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キーンコーンカーンコーン ..

遠くの方でチャイムが鳴る.

けど, 僕はチャイムの音に振り返らずに, 眼下に広がるソウルの風景を眺めた.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 授業に行かないの??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. ええ, 理科はサボると決めているんです.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 何故?? 理科が嫌いなの??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. そうともいいます,

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

貴方は行かないんですか??

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. あの教室の雰囲気が嫌いだから, 行かないわ.

言葉を濁す.

嘘じゃないから胸騒ぎ何て感じるはず無いのに.

.. でも心の奥底のもう一つの声が聞こえる.

本当は, まだ好きなんじゃないかって.

じなの楽しくテヒョン先生と話せるという関係性が羨ましく感じてるんじゃないか,

今すぐにでもテヒョン先生と話したいって思ってるんじゃないかって.

.. 違う, 違う, 違う.. ちが.. う.

僕は, あの燃えるような思いを捨てたはずなのに, 何でこんなにも胸が苦しいんだろう.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

..

無言でユンジさんにハンカチを差し出された, 戸惑っていたら何か熱いものが目から零れ落ちる感覚がした.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. ありがとう.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. ええ,

あえて何故泣いているのか聞かない所が, 冷たそうに見えるけどこの人のいいところなのではないかなと思う.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 好きな人が, 振り向いてくれなかったら, 君ならどうするの?

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

..

ただの出来心で聞いた事だった.

純粋に思えた疑問だった, 恋愛ごとに無関心そうなユンジさんなら, どう気持ちを切り替えるのか.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 私に聞いても意味がないと思うわ.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. え?

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

恋愛っていうものは, 人それぞれだから.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

私なりの恋愛を貴方に教えたところで, 参考にはならないと思う.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. そっか

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. それに, 私が今まで経験したことのある恋愛は, 人とは少しずれているし.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. はい??

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 何でもない.

二人で並んでみるソウルの街並みは, どことなく色あせて見えた.

屋上から教室に戻る. 先程チャイムはなったから, 既に授業は終わっているはず.. そう思って, 教室に戻ったのに.

𝐽𝑖𝑛.

先生~, ここはどういう意味ですか~ ??

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

ん, ここ.. か?

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

ここは, 放射性同位体っていうのが..

.. 何故か教卓にはまだテヒョン先生の姿, その隣には親しそうに教科書をもって質問をしているジナの姿があった.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 何で,

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. どうかした??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

あ, いや..

計画黒板を見ると, 時間割変更の事情で, 理科が二時間続きになっていた.

.. この前の特別事業で確か理科が一時間潰れてたからか, 今日に移動していたようで, 戸惑いを隠せない, とっさに再び屋上に行こうとしたら.

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

あ-, 次の時間はテストを実施する-,

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

赤点の生徒は, 放課後居残りな-, 休み時間の間に勉強しとけ-.

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

.. テストを受けなかった奴も, 異論無しに居残りな,

それこそ僕に目を合わせはしなかったが, こちらを向いていっているような気がして, 大人しく席に座り教科書を開く.

.. 居残りという事は, また監督はきっとテヒョン先生のはず.

居残り=二人きりになれるチャンスだと今まで考えていた僕だけれど, 今はもう違う, テヒョン先生と言葉を交わさず一週間が経過する.

.. 今更, 今更顔を合わせたって.. 気まずいだけだ.

キーンコーンカーンコーン ..

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

テスト用紙を裏返して, 後ろに回せ-,

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

テスト時間は35分取る, では開始.

.. 久しぶりに近くで聞くテヒョン先生の声に何故だか胸が締め付けられるような思いがしたけど, シャーペンを持つ.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

..

.. 何だこれ,

H₂..? O₂..?

化学式を書けって.. 確か前にもテヒョン先生とやった気がするんだけど..

,, 何だっけ, とりあえず適当に書いとけ.. 化学式って, 何だっけ.

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

中一の問題の復讐テストだ, 簡単なはずだ.

𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.

赤点は居残りな.

"居残り"を強調してくるテヒョン先生から無言で圧を駆けられているような気がして..

必死で考えているうちになんだか頭がぼんやりとしてきて..

いつの間にか, フェードアウトしていた..

授業の終了を告げるチャイムが鳴り, 僕はその音とともに机に無言で突っ伏せる.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 気分でも悪いの??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 死にそうだ.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. ご愁傷様. でも中一範囲だったし, 簡単だったと思うわ.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 他人が簡単に解ける問題を僕が平気で解けるのだと思わないで..

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. ふ ~ ん,

結局, 寝てしまっていたようで, 気づいたら授業が終わり, プリントが回収されていた.

.. 居残り.. 憂鬱だ.

放課後, 結局赤点を取り, 呼び出されていたのだが, 無視を決め込み, 屋上に直行する.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. はぁ,

ため息とともに, 屋上に上がるとそこにはショートカットを風になびかせる後ろ姿があった.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. ユンジさん.. ?

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. あ,

目が合い, 軽く会釈をする.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

貴方にこの場所を教えてもらってから, 気に入ったの.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. それは良かった.

僕があまりにも泣き出しそうな顔をしていたからか, 心配そうに声を掛けてくれるユンジさんに多少なりとも心が癒される.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 失恋でもしたの??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. へ??

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

勘違いだったらごめんなさい, でも恋愛の事とか聞かれたし.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

ずっと落ち込んでそうだったから.. 失恋したのかなって.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. そう見えましたか..

鋭いのは性格だけじゃなく, 洞察力も鋭いそうで, 必死に自分自身にも隠してきた真実をいとも簡単に見透かされていたようだ.

鋭いユンジさんの瞳が僕を貫く時, この人になら相談できるのではないか, 何故かそんな気がしたんだ, 何の根拠もないけれど.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 男を好きなのって.. 変ですか?

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 変って.. 何故??

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. 誰にも言ったことが無かったんですけど, 変に思われるのが怖くて.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

けど, 貴方なら打ち明けても素直に受け止めてくれるんじゃないかって ..

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 男の人が男の人に好意を寄せたらいけないと誰が決めたのかしら,

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

私は別に変じゃないと思う, 素敵なことだと思うわ.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. でも, 普通じゃない..

今までの人生, 誰にも心惹かれた事も無かったし, むしろ女性男性関係なく好きになったことは無かった.

けど, 初めての一目惚れで好きになったのが, テヒョン先生なんだ,

これはきっと最初で最後の恋だったのだと思う.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

普通じゃなくって, 何が駄目なのかしら.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

私なんて, 前の学校で思いを寄せていたのが.. 先生だったもの.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

.. え,

突然の告白に驚いた僕に構わず, ユンジさんは話し続ける.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

.. 前の学校でユンギ先生と言う人が居たの.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

その人がずっと好きだったのだけれど,

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

おかしいわよね, 先生が好きだったなんて, でも.

𝑌𝑜𝑜𝑛𝑗𝑖.

私はその人を好きになることが出来て良かったと思っているわ.

𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.

..

その話を聞いただけで, 胸の突っかかりが消えた気がしたのはなぜだろう.

くすんでいた風景が, 明るく見えるのは, 何故だろう.

僕は思い切り息を吸い込んだ.

♡ → 700.

もうすぐクライマックスとなります.. !!

お楽しみに !!

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コメント

3

ユーザー

グク!アタックよアタック!頑張ってぇぇ〜 クライマックス楽しみにしてます!

ユーザー

じながてひょん先生に近付いてる! いよいよクライマックスですか! 楽しみです! By怪力ごりら

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