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ルユイア(過去)

第8話 - 'f経z緯gと?策

300

2023年09月18日

#自己満足

#創作

#過去編

ダンボール

ファルケ達二人は、シヴァの家へと案内される道中、会話を交えていた

ファルケ

…イービル。緊張しているようだが、大丈夫か？

イービル

う………だ、だって相手は神様なんだぞ…？

イービル

ここだって、普通では見られないような景色だし…

周囲は昼間のような明るさで、空は青と紫が混じった色をしている。

今イービル達が立っている場所も、浮いた巨大な石の上の様だ。

目を凝らせば、この足場以外にも巨大な石(足場)が点々と浮いている。中には石の上に公園や家が立っている物も見えた

イービル

緊張しない方が無理だ…

ファルケ

人間とは大変な物だな

イービル

ファルケは緊張しないのか？

ファルケ

我はヒトも神も同等の物だと思っている。

イービル

な、なるほど…

シヴァ

緊張なさらずとも大丈夫ですよ？

イービル

無理だｯ！！

シヴァ

では、慣れてください。

イービル

…む、難しいな………

ファルケ

諦めたらそこで試合終了だぞ

イービル

お前どっからその言葉覚えてきたんだ

シヴァ

人間の名言ですね！

イービル

………な、なぁ、シヴァ…さん。

シヴァ

呼び捨てで良いですよ。何でしょうか？

イービル

これ、落ちないのか？

イービル

なんか大きな石の上だが…

シヴァ

落ちたらペシャンコになるだけですので…

イービル

怖い！？

イービル

シヴァは、方翼しか無いが……
落ちた時、大丈夫なのか？

シヴァ

方翼だろうと頑張れば飛べます。

ファルケ

…そもそも。
足場は立ちやすいように整備されている様だし、余程のことが無い限りは落ちぬだろう

イービル

そ、それもそうか…

シヴァ

…とりあえず、着きましたよ。私の家です

気付けば、鳥居越しに自然へと飲み込まれかけている神社が見えた

イービル

神社……

シヴァ

中は割と普通な作りなので、人間さんでも寛げるかと

イービル

そ、そうなのか…

シヴァ

さ、入りましょう

三人は、鳥居を潜ってシヴァの家へと進んだ

理屈はわからないが、神社に足を踏み入れた途端、周りの景色が揺らぎ…

普通の室内…の様な景色に変わった

シヴァ

私の家にようこそ。です

イービル

ほ、本当に普通の家だ…

シヴァ

はい。キッチンが欲しかったので、人間の家の一部を借りました。

イービル

……料理、するのか？

シヴァ

料理修行中です。

イービル

そうなのか…

シヴァ

はい

シヴァ

…そろそろ、要件を話しましょうか

イービル

…そ、そうだな

シヴァ

お二人は、ベルさんのお仲間………でよろしいですね？

ファルケ

あぁ

シヴァ

では、お話致しましょう

シヴァ

何か聞きたいことはありますか？

ファルケ

…あの黒天使について

シヴァ

黒天使……あ、ゼルトのことですね。

イービル

シヴァは、もしかしてゼルトの母親か？

シヴァ

はい。

シヴァ

ゼルトのこと……ですか。

ファルケ

あいつが何故あそこに居るのかが気になる

イービル

何度か、帰れって促されたよな

シヴァ

それは、貴方方を思っての行動…だと思います。多分

ファルケ

どう言うことだ？

シヴァ

それについては、あの子の能力について話さなければ…

シヴァ

…あの子の能力は、「年齢依存で身体能力を強化する」能力です。

イービル

シンプル…だな

シヴァ

その能力で、貴方方に危害を加えたくなかったのかもしれません

シヴァ

現に、その能力で世界の三分の一が吹っ飛びましたから

イービル

はい！？

シヴァ

能力が異常に強化され、ちょっと走っただけで地面が抉れ、風圧で生物や建物が塵と化しました

シヴァ

まぁ…世界の方は、時の神が時間を戻し、事が起きる前にゼルトを閉じ込めることに成功しましたけどね。

イービル

…そうなる前に、気付くことはできなかったのか？

シヴァ

はい。

シヴァ

神の世界は結界が張られている為に、破壊神の力が暴走することもありませんでした。

シヴァ

ですが……ある日、ゼルトは勝手に地上へ足を踏み入れ、走り出そうとした時に…

ファルケ

世界の三分の一を吹っ飛ばしたと？

シヴァ

はい

シヴァ

恐らく、地上に憧れを持ってたのかもしれませんね。

シヴァ

…でも、ゼルトは地上に降りたことで、その能力の脅威性が明らかになりました

イービル

結界で、ここは守られているのでは？

シヴァ

結界の許容範囲にも限度があります

シヴァ

あの能力が年齢を重ねる毎に強くなるのであれば、いずれ結界の許容範囲を超えるでしょう

ファルケ

なるほど…

シヴァ

……現状、ゼルトのあの能力は、私達で止めることができません。

シヴァ

取り敢えず時間が経つのが遅い世界に閉じ込めましたが、このままではこの世界も吹っ飛ぶかもしれない…

シヴァ

その為、神々はゼルトの処分を決めました

ファルケ

…神々の戦争でも起きそうだな

シヴァ

私一人が起こしても集団リンチで終了です

イービル

集団リンチ！？

シヴァ

神々にとっては、世界を存続させたいのに世界を破壊する存在が居る…

シヴァ

それを庇うことは、世界を破壊することに等しい。

シヴァ

…そう考える神が多いのです

イービル

あぁ……

シヴァ

それさえ無ければ、私は普通に戦争を起こしてましたよ

シヴァ

………ま。そういう事なので、私は創造神に頼みに行きました

イービル

創造神…？

シヴァ

創造神はどの神様よりも偉い立ち位置の人なので、創造神に頼み事するのが一番かなと

ファルケ

偉い………？

ファルケ

神にも階級があるのか？

シヴァ

…偉い、と言っても正直誤差の範囲ですね。

シヴァ

創造神は何かを作れますが、作った物を放置すると良からぬ物へと変貌します

シヴァ

それが要らぬ物なら破壊神が削ぎ落とし、居る物なら他の神が管理し、変貌を防ぐ…

シヴァ

そうやって、この世界はできています

イービル

なるほど……

ファルケ

それで、何を創造神に頼んだのだ？

シヴァ

処分まで時間を延ばしてほしい、そう訴えました。

シヴァ

処分を辞めてほしい、は流石に聞き入れてもらえませんでしたが…

シヴァ

「ゼルトの能力を抑制する方法を見つけ、ゼルトを生かしても問題が無いようにする」

シヴァ

…その条件付きで、猶予を貰いました

イービル

猶予……残りどれくらいだ？

シヴァ

明日までですね

イービル

明日！？

シヴァ

色々と打つ手は取ったのですが、全て効かず‥困っていた時に…

シヴァ

貴方方が来たんです

ファルケ

…ゼルトは閉じ込められて、何日くらいだ？

シヴァ

4日くらいですかね

ファルケ

それは、ゼルトにとってどれくらいの時間が経っているのだ？

シヴァ

うーん………断言はできませんが、体感一兆年くらいでしょう

イービル

長ｯ

シヴァ

あの空間、歳は取りにくくできてるんですよね。

ファルケ

それは……都合が良いな

シヴァ

時の神と私の………うーん、お手伝いさん？が協力して作った空間なので…

シヴァ

色々と都合良くできてます。
その変わり、頑丈では無いですね

イービル

お手伝いさん？

シヴァ

今は居ませんよ。買出し中です

イービル

…………そのお手伝いさんも、神様なのか？

シヴァ

違いますね。

イービル

へっ？

シヴァ

…話を戻しましょう。

シヴァ

私は、貴方方に協力してほしいのです

ファルケ

…協力か。

シヴァ

人の娘(ｺ)と鷹にお願いできるような問題では無いと思うのですが…

シヴァ

お願いします。

ファルケ

交換条件だ

シヴァ

へ？

ファルケ

ゼルトが処分から逃れた際、我らの組織に入れてくれぬか

ファルケ

…何をする組織なのかは、言いたくない

シヴァ

息子、怪しい組織に勧誘の危機

イービル

そ、それほど怪しくないぞ！…多分

シヴァ

そこは確証を持ちましょうよ…

シヴァ

まぁ、ベルが居るなら大丈夫…ですね

イービル

そう言えば。シヴァは、ベルと友達なのか？

シヴァ

私というよりは、ゼルトの友達ですね。

シヴァ

神の目を盗んでは、ここに来てゼルトと遊んでました

イービル

神の目を盗むって、字面が凄いな…

シヴァ

あはは…最近は来てませんせどね。
元気なのかな

イービル

多分、元気…なんじゃないか？

シヴァ

良かったです。

シヴァ

…さて、そろそろゼルトの能力に対処しないと…

イービル

…うーん……

ファルケ

…ゼルトは、処分されそうな事を知っているのか？

シヴァ

知らないと思います。

ファルケ

…そうか………

イービル

………

イービル

……そう言えば。

イービル

ベルが、「十字架にお願いしろ」みたいな事、言ってた気がする…

ファルケ

十字架？

イービル

ほら、協会？とかでは、悪魔祓いの為に塩を投げたり、十字架を使ったりするだろ？

ファルケ

そうなのか？

シヴァ

確かに、理由は知りませんが使ってますね

イービル

それを、ゼルトに使ってみるのはどうだ？

シヴァ

…………ゼルトを悪魔呼ばわりする気ですか？

イービル

いやいやいやいや、そんなつもりじゃ…！

シヴァ

冗談です。

シヴァ

と言うか、破壊神と言う立場上、悪魔と同類扱いされても仕方ないですね

イービル

え、ええ？

シヴァ

…さて。その十字架とやらは、どうやって入手しましょうか？

イービル

入手……うーん……

ファルケ

作る。

イービル

へ！？

シヴァ

んー………

シヴァ

あ。…作れそうな人、身内に居ます。

イービル

はい！？

シヴァ

私の、お手伝いさんを使うのはどうですか？

イービル

お手伝いさん……

シヴァ

はい。夫が長旅する前に、自分の部下？を私にくれたんです。

イービル

夫！？

シヴァ

…ぁー…現在進行系で旅をしているかと

ファルケ

それは、色々大丈夫なのか…？

シヴァ

仕事に支障は無いので、大丈夫です

イービル

何故、夫は長旅に…？

シヴァ

…それよりも、先ずはお手伝いさんです。

シヴァ

そろそろ帰ってくるかな

イービル

わ、わかった……

ファルケ

お手伝いか…

ファルケ達が入り口の扉に目を向けた時、既に扉は僅かに開かれていた

扉の先には、こちらを見つめる黄色い眼が一つ

黒い男

………

イービル

！？………お、お手伝いさん……か？

シヴァ

居たんですね！？

シヴァ

は、入ってきて良いですよ〜…？

黒い男はファルケ達を見つめたまま、微動だにしない

シヴァ

………ぁー………その人達は大丈夫です。

黒い男

……

黒い男

………………

黒い男は袋を机に置き、素早く入り口に引き返した

…袋には食材が入っている。わざわざ街に行って買ったのだろうか

シヴァ

…警戒してます？

黒い男

試食、しない

シヴァ

へ！？

黒い男

………

イービル

……も、もしかして、シヴァに警戒している…？

黒い男

変な奴らと、いつも通りダークマター製造機が居る…

シヴァ

ダークマター(※恐らく料理)製造機！？

イービル

変な奴ら！？

ファルケ

………その黒男に事情を説明するぞ。

黒い男

………なるほど。

ファルケら三人は、黒い男に事情を話した

黒い男も…最初は警戒していたが、徐々に打ち解け、名前を教えてもらった。

イービル

クナロス。何とか、十字架を作れないか？

クナロス

…十字架にそんな効能は…

シヴァ

今動かないと、もう打つ手が無いですよ

クナロス

……

シヴァ

お願いします。

クナロス

……

クナロスはため息をつき、テーブルの上に手を乗せた

クナロスの能力は、「自分で作った空間を自在に操る」能力。

クナロス

…どぞ。

極小の空間を作り、それを個体化、十字架の形を真似る事で…

イービル

…ほ、ほんとに出来た…

クナロス

…使えるかどうかは、知らん。

ファルケ

作成、感謝する

シヴァ

……あ、そうだ。それに…何か、まじないでも掛けておきましょうか

イービル

おまじない…

シヴァ

ちょっと………ほんの少しの間、借りますよ

シヴァは黒い十字架を、別室へと持っていった

イービル

………そう言えば。

イービル

クナロス。空間を操ると言っていたが…個体にすると、空間として判定されるのか？

クナロス

よくわからん事、聞くな

クナロス

…俺は…空間内の空気を固めて、空間を小さくしただけだ

イービル

………空間の中なら、何でもできるんだな

クナロス

あぁ。

そうやって、イービル達はクナロスと暫く話し…

シヴァがこの部屋に戻ったら、ﾏｼﾞﾅｲを掛けた十字架を返してもらい

イービルらは、ゼルトの元へと戻るのだった

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