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叶夢
叶夢
叶夢
君と100年分に思える恋がしたい!
叶夢
叶夢
るな
えと
4月半ば、 相変わらず友達が出来ずに
女子の中で浮いているるなは日に日に 後ろ向きな気持ちになっていた
でもねそんなある日、
るなの学校生活のターニングポイントと なるような
ちょっとした 「事件」
が起こったんだよ
それは4月半ばに行われた 健康診断の時
保険のせんせえ
保健の先生にうながされて女子生徒達は キャアキャア言いながら制服のブラウスとスカートを脱ぐ
でも、そんな中でみんなの視線は なんとなく1人の女の子に集まっていた
桃井のあさんだ
下着になった桃井さんの首筋から 背中にかけて、赤黒いブツブツとした 湿疹がびっしり浮かんでいるのが見える
るな
ってすぐわかった
大阪で入院してた時も ひどいアトピー性皮膚炎の子いたから。
これ、つらいんですよね
全身のいろんなとこに湿疹ができて 夜も眠れないくらいかゆいことも あるんだって
アトピーは、良くなったり悪くなったり 波があるらしいけど
今は背中の方まで大きく広がっている 湿疹が痛々しい。
桃井さん自身は平気な顔してるけど、 周りの子達はチラチラとそっちに目を
やったり、目を逸らして見えないふりを している
高2にもなればみんなわきまえてる
クラスメイトの身体にどんな 特徴があろうとも、
スルーする分別と思いやりくらいある
と思ってた
るな
もぶ
もぶ
るな
1人の女の子の無遠慮な声に るなは自分が言われたように
ビクッと身体をかたくした
声のした方を見ると もぶって言う子が好奇心丸だしの 半笑いを浮かべて
桃井さんに話しかけていた
もぶは橙えとのグループの1人だ
桃井さんはモブの言葉に答えずに 平然と無視している。
もぶ
相手にされなかったのがカンに触ったのか
もぶさんは同じグループの もっぶの方を向いて聞こえよがしにいった
もっぶ
そう答えたもっぶさんが 桃井さんの方を見ながら声をひそめる
もっぶ
もっぶ
もぶ
るな
二人の会話を耳にして るなは思わずこぶしをにぎりしめた
るな
声をひそめると言っても充分、 周りに聞こえる声だもちろん 桃井さんにだって聞こえてる
るな
るな
るな
るな
るな
るなの頭に血が上ったのには、理由がある
大坂子供病院に入院していた 時のことを思い出したからだ
るなが入院していた血液、腫瘍科にも、 外見のことで悩んでいた小学生の 女の子がいた。
治療の影響で髪の毛が生えなくなって しまって、学校に行ってもみんなに いじめられるって泣いてたよ
そんなことを思い出したら、 もぶさんともっぶさんの 言葉が許せなかった
「何か言ってやりたい!」と思ったけど 気持ちとは裏腹に声が出なかった
なんせ、相手はクラスのボスグループ
ただでさえ睨まれるのに… ここで意見なんてしたら 余計立場悪くなりそうだし…
るな
もぶ、もっぶペアはまだ、 桃井さんの方を見てコソコソ 何かささやきあっている
けれど、 私は黙って歯を食いしばることしか 出来なかった…
でも、その時だ
それまで知らん顔をしていた橙さんが ゆったりした口調でこう言ったの
えと
えと
るな
って一瞬、橙さんを見直したよ
ボスはボスらしく取り巻きたちを たしなめるつもりかと思ってたの
だけどそのあと彼女の言葉には 取り巻き2人よりも最悪な物だったんだ
橙えとは、痛々しい湿疹のある 桃井さんの背中にチラリと視線をやって あげるような口調で言ったの
えと
えと
るな
るな
るな
そんな橙さんの言葉に ブチッ
心の奥で何かが切れる音がした
るな
えと
私の口からもれた低い声に 橙えとが不思議そうに見る
その彼女に向かって、るなは、 自分でも意外なくらいハッキリと言った
るな
るな
るな
るな
のあ
えと
橙さんの形のいいまつ毛がつり上がって 勝ち気そうな目がるなを睨む
だけどるなは引かずに、 その瞳を見返した
何よりも許せなかったのは 橙さんの、「かわいそう」って一言だ
もぶさんやもっぶさんみたいに、 人の外見をけなしたりあざ笑ったり するのは最低だ
でも、病気の人が何より傷つくのは 何も知らない他人に上から目線で 同情されることなんだよ
るな
病気になったこと この先どうなるか分からないこと
誰からも同情されたくない。 「かわいそう」 なんて言われたくない!
保険のせんせえ
るなと橙さんが睨み合っているのに 気づいて養護教諭の保健先生が 声掛けてきた
えと
橙さんは保健先生の方をふりかえって お得意の優等生スマイルを浮かべる
保険のせんせえ
保険のせんせえ
えと
一触即発の空気がゆるんで、 橙えとは何事も無かったかのように るなに背を向ける
でも、 その彼女が肩ごしに吐き捨てた鋭い言葉ははっきり耳に届いた
えと
るな
その瞬間ガラもなく熱くなっていたるなは
頭に水がかけられたように我に返った
るな
るな
るな
るな
今焦ってもあとの祭りだ
ふと気づけば、他の女子たちも、 怖いものでも見るようなこわばった表情で
こっちをながめている
るな
るな
るな
るな
うっかりおこしてしまった 「保健室の乱」
思いっきりあせってあわてて、 落ちこみまくりのるなだけど
るな
るな
るな
「言いたいことを、ちゃんと言えるようになりたい」
『夢ノート』に書いた目標を、 ひとつ叶えることができたから。
叶夢
君と100年分に思える恋がしたい!
叶夢
叶夢
のあ
叶夢
叶夢
叶夢
叶夢
叶夢
るな
のあ