星に向かって

おらふくんが城に住んでから、約1年が経とうとしていた

彼はこの1年で大きく成長していった

メイドや執事に付き添って、家事をしたり

シェフから料理教わったり

勉強ができるようになったのは、大きいと思う

それに、なにより………

圧倒的に、笑顔が増えた

最初の頃は、怯えてばっかだった

けど、今になってはそんなものはない

毎日笑って過ごしてくれる

それだけで、俺は嬉しかった

そんなある日、おらふくんに提案した

昔のことを承知の上、聞いてみた

おらふくんは、少し困った顔をしてから言った

その目は、輝いているように見えた

希望に満ち溢れた、そんな目だった

少しザワザワする教室

友達になって話している人

昔からの関係っぽい人

男女仲良く話している人もいる

教室に入ってすぐ、黒板を見る

席は窓側の1番後ろだった

急に話しかけられて少しビクッとする

隣の席の人……よかった、席間違えてなかったみたい

めっちゃいい人そうでよかった

2人でいろいろ話していると、違う人が2人来た

こめしょーの友達かな……

めっちゃ仲良さそう

こめしょーの体の向きが僕の方だったのか、話題がこちら側になった

普通に尊敬できるなぁ

僕、意識しても出ちゃうからな

そんな会話をしていたら、担任が入ってきた

めっちゃええ先生やん

クラスの中が笑いに包み込まれた

入学初日だから今日は午前授業だった

こめしょー、いい人すぎん！？

入学初日で遊ぶ約束とか……

今の時代は、これが普通なのか……？

そう思いながら、城まで帰った