ずっと、目を覚まさない.
透き通るような白い肌に長いまつ毛
そしてふっくらとした唇が
動くのをしばらく見ていない.
ただ目を瞑り病院のベッドで
静止している美しい彼女を
僕は毎日ただじっと見つめていた.
◇
◇
2ヶ月前、お腹が痛いと言った僕を
病院へ送ろうと彼女が
車を出してくれた.
◇
僕のために運転してくれている彼女を
後部座席で横になり眺めていた.
本当にいい彼女を持ったものだ、
と惚れ惚れしてしまった.
美人で気の利く、女神のようだ.
◇
しかし突然大きなクラクションが鳴り
僕の目の前の景色は歪んだ.
◇
◇
目を覚ますと病院の天井があった.
運良く僕は軽症で済んだのだが
彼女は一向に目を覚まさない.
僕のせいだと何度も何度も
頭を抱えるが時間が戻ることは
できないらしく、ただ大人しく
眠る彼女の手を握ることしか
僕にはできなかった.
◇
今までの思い出を振り返っていると
涙が溢れてきた.
もうあの頃の笑顔が
見れないのではないか、
僕を癒してくれたあの声を聞くことが
できなくなるのではないか.
そんな思いばかりが胸を馳せる.
今思えば、一緒に買い物に出掛けたり
電話をしたり.
すごく普通の事なのだけれど
どれも幸せだった.
手紙を書いたこともあったなぁ…
◇
いつも君を見ていた.
君だけを見ていた.
君が目を覚ました時、これら全部
覚えているだろうか.
💓きたら続きだします!!🙌 読んでくれて📖 ありがとです!!😳 ぜひ他のも 見てみてください!!😂
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