コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
✦Day1 ─ 「はじめての同居」✦
玄関の扉が静かに閉まる音が、 やけに大きく響いた
白を基調にした部屋は無駄がなく、整っていて、まるで“仕事用のモデルルーム”みたいに綺麗だった
如月天音
思ったままを口にしてしまう天音に、 四季はちらっと横目を向けるだけ。
久遠四季
如月天音
如月天音
如月天音
天音は心の中でそんなことを思いつつ、 ソファの横に荷物をぽんっと置いた。
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
表情はほとんど変わらないのに、 言葉の端だけほんの少しトゲが取れたのを天音は見逃さなかった。
如月天音
ソファに座る天音の横で、 四季は無言でダイニングの椅子に座る。
距離はある。会話もぎこちない。 でも、なんとなく空気が悪いわけではない
これが、 二人の“最初の一日”の始まりだった
✦Day1 ― 午後:はじめて触れる“ルール”✦
リビングのテーブルに、 白い封筒が置かれていた。
天音が気づいて開けると、 中には研究所からの紙が一枚。
如月天音
久遠四季
如月天音
天音は読み上げる。
『本実験は、二名の感情反応を観測するものです。以下の条件を遵守してください』
如月天音
久遠四季
如月天音
『1. 寝室は一つ。 ベッドは共有とすること』
久遠四季
如月天音
久遠四季
明らかに不機嫌。 でも怒るというより、困っているようにも見える。
天音は慌てて次の項目に目を走らせる。
『2. 双方の腕には、嘘をつくと微弱反応を示す装置を常時装着すること』
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
天音は笑いを堪えつつ、 最後のルールを読む
『3. 毎日22時、どちらか一方が入浴中に、日中の出来事を研究員へ共有すること』
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
軽口なのか本気なのか分からないけど、 さっきよりほんの少しだけ温度が柔らかい
天音はその変化が嬉しかった
✦夜 ― はじめての“共同”✦
夕食は簡単に済ませるつもりだったのに 料理をしようとして、天音は衝撃の真実に気づいた
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
天音の腕の装置は光らない。 四季の視線が一瞬だけ逸れる。
久遠四季
その顔が“完全拒絶”じゃないのを見て、 天音は今日一番ニヤけた
そんなこんなで結局、 天音が全部作ることになった。
✦ベッドシーン✦
夜、布団の端と端。 身体が触れないギリギリの位置。
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
如月天音
久遠四季
その小さすぎる声が、 意外すぎて胸が跳ねた
如月天音
Day1 は静かに終わっていった。