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紫 side
すちの告白を聞いてから数時間
俺は今日も桜の下へと歩くらんに同行していた
普段はすちも一緒に来るけど
今日は休んどけって
無理やり休ませた
ぼんやりと
少しだけ前を歩く綺麗な後ろ姿を見つめる
ラン
2人の間に何か強いものがあることはわかっていた
何なら、専属騎士になったばかりの頃から気づいてた
恋心ではないにしろ
あいつがらんを見つめる目には強い決意が宿っていたから
でも同時に
ここ最近になって気づいた
みことのことを見る目は、らんのことを見る目ともまた違う
愛しいものを見る目だって
イルマ
ラン
呼びかけるとらんは振り返って
そして…笑ってくれる
昔、この笑顔が消えてた時期があるのだと
そう考えると…どうしようもなくやるせない気持ちになる
今、らんが笑えてるのは
間違いなくすちのおかげだ
ラン
俺はその手を引くと
優しく唇を奪い、問いかけてみた
イルマ
ラン
イルマ
イルマ
すちが前に進めるきっかけになったらいいと思うと同時に
ちょっとした羨ましさ…いや、嫉妬心でもあった
俺には踏み入ることのできない信頼があることを
痛いほど知っていたから
らんは迷っているのか少しだけ目を泳がせたあと
こちらを覗き込んで言った
ラン
イルマ
ラン
ラン
少しだけ頬を染めてそう答える姿に
俺は安堵した
イルマ
ラン
イルマ
そして同時に、心に決める
らんを笑顔にしてくれたすちへ
俺なりの感謝
イルマ
イルマ
勝手に気持ちを言う申し訳なさもあるけど
進ませるには、きっとこうするしかない
ラン
イルマ
その意味がわかったらしくて
らんは…悩んだように目を泳がせると
静かに頷いた
黄 side
すちくんと顔を合わせなくなって…もう1週間経つ
本当は何度も仕事を一緒にする機会はあったけど
私は…顔を合わせることができなかった
あのときのことを聞くのが、怖くて
上手く話せる気がしなかったから
私が避けてしまっていた
だけど、
ミコト
スチ
朝、こさめちゃんとなっちゃんと食堂に来たとき
久々に朝食の時間が重なって
その紅色の目と、目が合ってしまった
スチ
ミコト
ミコト
こちらの様子を伺うような柔らかい声
返さなきゃいけないのに、言葉が詰まって
声が上擦ってしまった
何とか返せたけど、会話はそれきり
紅色の目が寂しそうにこちらを見つめていることを
気づかないふりをしてしまった
ミコト
目で追ってしまう自分がいる
スチ
ラン
そこに見えるのは
らんらんと会話をしているすちくん
わかってる
わかってるの…心の中では
従者と姫は主従関係で
何よりも姫を優先する
忠誠を誓うのが…私たち
なのに
ミコト
本当にどうしてしまったのだろう
大好きな友人にまでこんなことを思うなんて
生まれた新しい感情に嫌気がさした
自分がこんなにも心が狭いとは思ってなくて
新たに見え隠れする部分を、醜く感じた
コサメ
ミコト
あれ…?
不意に、目眩を感じた
最近あまり眠れていなかったからかもしれない
そういえば、朝から暑い気がしてた
ミコト
そうも思っていながら、視界が傾いて
身体がふらつく
ミコト
そしてそのまま膝をついてしまいそうになったが
スチ
寸前のところで支えられた
支えてくれたのがすちくんだということは
顔を見なくてもわかってしまった
コサメ
心配して駆け寄ってくるみんな
頭がふわふわしてあまり回らないけど
申し訳なさでいっぱいになった
少しだけひんやりとした手が私のおでこに触れる
スチ
熱…?
全く気が付かなかったけど
身体の言うことが効かなくなっていたのはそう言うことなのだと何となく理解した
ラン
ラン
スチ
ぼんやりとした中で
らんらんの声が聞こえる
迷ったようなすちくんの表情も見える
私は…迷っている彼の答えを知らないまま
意識を手放してしまった
コメント
3件
神はすぐ近くにいるんだなぁ。
きゃぁぁ❤もうやっぱ神✨️ 最近テストでイラついてたけど無くなったわ!いるらんてぇてぇ、、👍🏻 もう、すちくんイケメンすぎ、👍🏻みこちゃん大丈夫かな、、?すちみこ楽しみ!次回も楽しみにしています!無理せず頑張ってください!!
あああ新刊ありがとうございます…!!😭💕 イルマがらんにキスして「すちだけか?」って聞くシーン、嫉妬と信頼が混ざってて胸がぎゅっとなった…!そしてみこちゃん視点で「らんらんが羨ましい」って自覚するところ、新しい感情に戸惑う感じがリアルで切ない…。最後にすちが駆け寄るところで終わったのも続きが気になりすぎる…!!