ケイ
おはよう母さん
お母さん
おはよう、ケイちゃん
お母さん
そういえば今日遊ぶ約束していなかったっけ??
ケイ
うん!
お母さん
…
ケイ
どうしたの??
お母さん
実はね母さん…
お母さん
ケイちゃんが大切にしている本破いてしまったの
ケイ
え…
ケイ
でも少しは残ってるんでしょ?
お母さん
それが全部…
ケイ
え、あの日本に100冊しかないあの本も…
お母さん
…
ケイ
は??ふざけるな
ケイ
1番大切にしていた本を…
お母さん
ごめん…
ケイ
ごめんじゃあねぇよ
お母さん
でも、ほかの所にも売ってるはず…
ケイ
売ってるはずないだろ!
ケイ
もう行く!!
お母さん
(ケイちゃん…)
ケイ
(もう朝からなんだよ)
ケイ
(イライラさせやがって)
シン
あ、ケイー
タロウ
遊ぼうぜ
ケイ
ああ
シン
何して遊ぶ…
数時間後
ケイ
えーもっと遊ぼうぜ
シン
もう帰らなきゃ
タロウ
俺もじゃあね
ケイ
分かった
ケイ
(あー、家に帰りたくねぇー)
ケイ
ただいまー
父さんが慌てた様子で喋りかけてきた
父さん
おいケイ、何してたんだ
ケイ
友達と…
父さん
よく聞け…母さんが…
父さん
車に轢かれたんだ
ケイ
(え)
ケイ
(母さんが…)
父さん
いま母さんは○○病院に入院している
父さん
早く行くぞ
ケイ
…
○○病院
ケイ
…あ
ケイ
母さん
医者
すみません手を尽くしたのですが…
医者
急に悪化して…
父さん
そうか
医者
お亡くなりの時間までそばにいてください
父さん
ケイ、なんで母さんか車に轢かれたか分かるか??
ケイ
友達と遊んだから分からない…
父さん
実はな
今日の朝
父さん
どうした母さん
お母さん
実はケイちゃんの本を…
父さん
大丈夫だ…
お母さん
ケイちゃん怒って出ていったの…
父さん
そうか
お母さん
私行ってくる
父さん
行ってくるって??
お母さん
父さんは安心して仕事に行って
父さん
分かった
父さん
この後母さんは車に轢かれたんだ、本屋に向かっていく途中で…
ケイ
うそだろ
ケイ
…そんな
ケイ
母さん、俺のせいで
ケイ
俺のせいで…
ケイ
うう
ピーーーー
ケイ
…
この音が病室に響き渡った
ケイ
あれ…
ケイ
この本は??
父さん
ちょっと楽になったらベンチ座ってくれ
ケイ
…もう大丈夫だよ
父さん
実はなこの本母さんが書いたんだ
ケイ
え…
父さん
母さん昔小説家でな
父さん
死ぬ前母さんが医者に頼んだんだ
ケイ
え…
父さん
で、これが母さんが病室で書いたものだ
父さん
俺は1回外に出るゆっくり見てくれ
ケイ
分かった
ガタン
ケイ
読んでみよう
あるところに、ケイという少年が住んでいました
ケイちゃんは母さんとケンカし家を出ていきました
母さんは本を探しに行きました
何度探しても見つかりません…
そのとき事件が起きました… 本屋行く途中車に轢かれたのです …
ケイ
…これ裏にも
どうだった母さんが、書いた本は??
それは死ぬ前にした行動だよ
今は母さんはいない
このたくさんの本は母さんが書いたの
お父さんに、聞いたかな??
ケイちゃんも小説家になりたいって言ってたよね
お母さんは今いないけど
天国で見守ってるよ
頑張ってね
ここで、文は終わっていた
ケイ
母さん…
ケイ
うう
ケイ
うわぁぁぁぁぁぁぁん
俺はこの夜ずっと泣いていた
そして時は流れ
15年後
ケイ
母さん、俺夢の小説家に慣れたよ
ケイ
まだ1冊目だけど…
ケイ
時が経つのは早いね…
…
ケイ
俺は絶対に有名な小説家になるよ
ケイ
それまで見守っててね
ケイ
あ、時間だ
ケイ
じゃあね、母さん
ケイ
…
ケイ
あ、少しだけ見せてあげるよ
ケイ
感動系を作ってみたんだ
ケイ
ほら
ケイ
ケイ
母がくれた1冊の本