大森元貴side
朝、俺は今日も生かされている
心臓に手を当てると、トクトクと一定のリズムを刻んでいる
生きているから当たり前だ
でももうすぐ俺のこと当たり前は壊れることになる
だって俺は哺心病だから
ピロリン♪
『元貴、大事な話があるんだけど』
そうグループラインに送ってきたのは若井だった
いいよ、と送る
すると若井から 『今から俺の家に来て』 とすぐに返信が来た
どうしたんだろう
もしかしたら、何か悪い知らせだろうか
俺が哺心病だからミセスを解散にするとか
ミセスを涼ちゃんと若井が脱退するとか
悪い想像ばかり浮かんでしまう
でも人の家に行くんだからちゃんと着替えて。
荷物は、携帯と財布だけでいいか。
玄関を開ける
朝日が眩しい。
若井の家に向かって歩き出す
何度も何度も通ったこの道。
あと俺はあと何回この道を通れるんだろう
そう思っていると急に悲しくなって涙が出てきた
泣いちゃいけない
だってここは道端だし、それに泣いたら鼓動が早くなる
また哺心病が進んで、若井たちと会える時間が少なくなってしまう
だから、泣いちゃダメ。
なのに、勝手に涙が出てくる
心臓に手を当てる
やっぱり。
泣いたから少しだけ鼓動が早くなってる
ダメ。鼓動を早くしちゃ、だめなのに
そう思いながらうずくまる。
立ち止まって蹲ったら少しは涙が落ち着いた。 そして鼓動もだんだん通常通りに戻って行く
そうこうしているうちに若井の家に着く。
チャイムを押すと、インターホン越しに若井の声が聞こえる
若井.
大森.
若井.
大森.
若井の声に頷いて扉を開ける
若井の安心できる匂いが鼻腔をくすぐった
いつもと同じ、安心できる匂い。
リビングに行くと若井と涼ちゃんが座っていた
二人もいつもと変わらない
はずなのに若井と涼ちゃんを纏う雰囲気がいつもと少し違っている
何とも言えない雰囲気だ
大森.
若井.
大森.
俺はソファに座って、涼ちゃんと若井と向き合う
涼ちゃんの目は少し腫れている
何があったんだろう
若井.
若井.
大森.
やっぱり、バレてしまった
哺心病の治し方はあるのに治し方を言わなかったこと
そして、若井と涼ちゃんは哺心病の治し方を知ってしまった
若井.
大森.
若井.
若井の言葉に一瞬たじろぐ
生きられないよ?だってもう余命宣言までされてるんだから
若井は目を細める。
悲しい表情はそこには見当たらない
若井.
こんにちは✨
600いいねありがとうございます😭 感想も嬉しいです✨
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
それではまた!
明日君に求められたい人生だった最終回です ※若井さんが死んでしまってからの大森さんと涼ちゃんの話です※ 楽しみにしてくれると嬉しいです✨
コメント
7件
いやぁ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛😭 三人が報われる方法はないのかな泣若井さんにも大森さんにもタヒんでほしくない…
な、なんで…3人とも助かる方法は無いのっ?ヤバい!涙が…(இдஇ`。)
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙😭どうか、3人が救われる方法はないんでしょうか…😭 それに、『君に求められたい人生だった』の話が、最終回……! めちゃくちゃ楽しみで、仕方ないです🥰