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主
主
主
莉犬
莉犬
教室に入るなり駆け寄ってきた莉犬くんが心配そうに聞いてきた。
ころん
本当は全然立ち直れてなんかいなかったけど…… 心配してくれている親友に少しでも安心してほしくて嘘をついた。
莉犬
ころん
そんな僕の嘘なんてお見通しの莉犬くんは、 心配そうな表情を崩さないまま席に向かう。
ころん
少しでも笑ってもらえればと、昨日見た夢の話をしてみる。
ころん
その夢の中の僕がさーと続けようとした時、 莉犬くんがおかしなことを言い出した。
莉犬
ころん
莉犬
ころん
ころん
動揺が隠せない。 だってそれは、夢の中での話のはずだ。 実際の僕はあの新しいクラスにドキドキしていて、 そんなことが行われていることさえ知らなかった。
莉犬
莉犬
莉犬
だけど、莉犬くんは夢の内容こそが現実だと言う。
わからない。 どういうこと?
ころん
僕はカバンの中から日記帳を取り出した。 なんとなく傍に置きたくてカバンの中に忍ばせていた日記帳だったけど、 こんなふうに役に立つなんて思ってもみなかった。
ころん
昨日見たページを見せようと二ページ目を開いた僕の目に、 信じられないものが飛び込んできた。
ころん
そこに書かれていた内容は昨日のものとは変わっていた。 昨日は確かに源先生がいたずらに引っかかったと書かれていたのに…。 今開いたそこには、いたずらが不発に終わったという…夢の中で見たままの 内容に変わっていた。
ころん
莉犬
莉犬
心配そうに僕を見つめる莉犬くんに僕は、何も言うことができなかった…。
ただ、何が起きているのか理解ができないまま日記帳を…… 綴られた文字を見つめる。 けれど僕は、日記帳に書いてある内容が理解できずにいた。
何も言わなくなった僕の顔を莉犬くんが覗き込む。
莉犬
莉犬
不思議そうに、けれどどこか心配するような口調で問いかけてくる。
ころん
ころん
ころん
莉犬
莉犬
納得してないような、そんな表情で莉犬くんは言った。
勘違いに決まっている。 過去が変わるなんて、そんなことが起きるわけないんだから…。
一瞬よぎった考えを振り払うように、日記帳をカバンの中に押し込んだ。
朝の出来事は僕の思い過ごし…。 そう思い込むことに決めた僕は、寝る前に再び日記帳を開いた。
4月10日
今日は各委員会を決めた。
最悪だー。委員長になっちゃった。
副委員長は青井っていう知らない子。
知ってる奴だったら楽だったんだけど…
でも、可愛い子だったからラッキーw
ころん
ころん
ころん
それが僕がさとみくんを初めて認識した時…。
どうして忘れていたんだろう。
どうして忘れていられたんだろう。
こんなにも大事な思い出なのに…。
ころん
そうすればさとみくんとの思い出を、 何一つなくすことなく覚えていられたのに。
でも、あの時はまさかさとみくんと付き合うなんて思ってなかったし…
そして、あんな風に最後の…… 最期のお別れを迎えるなんて知らなかったから…。
そんなことを考えていると、いつの間にか僕は眠りについていた。