あの日見た流星群をまた君と

あの日目覚めてから 前よりも多くなった検査

残り少ない寿命と言われ 己の死を覚悟する

ガラッ！

ガラッ！

２日後

ついに手術の日がやってきた

外は生憎の雨により メンバーも到着が遅れるようだ

心細い気持ちで手術室へ運ばれる

消毒液の匂い 手術器具の鳴る音 医者の声

大好きな人達と会えなかったからか 気持ちは沈んだまま

その声と共に 重い瞼を閉じた

またこの暗い場所

自分でも何故かわからなかった 俺に兄弟なんて居ないはずだった なのに頭の中に出てきたのは 彼が俺と兄弟なのではないかという 可能性だけ

ドキドキしながら待つ俺 彼はそっと口を開く

すべて思い出した 俺には兄が居ること

それに気づいた時 周りが急に明るくなった

目の前が眩しくなり咄嗟に目を瞑る

静かに目を開けるとそこには

あぁ 全部おもいだした

どーん

暖かい光に包まれてゆっくりと 意識を手放した

あ、そうだ… 俺手術して…

ふと､暖かい何かを 手で握っているように感じた

手の方へ目線を向けると 静かに眠る君

ガラッ

ガラｯ((かんごし退場☆

その途端体が暖かくなった

君が俺を抱きしめたから

君の顔がよく見える位置まで来て 君の顔を見る

そこには大きな雫を零す君 思わず目を見開く俺

はっ としたような顔をして

顔を腕で隠し涙を零す君 きっとそのせいだ 君に触れたくて触れたくて 仕方なくなったんだ

静かに君の頬に触れる

安心させるつもりで笑ったのに 頬を伝う雫

そう言いまた泣き出し 俺を抱き締める君 溢れる涙

まろに抱きしめられると 気持ちがふわふわして心地良い

もし運命の赤い糸があるならば まろと俺は繋がっているのではないか

絶対に切れない赤い糸が＿＿

抱きしめられた感覚が 懐かしくて、嬉しくて

この腕の中はきっと奇跡で 溢れているんだ

あの日からどれほど 時がたったのだろう

今日は俺の誕生日

最年少の手から渡される綺麗に 包装されたプレゼント

手元でカサっと音がなり プレゼントをよく見ると

恋人から貰ったプレゼントの 包装の横に小さな紙が1枚

手紙には

アニキへ お誕生日おめでとう 後でお話あるから来てね 　　　　　　　　　　　まろ

小声でそう言い何処かへ 行ってしまった君

数時間後＿＿

白い息を吐きながら 君と話す

静かに目を瞑ると何かを目に 巻き付けられたような感覚がでてきた

何も見えない状況で君と話す

それから数分後

目を開くとそこには キラキラと星のように光る人工照明

顔の近くで手を合わせ 願いごとを心の中で唱える

急にきた唇 薄く開けた口から入る舌 耐えられなくなり君の背中を軽く叩く

離れた唇 軽い酸欠で苦しいはずなのに 嬉しくてふわふわする

2人の甘い夜は長く続いたとさ

ちなみに…

何度でも2人で流星群を 見られますように＿＿

君と見た流星群をまた君と＿＿