突然、聞かれた。
██先生
「ユウ」くんは、
将来何になりたいの?
将来何になりたいの?
「ユウ」
!
考えたことも無かった
俺はどうやって生きていくか
「ユウ」
うぅん…………
「ユウ」
なりたいもの、ないなぁ…
俺が何かになれるのかな
俺は、普通の子供じゃない
親がいない
そんな「普通」じゃない人に 「普通」のお仕事が、できるのかな
██先生
…そっかぁ、
██先生
「ユウ」くんはまだ小学生だからね
██先生
ゆっくり、考えていくんだよ。
「ユウ」
…はい!
██先生
ふふ、これで面談はおしまい
██先生
くらーい話ばっかりで
疲れちゃったでしょ?
疲れちゃったでしょ?
██先生
お迎えが来るまで
先生とお話してようか
先生とお話してようか
「ユウ」
…!!
██先生
何度も頷かなくていいのに〜笑
先生
あっ、「ユウ」くん!
先生
今日先生がお迎え行ってあげられなくてごめんねぇ〜…
「ユウ」
…っあいいんです!
いつもありがとうございます!
いつもありがとうございます!
先生
ねえねえ「ユウ」くん、
あの養護教諭の先生どうだった?
あの養護教諭の先生どうだった?
「ユウ」
ようごき………ん…?
先生
██先生!いい人でしょ〜?
先生
先生の元同級生なんだぁー!!
どう、返そうかな
「ユウ」
そう…なんですね!
先生
…
先生
「ユウ」くん
「ユウ」
あ、はい…?
先生
10歳になったからって先生たちに気を使わなくていいんだよ
先生
「普通」の10歳は大人にそんな丁寧な敬語なんて使えません!
偏見だけどね笑
偏見だけどね笑
え?
「ユウ」
あ………くっ………
普通じゃ なかった
先生
ふふっ、
先生
「ユウ」くんは色んな大人を知ってるよね
「ユウ」
……(頷)
先生
君たち子供は真っ白で綺麗
色んな色をすぐに取り込める。
だけどね
色んな色をすぐに取り込める。
だけどね
先生
色んな色を混ぜていくと、
色んなものを知っていくと
色んなものを知っていくと
先生
まぁ〜…っくろに染まっちゃうんだ。
「ユウ」
…………………
この前おえかきした時、みたい
先生
………先生は、「ユウ」くんは「ユウ」くんの色のままでいて欲しいな
先生
そのままの色、
原色は1番あざやかで綺麗だからね
原色は1番あざやかで綺麗だからね
そう先生は俺の手を握ったまま話す
「ユウ」
…先生
先生
んー?
「ユウ」
話が、難しい
「ユウ」
…です
先生
あっはは!そうだね
先生
難しいね
先生
大人になったら分かるよ。
先生
先生の嫌いな
大人にね。
大人にね。
「ユウ」
……………
ユウ
…(なつかしいな…)
姫
ねえユウ!今アフター中なのになんで考え事するの?!
ユウ
っああごめん急に昔の記憶が…
姫
ふーん
姫
どういう昔のこと考えてたの?
ユウ
………黒歴史………
姫
あっはは!!!よくあるやつ!!
姫
アタシも昔デリ当欠した時内勤に〜〜
姫
〜〜〜〜〜!〜〜
ユウ
…(先生)
ユウ
(今みたいに、サラッと嘘をついてしまう「俺」は)
ユウ
(「オレ」なんかじゃ、ないですよね)
普通の「オレ」は
綺麗な「オレ」を汚したくないから
「俺」になって嘘をつく。
『この場所』の「普通」な「オレ」に
乾杯。







