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セナさんの家に住み始めてもう3年

もう1回誕生日が来れば20歳だ

………

…違和感…

最近毎朝起きると下腹部がゾワッとするような感覚がして不快なような、変な感じがする

と思ったら今度は吐き気のような、そして頭痛がしたり、脳がボーッとするような感覚がする

セナ

光はん?

セナ

起きとる?

あ……うん…

起きてます…

「犯せ」

!!

そして聞こえてくる声

聞いた事あるような無いような

でもって毎回語りかけてくるこの声は私を不快にさせる

(うるさい…うるさい…)

「どうしてだ?きっと受け入れてくれるぞ」

(聞きたくない…聞きたくない…)

セナ

光はん…?

髪を耳にかけ心配そうにしゃがむその仕草にキュンっとした

あ…いや…

なんでもない…

目線を落とすと自分の欲が膨れ上がっていることに気づいた

(ど…どうしよう…)

セナ

どしたん…?

セナ

最近朝変やで…?

だ…大丈夫です!

後で行くので…

セナ

?そっか、じゃあ待っとるで〜

はい…

部屋を出ていくセナさんを見送り、ペラッと布団をめくって自分の膨らんだ下半身を見つめる

(気持ち悪い…って思われたらどうしよう…)

(……嫌なこと嫌なこと…)

昔やられた事や言われた事を思い出すと直ぐに収まる

……はぁ…

「なんで隠すんだ」

「お前は特別なんだ」

「やれよ」

(黙れ…)

どんどんハッキリと会話出来るようになってきた見た事の無い相手とこうゆう問答を繰り返すようになった

セナ

最近光はんが変

ニナ

?なんで?

セナ

朝なんやけど…

ニナに朝の事を説明すると眉間に皺を寄せながら腕を組んだ

ニナ

……そう…

ニナ

なんだろう…

セナ

はぁ……

ニナ

……

ニナ

じゃあ…

ニナ

今日私夜見張ってようか

セナ

え?

ニナ

貴女いつも朝早いでしょ

ニナ

夜に何か起きてるのかもしれないわ

セナ

分かった…

その日の夜、私は縁側に座って月を眺めていた

ニナ

(甘い匂いの原因も分かるかしら……)

ニナ

(やっぱり……''純"人間じゃないのかしら…)

などと考えていると部屋から話し声が聞こえてきた

ニナ

え……?

??

俺の娘なのに情けない…

ニナ

(娘…?)

??

精気吸わないと死んじゃうのになぁ?

……うるさい…

いつもと違い気配を感じて目を開けると枕元に誰かの足があった

………

!??

??

…起きたか

??

初めまして、でいいのかな?

…だ…誰…

??

…父親の顔も…

??

って言っても直ぐに捨てたから知らないか

父親?

ははは

父親と名乗る男性は私の顔を撫でた

暖かくて、どことなく甘い手に意識が奪われそうになるがなんとか耐えて振り払った

父親?

おお、怖い怖い

ニナ

そこまでよ

障子がスーッと開くとニナさんが立っていた

父親?

やっぱり外にいたか

ニナ

貴方…

ニナ

インキュバスね

父親?

流石

父親?

ご名答

男性は妖しげに笑った

父親?

娘の顔を見に来ただけだよ

ニナ

娘…?

父親?

くくく

父親?

あと、警告ね

ニナ

警告…?

父親?

……光、お前もうすぐ20歳だよな

……?…

頷くと男性はニタァッと笑ってニナさんを見つめた

ニナ

なによ

父親?

俺たちは精気を吸って生命を維持してるんだ

父親?

でも流石に20年も吸ってないとなぁ?

ニナ

なっ…

え…?

父親?

最近体調悪くなったりしてないか?

!な…なんで…

父親?

精気が足りてねぇんだよ

父親?

キスだけじゃ…なぁ?

っ…

父親?

折角竿をつけてやったんだから使えよ…

父親?

俺の血を受け継いで貰わないとな

……っ…だったら…

だったら死んだ方がマシ

父親?

…は?

アンタなんかの血を繋げていくんだったら私は死んだ方が…!!

そう叫ぶとニナさんは私をギュッと抱きしめて喋れないように胸元に押し込んだ

ニナ

それ以上はダメよ

ニナ

ここは人間界じゃない

ニナ

聞いた霊が本当に貴女を殺しにくるわ

…っ……

(でも…でも……)

勝手に出てくる涙でニナさんの胸元を濡らしてしまう

ニナ

…この子は私達の子よ

父親?

ほう…?

ニナ

責任はとるわ

ニナ

だからもう関わらないでちょうだい

父親?

へぇ…?

父親?

そんなのが通用するとでも?

ニナ

…逆に聞くけれど

ニナ

この私に逆らうつもり…?

そうニナさんが言い放つと見なくても分かる程の圧が全身に降り注いだ

……?!

何もされていないのに震える身体をニナさんは優しく撫でた

父親?

っ……

父親?

…チッ……

ニナ

出ていきなさい

ニナ

命令するわ

ニナ

この子に近づくな

父親?

な…んだ

男性が何かを言う前にスっと気配が消えた

ニナ

………はぁ…

……ニナ…さん…

パッと顔を見るとニナさんは優しい顔で微笑んだ

ニナ

もう大丈夫よ

……すみません…

またご迷惑を…

何言ってるの、と言い頬をガシッと掴まれた

ん…

ニナ

そんな事言わないで

ニナ

大切な大切な貴女だもの

ニナ

もし何かあったら直ぐに言いなさい

ニナ

いい?

……うん…

ニナ

よし…

ニナ

とりあえずもう寝なさい

…ニナさん…

ニナ

ん?

あの…一緒に寝て欲しいです…

ニナ

!……仕方ないわね…

ニナ

いいわよ

!…えへへ…

その日は、ニナさんの匂いに包まれながら眠りについた

嫌われ者の居場所

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