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ザ・ワールドして世界を救う(どうやって)
チョコ!!出せないだと!?
チョコチップさん ああああああああぁぁ!!!楽しみにしてますよおお!!無理はしないでくださいよ〜!
まふまふside
朝日が昇る直前に、目が覚めた。
僕はこれから、 そらるさんの城を潰しに行くんだ。
そう考えると、 胸の辺りが、チクチクと痛む。
何なんだろう、この痛み。
頭の中では、胸が痛いと思うのに、
実際は、胸はなんの感覚もない。
頭の中でだけ、痛いと思ってる。
何なんだろう、これ。
でも、いいか。 考えたって、分かるわけないから。
僕は、装束に着替えて、
手甲を嵌める。
手甲を赤い紐で括って、 赤い髪留めを付ける。
手甲の赤い紐と、 髪留めは、師匠の形見。
髪を櫛でとかし、口元を布で覆う。
まふまふ
僕は目を閉じて、 深く息を吸い込む。
そらるさんは、敵だ。
自分に言い聞かせる。
僕は、目を開いた。
まふまふ
そらるside
下女
下女
下女
そらる
下女
そらる
俺は今、勉強している。
大名の長男として、 頭も良くないといけないんだ。
下女
そらる
あの忍びが、頭に浮かぶ。
下女
そらる
眠気が覚めない重い頭を振って、 俺は、武道場に向かった。
まふまふside
昨日と同じ要領で、 屋根裏に忍び込んだ。
今日は、そらるさんの部屋を避けて、大名の部屋を探す。
多分、一番奥だと思うんだけどなぁ…
突き当たりまで進んで、 耳をすませる。
男性
まふまふ
声が聞こえる。
重要な話がされている気がして、 僕は急いで屋根裏の板をずらす。
大名みたいな男性
大名みたいな男性
若そうな男性
若そうな男性
大名みたいな男性
僕は板をそっと元に戻す。
思わず頬が緩んだ。
なんだ。余裕じゃん。
あんなに重要なことを、 べらべら喋るなんて。
それにしても、警戒心ないなぁ……
………まあいい。 これで、北の大名は終わりだ。
僕はこの情報を持って帰って、 ご主人様に伝えるんだ。
そして、北の大名を潰す。
チクッ
痛い。
まただ。なんで?
他の大名を潰すことなんて、 何度もやってきたのに。
なんだろう。この気持ち。
まふまふ
微かに。
でも、確かに。
あの人の、声が、聞こえたんだ。
行っちゃ、いけない。
分かってるのに。 身体は声の方に進む。
ここだ。
ここから、声がする。
僕は、そっと板をずらした。
武道場……?
そこでは、 武道の稽古をしている人がいた。
……そらるさんだ。
軽やかな立ち回り。
しなやかだけど、力強い。
あの夜空のような瞳は、 真剣そのものだった。
そらるさんを見ると、 胸の痛みが激しくなる。
なんで……? これ…何なの…………?
会っちゃ、いけない………
そらるさんには…… 会っちゃいけないんだ。
胸の痛みから、逃げるために。
よく分からない不思議な気持ちから、逃げるために。
この人は……敵なんだ………
そらるさんを倒す未来は、 もう決まってるんだから。
……肩入れしちゃ、いけない。
彼は……敵なんだ。
僕は自分に言い聞かせて、 板をそっと戻した。