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瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
※ご本人様とは一切関係ありません ※BL ※地雷、苦手な方はブラウザーバックしてください
「どうして?」
なんて言われても分からねぇよ
「お前は本当に出来損ないね」
だってしょうがないだろ
俺は俺なんだから
「出来損ない!家から出てけ!」
どれだけ傷ができても
どれだけアザができても
「痛い」
なんて言葉はでてこなくて
どれだけ苦しくても
学校でも1人だから
相談なんてできなかった
ましてや
先生なんてもの信用できやしない
そんなボッチの俺の前に現れたお前は
俺とは正反対のような生き物だった
6月ごろに転校してきたっけ
赤
赤
赤
赤
そういうお前は笑顔で
その日の雨で暗い空も
明るくなってしまうような元気さだった
お前はそのあと次々に
友達を増やしていったよな
ふと覗いた職員室では
お前の母親が
「赤のことを本当によろしくお願いします」
って頭を下げていた
俺はお前のような奴は嫌いだった
赤
赤
赤
うるさいほどに元気で
赤
赤
明るくて
赤
赤
赤
恵まれてることに気が付かない奴
きっとお前も気づいていたと思う
嫌われていることに
赤
赤
どんだけ話しかけられても
無視してたからな
もしこんなことを言ったら
「じゃぁ、何で助けたの?」
なんて言うのだろう
明確な理由なんてそん時は無かった
ただ
「助けたい」
「生きていてほしい」
そうやって心が叫んだんだ
今考えれば
〈俺はいらない存在で
お前は望まれていたから〉
〈お前だけは俺に優しくしてくれたから〉
いろんな理由が浮かんでくる
でもどれも違う気がする
なんでだろう
今までこんなことなかったのに
どうして
こんなにも胸がきしむように痛むんだろう
あぁ
そうか
俺恋してたんだ
赤にずっと
どうして今まで気が付かなかったんだろう
赤が車に引かれそうになって
車道から押し出して助けた後の
朦朧とする頭の中で見た
駆け寄ってきた赤の
こぼれた涙が
少しだけ嬉しかったんだ
同時に
もうあの優しさに触れたり
澄んだ声を聞いたり
できないことが
凄く悲しかったんだ
俺にはこんなこと言う資格ないんだろう
いままでさんざん赤のことを
蔑ろにしてきた俺には
でも
本当に心の支えだったんだ
赤は初めて俺を受け入れてくれた人
初めて笑いかけてくれた人
初めて心配してくれた人
初めて「友達になろう」と言ってくれた人
赤を初めて見たとき
本当に最悪だった
「こんな奴がクラスに来た」と
でも赤はどんどん俺の心を溶かしてくれた
俺の日常に色を付けてくれた
あぁ、神様
もしも1つだけ願いが叶うのなら
あの赤の太陽のような笑顔が
すべてを照らすあの笑顔が
いつまでも消えないようにしてください
じゃぁな、赤
いつまでも幸せで