狐白
狐白
狐白
狐白
狐白
注意 ・クソ長いです ・ハルトとかの設定軽くいじっています ・所々ミスがあるかもです… 上が大丈夫な方は、続きをどうぞ!
ナギ
親友が死んで数日。
ようやく現実を受け止めることができるようになった。
数日前までは、”親友が死んだ”という事実が信じられなくて
どこかずっと空っぽだった。
今日は、久しぶりに親友の部屋に足を踏み入れた。
ナギ
親友とは犬猿の仲で
互いの部屋にも滅多に入ったことがない。
だから少し新鮮だった。
ナギ
その時、俺は棚から飛び出た一冊のノートを見つけた。
ナギ
俺は興味本位でそのノートを手に取った。
表紙には
―――日記―――
と、一言だけ書いていた。
ナギ
俺はゆっくりとページを捲っていく。
でも、日記と書いているのに
中には何一つとして書かれていなかった
ナギ
そんなことを思いながらページを捲っていくと…
ナギ
ノートの真ん中のページにだけ、文字が書かれていた。
ナギ
そこに書かれていた言葉に、俺は衝撃を受けた__
○月○日
俺はもうすぐ死ぬ。
自分の体だからか、嫌というほどわかる。
俺にはもう、時間がないんだ。
俺は高校の頃から、誰にも言っていない秘密がある。
もう俺は長くない。
だから、数十年間隠し続けてきたこの気持ちを日記にぶつけることにする。
・・・・・・俺には好きな奴がいた。
勿論、ナナセ以外にだ。
ナナセを好きになる前から、思いを寄せていた奴がいる。
俺は元々、家系の影響で呪いが強かった。
何度も血を吐いて…「もう死にたい」なんて思ったこともある。
俺は散々この呪いのせいで苦しんできた。
もう…楽になっていいだろうと…。
だから、高校を卒業すればすぐに死んでやろうと考えていた。
でも…その考えも、すぐに覆された。
リカたちに会ったからだ。
リカとアラタは普通だった…けど
メグリやナギは違った。
メグリは施設育ちで、親がいない。
ナギも、俺と同じ「異能」を持っていた。
だからだろうか、ナギとはリカたちとは違うものを感じた。
初めの「好きな奴」は…三途川ナギだ。
勿論、無駄なことだと思った。
ナギはメグリが好きだったから。
なにしろ俺は男…叶うことなんてない想いだなんて分かり切っていた。
でも、それでも俺はナギが好きだったから。
でも、俺はこのことをナギどころか、リカたちにすら言っていない。
…言うのが怖かった。
言えばリカたちが離れていく気がして、俺の中を恐怖が埋め尽くした。
ナギに嫌われるのがとにかく怖かった
だから死ぬまでこのことは必死に隠し通してきた。
ナギはこれを見れば驚くだろうか、気持ち悪いと思いだろうか。
でも、俺はもう死ぬ。
だからそんなことを気にしても仕方がないと思う、だけど
せめて、これだけは言いたい。
これを読んでいるのがナギだと信じて、これを書く。
ナギ、大好きだ。
俺はお前の中で生きている。
お前にはハカちゃんやユウマもいる。
だから、俺のことは気にせず生きろ。
お前のできるやり方で…
俺の代わりに、ユウマたちを、幸せにしてやってくれ
ナギ
気が付いたら、日記の最後の文字が涙で滲んでいた。
日記の衝撃よりも、あいつ”への怒りで肩が震えた。
ナギ
ナギ
俺はただその場で涙を流していた。
あいつのことに気づけなかった…いや
気づいていたのに、気づいていないフリをしていた自分を殴ってやりたかった。
結局…俺もあいつも同じだった。
不器用で、相手の気持ちに気付いていないフリをして。
恐らく、あいつも気づいていたんだと思う。
”俺のあいつに対する想い”に…。
ナギ
ナギ
そう言っても、あいつの声で返事が返ってくることはない。
あいつの驚いた声、冗談を言う声
あいつとケンカ腰で言葉を交らせて。
その一つ一つが走馬灯のように頭に渦巻いていく。
ナギ
本当はハカたちが成人したら言うつもりだった。
俺の数十年間秘めて来た…心の内を。
でも、それを言う前に…あいつは死んだ。
俺はとにかく自分を恨んだ。
直ぐに言えば、こんなことにはならなかったかもしれない。
あいつは俺達の知らない場所で…苦しみ続けていた。
呪いに必死に抗っていた。
それに気づくことができなかった…。
あいつは…俺達が知らないところで
どれだけの間、呪いに苦しんできたのか。
どれだけ辛い思いをしていたのか…。
それを知る術は、もうない。
ナギ
俺は必死に涙を拭う。
こんな姿をあいつに見られたくない。
俺は必死に顔に笑みを浮かべる。
ナギ
ナギ
俺はいつものケンカ腰であいつにそう言う。
きっと聞こえていると信じて…。
ナギ
ナギ
コメント
2件
( ᐛ)バナナ いい話( ◜ω◝ )