)
私
...
目の前には女の子はいない
それは、本の中に入ったから...
こうして私は仕事をしていく
給料はもらえない
でも、達成感がある
あと、私は本の世界に戻す事は出来ない
だから、本の世界に行った子は、一生本の世界で暮らす
私
もうそろそろ帰ろうかな
私
...ふぅ
私
最近だるいな
私
私も本の中に行けたらいいのに
私自身は、本の中に入れない
私
....これで、53人目か
私
53人、本の中に入ったんだね
私
...本でも読むか
パラパラ
その時、私は、目線を感じた
私
...こういうのって、実際に視線を感じるんだね
...いよ
私
えっ?
ひどいよ...
あなたの...
あなたのせいで!
私の後ろには、いつのまにか人...
いや、幽霊がいた
私
えっ?
私
ど、どうして...?
あなたが...
あなたが本の中に連れてったせいで!
私
本の中に連れてったせいで?
私
何で?
私
.....あ
私
そうだった
きっと、本の中で死んだんだ
私の前にいる幽霊達は、ミステリー小説の中に入ったんだ
きっと、事件の被害者になったんだろう...
私は気付けなかった
本の中の自分はいつ、どう死ぬかわからない
あなたも...
私
えっ?
あなたも本の中に連れてってあげる
私
本の中に?
私達と、
私達と同じ気持ちに!!
私
こ、来ないで、
私
...いや、
私
皆は無理でしょ
私
人を本の中に入れるの、無理でしょ
知ってる?
私達の中に、それができる人がいたんだ
私
.....えっ?
だから、
連れてってあげる
私
やだ!
私
やだやだやだやだやだ!
私
やめて
私
キャ━━━ッ