それから、俺の毎日は変わった
きっと夏休みに入るまで、俺はこんな不思議な生活を送っているなんて夢にも思わないだろうな。
ピピピピ、とスマホが震え出すアラーム
いつもならうざったらしくて仕方ないはずのアラームが、最近は誤ってスマホを殴り潰してしまうことは無い
むしろ、ピピピピの『ピ』の音で跳ね起きる位だ
レッド
朝日が射す窓辺
レッド
レッド
レッド
レッド
チッ、と音量は低くして舌打ちをすると、「しゃーねー、やるか」と身体をほぐしながら呟いた
起きてからたったの三分。夏の暑さが原動力となったのか、最近は着替えが異様に早い。
後は…そうだな。
この意思があるのか知らんがベットの上からこれでもかとはみ出ているブランケットを整頓しとくか。
レッド
さっさと直してから階段を駆け下りた
サクッ。 何だか気合いが入っている毎日でも、立ちっぱなしで食パンを齧るのは変わりない。
何なら手を使わずに食パンを食べる凄技を身につけたんだからな
レッド
レッド
レッド
レッド
レッド
───こういう独り言は嫌いじゃない
何だか言葉にして呟いてみるだけで頭の中が整頓されてくる…気がする。
これは俺の担任の先生からの受け売りなんだけどな
この間は木に対して「元気ですかー!?!?」って叫んでて俺は飲んでたアクエリアス吹き出したぜ。
頭は思い出し笑いを浮かべながらも、食器を片付ける手は決して止めない
終わると流れるように洗濯物をカゴを引っ付かみ、テキパキと洗濯物をしまう
途中で俺は電波時計に目をチラリと向けた
レッド
午前 7:30
レッド
俺は爆速で終わらせ、ゴロンとソファーの上に寝転んだ
レッド
レッド
夏休みの敵…これは俺だけの話じゃない。
全世界の小中高大…全ての学生が嫌っているであろう、キラキラと輝く夏休みを邪魔する物!!
そう____夏休みの宿題だ
いつもならギリギリまで溜め込んで追い込まれるように宿題にペンを走らせる俺が、普通にやろうとしてるんだ
自分の事なのに信じられない。
俺が宿題に対してのやる気を持つようになったのは、ある会話からだ。
ブルー
レッド
3、4回、例の町へ来た時の会話だったな
ブルー
レッド
ブルー
レッド
ブルー
ブルーは呆れるようにはぁとため息をついた
すると、彼はまるで教師のようにピンと人差し指をレッドの目と鼻の先に押し付ける
レッドは驚いて目を見開いていた
ブルー
ブルー
レッド
ブルー
ブルー
レッド
レッド
レッド
レッド
ブルー
レッド
ブルー
ブルー
レッド
ブルー
ブルーは思い出したいのか頭をブンブン振ってみたり、引っ掻いたりしてみたが……
やがて諦め、ため息を落としてから微笑んだ
青いパーカーが、虚しげに揺れる
ブルー
レッド
レッドは何となく視線を逸らして、ペットボトルのキャップを指先でパチンと回す
微かな摩擦音がなり、現れた輪っかに口を付ける
少しだけ傾けると、口の中に冷水が流れ込んで来たが____
冷たすぎるからか否か、味をあまり感じられなかった。
レッド
レッド
レッド
宿題を始めて結構経った頃だ、俺はいきなりシャーペンを放り出した
これはサボりたい、ってだけの話じゃない。
───普通に考えてみろ!!
レッド
レッド
机の片隅で絶望を見せつけるように積み上がっているテキストやプリントに、思わず目を背けたくなる
…数にすると全てが見えるって、マジで本当だよな。
レッド
レッド
以前に取ってしまった激ヤバ点数を思い出し、あ”あ”あ”と叫び声を上げてしまった
レッド
レッド
ふと俺はスマホの画面を光らせる
ど真ん中に記されていた時間。
11:20
レッド
レッド
レッド
頬を両手でベシベシと強めに叩くと、まるでスイッチが入ったようにペンを握った手が動き始めた
数分でペンを乱雑に放り出す
シャー芯がポキリと折れて転がっても今はガン無視だ
いつも使っているバックを肩に掛け、流れる様に財布とスマホを鍵をぶち込む
騒がしく足音を立てて、俺は階段を滑るように下って行った
レッド
レッド
銀さん
レッド
銀さん
マジで驚いた。まさかクラスメイトがいるとは思いもしなかった。
見間違えない白髪。間違いない。
同じクラスの銀さん。真面目なクラスのまとめ役…という名のツッコミ役でもあるな
銀さん
彼はガックリと肩を落とす。俺もうんうんと頷いた
レッド
銀さん
レッド
銀さんは苦笑すると、「あっ、」と話を変えるように言った
銀さん
銀さん
レッド
銀さん
レッド
ふーん、と呟く銀さんに対して、俺はちょっと聞いてみたい事があった
大体答えの予想はついてる。…ちょっと気になるだけだ
レッド
銀さん
レッド
銀さん
レッド
銀さん
レッド
銀さん
やっぱり知らねぇか……まぁ、知る由もないからな
レッド
銀さん
銀さん
ありがたいな、銀さん。───お前はちょっと優しすぎるんだよ
レッド
銀さん
ってか本気で行かないと遅刻しないか!?のんびり話してんじゃねぇって!!
俺は銀さんに向けて焦ったような笑いを浮かべた
レッド
銀さん
レッド
手を振った銀さんに、俺も手を振り返した
───見えないんだな、”あいつ”が皆には…
そう思いながら、俺は駅へ続く道を一目散に走った
コメント
9件
今回もよかったです!!流石、リーブさんですね!!次も楽しみにしています!
今回もまじでサイコー! 続きが楽しみ😊
う"っ……レドブル兄弟やないか…! Mr.レッドとMr.ブルーって、自覚ないけど仲良いって感じで好き!!! (勿論過去も設定も好きすぎる。) そして案の定リーブは書き方上手い!めっちゃ尊敬するんだけど…!!