テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

放送

――起床、全棟

冷たい金属音と共に、牢の天井に仕込まれたスピーカーから機械の声が流れた

目を開けたまま、体を起こす。眠ってなどいなかった

目を閉じていた時間も、耳だけはずっと、研ぎ澄まされていたから

柊 朔弥

(隣の部屋の声丸聞こえだな)

柊 朔弥

(いや、隣だけじゃないか)

部屋の壁は薄く囁き声さえも耳に入る

ー夜ー

人間

明日は鉱山作業移動だってよ

人間

まじかよ

人間

薬品の運搬が楽なのにな

柊 朔弥

(鉱山、薬の運搬、、、か)

人間

ってか、D ブロックの番号が5つ減ったらしいぜ

人間

またかよ、脱走か?

人間

いや、首吊りらしい

人間

Fんとこは喰われたらしいけどな

人間

はっまたかよ

柊 朔弥

(、、、喰われた)

柊 朔弥

(ここでも、喰う奴がいるんだな)

人間

早くここから出てぇな

人間

出ても地獄だろ

人間

それもそうか

不意に、奏多が身じろぎして目を覚ます

奏多

おはよぉさくやぁ

柊 朔弥

、、、おはよう寒くないか?

奏多

ちょっと、でもへーき!

柊 朔弥

そうか、、、

柊 朔弥

(奏多にはこんな世界見せたくなかったなぁ)

自分がここに放り込まれるのは仕方ない。運命だと諦めもついた

でも――奏多まで、こんな場所で、生きなきゃいけないなんて

彼の小さな体が、この先どれだけの苦しみにさらされるのか想像するだけで、胃がねじれる

柊 朔弥

( “生きようとすること”が、罰みたいな世界だ、、、)

ガシャン、と遠くで鉄が落ちる音

誰かが暴れたような音

続いて響く、複数の足音と、何かを殴る音

そして、それが唐突に“無音”へと変わる

柊 朔弥

(俺は絶対に、、、)

柊 朔弥

(奏多を辛い目に合わせない)

例え、自分がどれだけ踏みにじられようと、引き裂かれようと――

この子の命と笑顔だけは守り抜く

鎖の中で咲いた花

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚