桃菜
私のお願いはね
桃菜
私の死ぬまでにしたいことを代わりにして欲しいの!
和樹
代わり?
僕がやっても意味が無いんじゃない?
いつもの僕なら
こんな言葉よりも先に
『嫌だ』
の一言がでただろう
桃菜
確かに!
じゃー出来るのは一緒にして欲しいな
桃菜
私が出来ないのは代わりにやって欲しい
和樹
一緒にやるって例えば?
桃菜
えーと、花火!
桃菜
時期過ぎて出来なかったし、冬の花火とかやってみたかったんだー
和樹
そっか
和樹
明日もここに来るよう先生に頼まれてるから返事は明日する
和樹
他人の人生最後のしたい事の手伝いなんて僕には
荷が重すぎてすぐに返事ができない
桃菜
君いい子だね
和樹
は?
いい子は、即答で『いいよ』って、笑顔で言ってくれる人でしょ
桃菜
私は、そう思わないな
桃菜
そー答えてもらえたら嬉しいよ
和樹
なら!
桃菜
でも、それは私のお願いを真剣に考えてないんだと思う
桃菜
しっかり、考えてくれる君はいい人だ!
和樹
・・・
そんな、笑顔で僕を認めてくれる
そんな君の
『最後のお願い』
を断れるほど僕は非道じゃなかった
和樹
いいよ
桃菜
え?
和樹
君の最後にやりたいこと
和樹
僕が一緒にやったり
代わりにやってあげる
桃菜
本当に?
私から言っといてなんだけど、友達でもなかった
ただのクラスメイトだよ?
和樹
そんなクラスメイトでも、手伝いたくなるような理由を僕にくれたんだ
君を見て
フツーじゃなくてもいいかな
って、少し思えた
僕にとってそれは大きな理由だ
和樹
でも、1つ条件がある
桃菜
・・・?
和樹
それは、君の病気について教えて
桃菜
・・・
桃菜
なんで?
和樹
君の病気が分からないと
君と行動して何かあってもどうも出来ないから
桃菜
わかった・・・
桃菜
私の病気は、ガンみたいなもの。
正直まだ解明されてない
病気みたいでね
だから、治らない
いや、治せない病気なの
桃菜
そんなことより、看護師
さんに許可とって、一緒に着いてきてもらうなら花火
してくれる?
和樹
いいけど・・・
なんで、そんなに嬉しそうなの?
和樹
突き放すような事言って、君が嫌だろうに病気の事
聞いたのに・・・
桃菜
君が私の事真剣に考えてくれてるんだなぁー
って、ホントに伝わるから
桃菜
私に対して無責任なことをしないでくれてるから
桃菜
だから嬉しいなって思って
桃菜
君は、凄いね
桃菜
他人のことを考えられて
和樹
そんなことないよ
僕は、大した事をしていない
でも、そんな僕を彼女は
『凄いと』言ってくれた
和樹
他人のいい所を見つけられる君の方が凄いよ
桃菜
(≧∀≦)エヘヘ
ありがとう!
桃菜
てか、君呼び禁止!
桃菜
桃菜って、呼んでよ
桃菜
私も和樹でいい?
和樹
僕を和樹って、呼ぶのはいいけど
僕は、桃菜なんて呼ばないよ?!
桃菜
なんか、照れるから君のままでいいよ和樹!
涼
どーだった?
和樹
なにが
涼
桜葉だよ!
和樹
うーん
病気的には、やばいらしい
和樹
でも、見た目だけなら元気そうだった
涼
そっかよかった・・・
和樹
なんで、涼がそんなこと気にすんの?
涼
なんつーか、
興味本位もあるが
実は、親戚なんだよね
涼
だから、元気でいて欲しいつーかね
涼は、少し複雑そうな顔をした
まだ何か話せない事があるんだろう・・
和樹
そっか・・・
和樹
どーもっ
桃菜
おっ、和樹!
和樹
ホントに名前呼び
続けるんだ(笑)
桃菜
もっちろん!
桃菜
それより、花火
持ってきてくれたー?
和樹
まぁ、庭でできる程度のやつは持ってきたよ
桃菜
やった!
花火♥花火♥
和樹
あのさ、聞きたいことがあるんだけど・・・
和樹
桜木 涼って、しってる?
桃菜
しってるよ
また、彼女を困らせてる
分かりながらも、モヤモヤする
この気持ちを抑えられなくて
踏み込んでしまう
桃菜
どして?
和樹
俺の友達で、親戚って聞いて
桃菜
そっか、そー言ってくれたんだ
桃菜
嬉しいな
桃菜
そっかー
親戚かぁ
桃菜
友達なら涼君が
あの『桜木一族』なのは
・・
知ってるよね?
和樹
うん
桃菜
私は、その桜木の分家
桜葉の娘
桃菜
でも、私は娘だけど桜葉の直結の娘じゃなくて愛人の娘なの
和樹
ごめん
桃菜
いいよー
私が勝手に話し始めたんだし
和樹
でも僕は人の家の事に勝手にズカズカ入っていって
桃菜
いいの
いいの
でも、私が話したこと涼君には秘密にしといて!
和樹
うん
わかった
桃菜
もー暗い話はやめ!
花火しに行こう!
僕は、何かにモヤっとした
モヤっとしたのも
きづついてる気がするのも
分からない
和樹
そっか
看護師さん
くれぐれもはしゃぎすぎて危険なことのないように!
桃菜
は~い
それより、浴衣着たんだよ!
冬にだよ!
看護師さん
もぅ!
和樹
僕も見てますんで
桃菜
じゃぁ、始めるぞー
桃菜
桃菜
めっちゃ綺麗!
和樹
和樹
線香花火も素朴な綺麗さですてきだよ
桃菜
ふふー
冬にこんな綺麗な花火を
友達と出来るなんて
桃菜
私は、とーっても幸せ者だね
彼女の笑顔はとても輝いていた
花火よりも明るく
花火よりもきらめく
そんな笑顔を
花火よりも綺麗だと思った
桃菜
和樹
綺麗
桃菜
だよね!
ホントに花火死ぬ前にして良かったー
それで気づいた
さっきのモヤモヤ
彼女に踏み込んでしまう理由
彼女の前ならフツーをを崩す僕
それら全ての理由
12月4日
今日、僕は余命0日の彼女への恋を
自覚してしまった・・・
次回は、♥300で書きたいと思います
↑
欲張りw
もし会えたなら次回は、
和樹
僕の恋を実感してからの行動と心情
桃菜
私のお願い
涼
俺が和樹の気持ちを聞いた気持ちです!