酒田 悠之介
文化祭準備ももう少しで終わりだね
近藤 有葵
そうだね、大変だったけど楽しかったかな
ぼく、酒田悠之介は近藤さんに絶賛片思い中。文化祭準備を手伝う事で彼女といる時間を増やす作戦決行中だ。
近藤 有葵
あとは…このベニヤ板を運んだら完了かな
近藤 有葵
ちょっと重くて…手伝ってもらってもいいかな?
酒田 悠之介
いいよ、これをこっちに運んで…っと。
近藤 有葵
あ、ごめん。手、触っちゃったね。
酒田 悠之介
いや、全然大丈夫だよ。気にしないで。
むしろ、近藤さんと手を繋ぎたいよー!どうやったら…えーと、えーと…あ、そうだ!うん、名案!
近藤 有葵
ここの壁にベニヤ板をつけるよ!接着剤はある?
酒田 悠之介
ぼくがつけてあげるよ。よいしょ…うん、完璧!
酒田 悠之介
近藤さん、終わったよ…ってああああ!
近藤 有葵
手、離れないよっ!?どうしよう…。
直前まで接着剤を使っている、という認識にさせ、故意に彼女と手を握る。
彼女はぼくの手に接着剤がついているから離れないと思っているが、実際はぼくが強く握りしめているだけ。
酒田 悠之介
ごめんっ!手、離れなくなっちゃったね…。
近藤 有葵
でもこの接着剤、乾燥したら剥がれるから大丈夫!
近藤 有葵
手も離れないし、しばらくじっとしてようよ
酒田 悠之介
そうだね
酒田 悠之介
あ、それならさ質問とかしてもいい?
酒田 悠之介
どうせ暇なんだしお互いの事もっと知りたくない?
近藤 有葵
賛成!じゃあ私から。酒田君は好きな人いる?
酒田 悠之介
いるよ、一応ね。…片思いだけど笑
近藤 有葵
告白しないの、その子に?
酒田 悠之介
出来ないよ、ぼくには勇気が足りないから
近藤 有葵
やってみないと分からないよ?なんでもチャレンジ精神大事だよ!
酒田 悠之介
そっか、そうだよね。…じゃあさ
酒田 悠之介
近藤さん、ぼくの彼女になってほしいんだ!
近藤 有葵
…ふふっ、そーゆう事ね
彼女はそんな事を呟くとまるで分かっていたかのように手を解いた。
近藤 有葵
途中から冷静になって考えて気づいたの
近藤 有葵
これは接着剤の感触じゃないなってね
近藤 有葵
酒田君が私と手を繋ぎたいから考えたんでしょ?
酒田 悠之介
ごめんなさい!こんなの嫌…だったよね
近藤 有葵
イヤじゃ…ない。だって私も酒田君、好きだもん
酒田 悠之介
えっ、ホントに?
近藤 有葵
近藤 有葵
これからはどんな時もずっと手、繋いでいようね?
酒田 悠之介
うん…次は絶対に離さないから!