女子
ねぇねぇ!昨日のドラマ見た?ヤバかったよね〜!
女子
見たよ〜!凄いキュンキュンしたっ!
今日も騒いでいる女達。
男子
お前チート使ってんだろw
男子
使ってない使ってないw あれが俺の実力!
今日も騒いでいる男達。
夏月
……
俺が廊下を歩き始めると、皆端に寄って行く。
女子
来たよ、あの藍沢が…
女子
強がっててモテない、自称最強不良…
男子
おい藍沢!俺にメシ買って来い!
男子
チビがイキがってんじゃねぇぞ!あぁ?
夏月
(…今日は一段とうるせぇな)
俺は前に立ちはだかる男を退けて、自分の教室へと向かう。
男子
おい待てって。ボコされたいのか?
夏月
肩掴むな、自称最強不良が
俺はニヤリと笑い返し、肩を掴んでいる手を引き離す。
男子
テメェ…っ
夏月
何とでも言ってろ
夏月
…馬鹿な脳筋共は勝手にほざいてな
いつもと同じく色々と返って来たが、全て無視。
対応しているだけ無駄で面倒くさい。
ガラガラガラ
夏月
……
いつも通り無言で入る。
教室に入ると、一斉にこちらに視線が集まる。
それらの視線は「俺を嫌っている視線」。
夏月
(嫌いなら見てくんじゃねぇ、気色悪りぃ…)
鞄を机横のフックに引っ掛け、ドサッと椅子に座る。
腕を組んで全員を睨み返す。
夏月
…っはぁ…
夏月
(今日も面倒くせぇ1日だろうなぁ…)
夏月
だりぃなぁ…
外を眺めると、元気に登校する小学生達の姿があった。
夏月
(…あ、ゾムとショッピ…)
数十分前に見た、俺の弟達。
二人は仲良さそうに手を繋いで、一緒に登校していた。
その横には父親。
三人して笑顔だった。
夏月
(…ふ、よかった)
俺は笑みが溢れた。