TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

あれから1ヶ月がたった…。

告白してきた斎藤くんとは…

あの日から一度も言葉を 交していなかった…。

私、何かしたのかな…。

なんて不安を抱きながら、 どこかもの寂しい気持ちだった。

笠原 悠真

あ、いたっ!

笠原 悠真

中川さん!

中川 志帆

ふぇ?

振り向くと、隣のクラスの女の子が 私に駆け寄ってきた。

中川 志帆

なんですか…?

中川 志帆

えっと…

笠原 悠真

笠原…悠真ですっ…

あまりに全速力しすぎたせいか、 息が少し荒い…。

中川 志帆

悠真ちゃん。

中川 志帆

どうしたんですか?

笠原 悠真

えっと、これ。

そう言って彼女は、数枚のザラ紙を 私に差し出す

笠原 悠真

次の委員会の資料!

中川 志帆

委員会…?

パラリと1枚めくってみると 来月の文化祭について記されている…。

中川 志帆

明日ですか?委員会って

笠原 悠真

うん!4階の理科室!

中川 志帆

わかりました。

私はニッコリ微笑んで、教室へ戻ろうとする…

すると…

坂田 瑠色

悠真…こんなとこにいたのかよ…

笠原 悠真

わっ…瑠色っ!?

笠原 悠真

購買行ったんじゃ…

坂田 瑠色

あぁ…行った。

坂田 瑠色

そしたら、夏輝が目の前にいて最後のパン買われちまった…

笠原 悠真

えぇ…

笠原 悠真

私のお弁当あげるよ…早く屋上行こ!

坂田 瑠色

あ、あぁ…

仲良い…なぁ。

中川 志帆

あの、2人ってカップルなんですか?

笠原 悠真

え…

坂田 瑠色

え…

あれ…?私変なこと言ったかな…

妙に2人共表情がかたい…?

中川 志帆

あ、ごめんなさい。

中川 志帆

そんな関係じゃないんですよね…

坂田 瑠色

ちっ…違うっ

中川 志帆

へ?

笠原 悠真

坂田 瑠色

中川 志帆

あ、やっぱりカップル…?

2人共今度は顔が真っ赤だ…

笠原 悠真

えっと、中川さん…っ

笠原 悠真

声が大きいっ…かなっ。

中川 志帆

えぇ…?

声が…大きい……?

声が………………。

中川 志帆

あっ…ごめんなさい。

坂田 瑠色

いや、いいんだ。

笠原 悠真

うん、全然💧気にしなくていいよ

中川 志帆

そうですか。

せっかくカップルだと思って 恋愛について聞こうと思ったのに…

なんでだろう…気まずいなぁ。

坂田 瑠色

それより…早く屋上行こう

笠原 悠真

う、うん。

笠原 悠真

じゃあ、中川さん…また明日ね!

中川 志帆

あっ…、

また、出遅れてしまった。

充分チャンスはあったのに…

なんで…?

斎藤 悠里

おい、坂田

坂田 瑠色

あ?

斎藤 悠里

さっき中川さんと何話してたんだよ…っ

斎藤 悠里

うぎぎ…っ

坂田 瑠色

いや、何も話してねぇけど…💧

斎藤 悠里

嘘つけぇ!

斎藤 悠里

はくまでここを通らさんぞ!

坂田 瑠色

はいはい…。

斎藤 悠里

むぎぎ…っ

坂田 瑠色

坂田 瑠色

あの子…かなり天然だったな。

斎藤 悠里

誰のことだよ💢

坂田 瑠色

中川さん。

斎藤 悠里

当たり前だろ〜💢

斎藤 悠里

中川さんの可愛い所なんだよ!

坂田 瑠色

まぁ、顔は可愛いと思うぞ

斎藤 悠里

お前彼女いといて………

坂田 瑠色

まぁ、あれだけ天然だったら苦労するだろうよ…

斎藤 悠里

斎藤 悠里

は?

坂田 瑠色

頑張って落としてみせろよ…

斎藤 悠里

なんだよ…

坂田 瑠色

中川さんのハート…

斎藤 悠里

はっ!?

1週間後

先生

文化祭まで、もう1ヶ月もないです…

先生

委員長を中心にこのクラスの出し物を話し合ってください。

中川 志帆

あ、はいっ…

委員長である私は、黒板の前にたつ。

中川 志帆

えっと、何がしたいですか?

私が問いた後、次次と意見が飛び交った

焼きそば、お化け屋敷、喫茶店、

どれも面白そうだった…

そんな中で、1人…場違いな意見を 発した人がいた。

斎藤 悠里

あ、はいっ!

中川 志帆

あ、…

中川 志帆

さ、斎藤くんっ…

彼の名を呼ぶのはこれで2回目だった。

名前を呼ぶだけだったのに、 声が震えていた。

斎藤 悠里

俺、書道の展示がいいでーす!

中川 志帆

え?

辺りは一気に静まり返る…

そりゃそうだ。

お店類ときた後にまさかまさかの 『書道の展示』…

クラスメイト

書道の展示とかっ…

クラスメイト

斎藤なんでだよー

斎藤 悠里

いや、だってさ…

斎藤 悠里

自分のクラスがお店とかだと…他のクラスの出し物とか見れないじゃん

中川 志帆

えぇ……、

斎藤 悠里

ねっ!いいッスよね!中川さん!

中川 志帆

え、いやぁ……、

『志帆りん……いや中川さん困ってるぞ!』

『チャラ男なのに真面目な意見だw』

その後一気に溢れるブーイングやら… 同意やら…

中川 志帆

むむぅ、…

もう困りました。

結局、このクラスは

斎藤くんの意見の『書道の展示』 をすることになった。

中川 志帆

はぁあ〜

私は帰り道に、長いため息をつく。

中川 志帆

せっかく楽しめると思ったんですけどねー

斎藤 悠里

斎藤 悠里

あだっ!!!

ふいに後ろで変な音がした…

いや、音じゃなかった、『声』だ

振り向くと、何故か斎藤くんが 電柱にぶつかっていて…

私と目が合うと慌てて電柱の影に隠れる…。

中川 志帆

あの…見えてますよ…?

斎藤 悠里

ぎくっ!

中川 志帆

何してるんですか?なんか…

中川 志帆

中川 志帆

変態みたいです。

斎藤 悠里

へ、変態…っ

斎藤 悠里

違うっス!

斎藤 悠里

べ、別に。

斎藤 悠里

中川さんの、ため息をつく姿にみとれたとか…じゃなくて…

中川 志帆

……?

斎藤 悠里

とにかく、なんでもないっす!

斎藤 悠里

俺帰りますっ!

中川 志帆

あ、斎藤くん待って!

Uターンしかける彼の袖を、 いつの間にか私は握っていた。

斎藤 悠里

え…

ぎゅっと…握ってしまっていた。

何がそうさせたのかはわからないけど…

衝動的に…なんか…

動いてしまっていたんだ。

中川 志帆

聞きたいことがあるんです。

中川 志帆

なんで、クラスの出し物『書道の展示』にしたんですか

斎藤 悠里

えっ、それは、っ

中川 志帆

私、怒ってます…。

斎藤 悠里

えぇ、?なんで!?

斎藤 悠里

も、もしかして…ハッキリ言わなかったから…スか?

中川 志帆

何をですか?

中川 志帆

私はただ…

斎藤 悠里

いや、ごめんなさい。

斎藤 悠里

斎藤 悠里

本当は…俺…。

そこで、何かの鈍い音が…

彼の言葉をかき消した…。

そうだ、ここは踏み切り前だった…。

遮断機など、いつの間に降りていたのか そんなことも気づかないくらい… 熱中しすぎていたんだ。

何にって…

彼の真剣で綺麗な瞳を見つめる事に…。

ガタンガタンガタンガタン

中川 志帆

えっ……

口パクでもわかった…

彼は…

『君とまわりたかったんっス! 文化祭!』

そう言ったのだ…。

中川 志帆

ふぇ…………

斎藤 悠里

あ、えと…

斎藤 悠里

聞こえなかったっすよね?

斎藤 悠里

だから俺は…

中川 志帆

あ、違くて……

中川 志帆

きこえ…たよ…。

斎藤 悠里

あ…

斎藤 悠里

そ、そうでしたか…。

斎藤 悠里

あはは〜

中川 志帆

中川 志帆

私と周りたかったから…書道の展示に…?

斎藤 悠里

あ、えと…はい。

中川 志帆

そうだったんですか…。

斎藤 悠里

え、気づいてなかったんすか、?

斎藤 悠里

てっきりハッキリと誘わないから怒ってるのかと…

中川 志帆

違います!

中川 志帆

私はお店したかったんです!

斎藤 悠里

えぇーーー!?

斎藤 悠里

ご…ごめんなさい。

中川 志帆

もう決まったので仕方ないです。

斎藤 悠里

は、はいぃ…

中川 志帆

というか…

中川 志帆

それだけの為にわざわざ書道の展示にしたんですか?

斎藤 悠里

そうっす…💧

中川 志帆

うぅーん

中川 志帆

中川 志帆

よくわかりません。

斎藤 悠里

あはは、

斎藤 悠里

えっと…

斎藤 悠里

斎藤 悠里

好きな人と一緒にいたいって思うことは…

斎藤 悠里

変じゃないですよね…?

中川 志帆

え…

好きな人と一緒にいたい。

彼は私と一緒にいたいと思ってくれていたのだ。

それを知らずにまっから否定して… 私って…。

中川 志帆

ごめんなさい。

斎藤 悠里

えぇ!?

斎藤 悠里

なんすか!謝らないでくださいぃ!

中川 志帆

私は汗ばんだ手でスカートを握った。

中川 志帆

そんなに真剣な目で、ちゃんと言ってくれるなんて…

中川 志帆

思ってませんでした…。

斎藤 悠里

え…

え、今私…なんて…。

中川 志帆

あ、違います。

中川 志帆

間違えました…

中川 志帆

斎藤 悠里

誤魔化したつもりだけど…駄目だ。

きっと聞こえてた……

中川 志帆

っ……

斎藤 悠里

斎藤 悠里

俺は…

斎藤 悠里

先輩のことが本当に本当に好きなんすよ。

斎藤 悠里

それに自分で言うのはあれっすけど…、意気地ない性格じゃないんっす!

斎藤 悠里

だから、ハッキリ言いますよ。

斎藤 悠里

先輩を諦められないし、一緒にいたいって。

斎藤 悠里

ちゃんと…。

中川 志帆

あ…

中川 志帆

う…

斎藤 悠里

中川 志帆

中川 志帆

ごめんなさい。

斎藤 悠里

ぐぇ…

中川 志帆

まだ…あんまし、わかんないです…。

斎藤 悠里

そんなぁ〜💧

中川 志帆

で、でも…

中川 志帆

中川 志帆

せっかく斎藤くんのおかげでクラスの出し物が展示になったので…

中川 志帆

一緒にみてまわりませんか?

斎藤 悠里

あ……

斎藤 悠里

斎藤 悠里

なんか、俺が誘われたみたいじゃないっすか…

中川 志帆

違います

中川 志帆

斎藤くんから誘ってきたんです。

斎藤 悠里

はい…ごめんなさい。

中川 志帆

その代わり……

中川 志帆

私に恋を…ちゃんと教えてくださいね?

斎藤 悠里

ま、任せてくださいっす!

少しチャラ男で、考えること変だけど…

男の子らしいなって、思えたかも。

ちょっとだけ…嬉しかった、

恋を少しだけ知れた気がしたから…。

初恋センチメンタル

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

200

コメント

1

ユーザー

お久しぶりの恋愛だぁぁぁぁぁぁ(*´꒳`*)

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚