テラーノベル
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放送
冷たい金属音と共に、牢の天井に仕込まれたスピーカーから機械の声が流れた
目を開けたまま、体を起こす。眠ってなどいなかった
目を閉じていた時間も、耳だけはずっと、研ぎ澄まされていたから
柊 朔弥
柊 朔弥
部屋の壁は薄く囁き声さえも耳に入る
ー夜ー
人間
人間
人間
柊 朔弥
人間
人間
人間
人間
人間
柊 朔弥
柊 朔弥
人間
人間
人間
不意に、奏多が身じろぎして目を覚ます
奏多
柊 朔弥
奏多
柊 朔弥
柊 朔弥
自分がここに放り込まれるのは仕方ない。運命だと諦めもついた
でも――奏多まで、こんな場所で、生きなきゃいけないなんて
彼の小さな体が、この先どれだけの苦しみにさらされるのか想像するだけで、胃がねじれる
柊 朔弥
ガシャン、と遠くで鉄が落ちる音
誰かが暴れたような音
続いて響く、複数の足音と、何かを殴る音
そして、それが唐突に“無音”へと変わる
柊 朔弥
柊 朔弥
例え、自分がどれだけ踏みにじられようと、引き裂かれようと――
この子の命と笑顔だけは守り抜く
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