千年恋歌

くすぐるような優しい風 空は雲ひとつなく 澄み切った青い青い空 柔らかな春の日差し 桜舞い散る あの日のことを オレは忘れない

使い古された寝具 その寝具で彼女は横になっていた 彼女はもう起き上がることはもうできないほど老いていた そんな彼女の、か細くなった手をオレは握りしめる 彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべていたが、その手から握り返される感触は感じられなかった ただこうして彼女の最後を看取ってやることだけしかできない自分に不甲斐なさを感じた

その日、彼女はこの世を去った オレと彼女の関係性を知っていた村人達は彼女のために立派な墓をたててくれた いや、塚と言った方が正しいのかもしれない

オレは姿を隠し、彼女の塚を 子孫を 村を 見守り続けることにした そして、時代の流れとともに村は大きくなり 彼女の塚は、子孫の手により神社へと変わっていった 柊神社と呼ばれるようになった オレと彼女の馴れ初めは伝説のように語り継がれてゆき、オレの名は柊神社の神として崇められるようになった さらに時代は流れてゆき、村は都へ、都は街へ やがて、柊神社は『恋愛成就の神社』として有名になった 子孫達は代々受け継ぎ、神社を大切にしてくれた オレも時代の流れに合わせ変えていった そして、待ち続けた いつか出会える日が来ることを信じて

私は椎名夏美（しいななつみ）。柊高校に通う女子高生。１５歳 4月に入学したばかりの普通…、ううん…ちょっと違う所あるけど、一応今は普通ってことで。

私と話してる子は吉井かなえ（よしいかなえ）。幼馴染。 話の流れからなんとなく想像つくと思うけど、柊神社というのは『恋愛成就』で有名な神社なの。 柊神社は…えっと説明すれば長くなるんだけど私説明下手だから簡単に。 『鬼神様』を祀ってある神社なの。 テレビや雑誌でも取り上げられたほど有名で、実際にそこでお参りしたら恋が実ったって話結構耳にしてる。 芸能界でもたまに話に出てきてるし、噂じゃ密かに何人かの芸能人や有名人がお参りにきてるとか。 私は恋が実ったのって偶然のような気もするんだけどね…

今の話の流れを聞いて分かったと思うけど、私は柊神社と縁がある。 それは私の家が先祖代々柊神社を大切に守ってきたからだそうで… だからといって、私の先祖が鬼神様とは限らないじゃない？ おばあちゃんは、昔の書物に先祖である証が書かれているのを私に見せてくれたことがある。 私は信じてないけど。

途中で割り込んできた男の子は村上春樹（むらかみはるき）。 春樹も昔からの幼馴染。 同い年のはずなんだけど…性格がすごく子供っぽくて…あ、今も変わらないかも… そう。私たち3人は昔からこんな感じ。

こうして柊神社に行くことになった。 そして 私は出会う …あの少年に ううん…ちょっと違うかな 『再会する』って言った方が正しいのかも

千年恋歌〜序章〜を読んでくださりありがとうございました。 近いうちに千年恋歌連載を致したいと思います テラーの操作方法がちょっとまだ分からない中、書き上げたものですので、読みにくかったかもしれません。 申し訳ないです あと画像は自分で描きました。（一応イメージしやすいように…😰）下手くそで本当に申し訳ありません それではまた