まふまふside
今宵の宴に、僕は参加している。
とても重要な情報を手に入れた 褒美だそうだ。
ご主人様
まふまふ
ご主人様
ご主人様
まふまふ
いつもは、 この宴に出させてもらう度に、
ああ、また、 必要とされるんだ。って、
もう少し、 生きていけるんだな。って、
そう、思ってたのに。
今は。
犯罪でも犯してしまったような、 複雑な気持ち。
こういうのを、 罪悪感って言うんだっけ。
これは、この城の中の少ない友人から教わった事だ。
……そうだ。
この気持ちにも、 彼らなら名前を教えてくれるかも……
どうせ、これから休みだし。
バンッ!!!
僕は咄嗟に、音のするほうを向く。
襖の勢いよく開く音、
男性の怒号が聞こえる。
奇襲だ。
僕は素早くご主人様の傍に行く。
腰に提げている短刀に手を伸ばすが、 空を切る。
…………しまった。 切れ味が悪くなったから、 武器を調整にだしてた。
まふまふ
ご主人様
まふまふ
ご主人様は、僕の腰を見る。
ご主人様
ご主人様
僕は投げられた短刀を掴む。
まふまふ
…………忍びは本来、 情報を盗む事が仕事。
でも、ご主人様の命令ならば。
忍びは……暗殺者と化す。
武士
武士が飛び込んでくる。
僕は素早く武士の背後に回り、 首筋に刃を当て、勢いよく引く。
目の前で赤い液体が飛び散る。
敵が見えなくなるまで、 同じ動作を続けた。
………気づいたら、 敵はいなくなっていた。
まふまふ
ご主人様
まふまふ
ご主人様
まふまふ
僕は、血だらけの短刀を腰に提げる。
その様子を何人かの武士が、 化け物を見るような目で見ている。
この視線には、もう慣れた。
まふまふ
疲れた〜!
僕は大きく伸びをする。
あ〜〜あ〜〜 ………もしかして、時間外労働?
……………今度、 休み増やしてもらおう。
ふと、敵が身につけている袴の、 紋様を見た。
まふまふ
その紋様は、北の大名のものだった。
そらるさんの顔を 思い出してしまった。
……………もし、もしも。
さっきの武士みたいな視線を、 そらるさんから向けられたら………?
僕は、耐えられるの……?
って、駄目だ。
考えないようにしないと……!
僕は頭を振った。
血が飛び散る。
その赤い液体を見て、思い出した。
まふまふ
まふまふ
僕は、人殺しだったんだ。
僕は、自分の手のひらを見た。
鮮やかな紅色だった。
こんなに血に濡れた手じゃ、 そらるさんには触れないな………
漠然と、
そう思った。
そらるside
…………帰ってこなかった。
彼らは、帰ってこなかった。
そらる
我慢しても、涙が止まらない。
下女から、父さんが東の大名の城に、二十人の武士を送り込んだことを 聞いた。
その中に、俺の友達が………
天月がっ………居たんだ。
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
血だらけの袴などが、 東の大名から送られてきた。
……なのに。
天月のものだけ、返ってこなかった。
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
そらる
俺は、疲れて眠るまで、
泣き続けた。
コメント
11件
鯖缶さん おお?!どうなりますかね〜 ┏( .A. ┏ ) ┓
もも か、神?!嬉しいー!ありがとう!
天月さん… 君はまだ生きていけるさ… 蘇りは得意だろ(なんの設定だよ)