人喰いが現れた次の日の夜のことである。
いつものように少年が少女の目覚めを待っていると、人の足音が聞こえた。
少年
足音は次第に多く、大きくなっていく。
少年は少女をおぶい、近くの茂みに隠れた。
しばらくして、男の声が聞こえてきた。
村人1
村人2
村人2
村人3
村人1
村人1
少年
少年
少年
少年がこっそり顔を出すと、たくさんの男が列になって歩いているのが見えた。
少年
少年
すると、列の真ん中辺りにいた女が突然声をあげた。
霊媒師
少年
村人1
村人2
少年
少年は少女をおぶってそっとその場を離れた。
次の瞬間、
パキッ!
少年
少年が踏んだ枝の折れる音が、静かな森の中に響いた。
村人3
少年
少年は全速力で「ある場所」へと向かった。
村人1
村人2
あちこちから聞こえる銃声。
次々と降りかかる、銃弾の雨。
少年
少年
少年は少女を守ることに必死だった。
足を撃たれても、彼は走り続けた。
地面に青い血が垂れる。
激痛に耐えながらも、走り続けた。
そして…
少年
少年
少年
少年の目の前に広がるのは、妖艶に青く光る、猫花の花。
少年は中央に進み、少女を降ろした。
と、同時に、少女が目を覚ました。
少女
少女
少年
少女
少女
少女
少年
少年
村人3
村人1
村人が一斉に発砲した。
少女
弾丸は2人めがけて飛んで行った。
…が、
少年
パァンッ!
村人2
飛んで行ったはずの弾丸は見えない壁によって弾き返された。
少女
少年
少年
大きく深呼吸をする。
少年の体が、青く光り出す。
少年
少年が村人に向かって指をさした。
村人3
村人たちは、銃を地面に落とし、直立状態になった。
少年
村人1
少女
少年
少年
少年が左手を挙げると、頭上に巨大な青い火の玉が浮かんだ。
少年
少年が手を振り下ろそうとした、その時。
少女
少女が少年の左腕を掴んだ。
少年
少年
少女
少女
少女は左腕の上の方にしがみついた。
少年
少女
少女
少女
少年
少年
少年
少年
少年
少年が指をパチンと鳴らすと、村人たちは崩れるように倒れた。
少年がもう一度指をパチンと鳴らすと、大量の透けた猫が出てきた。
少年
猫たちはニャーニャーと鳴きながら村人の方へ向かっていった。
そして、猫たちは村人と共に消え去った。
少年
少年は全身の力が抜けるような感覚に襲われて、その場に倒れ込んだ。
少女
少女
少年
少年
少年
少年はそう言って笑ってみせた。
少年
少女
少年
少年
少女
少年
少女
少女は少年にそっと近づいた。
そして、少年の頬に口付け、抱きしめた。
少年
少女
少女
少年
少年
少年は少女を優しく抱きしめ返した。
やがて2人は夜の闇に溶けていく。
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