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これで完結😢 ひろし視点です
冷気が、限界まで張りつめていた。
童磨の周囲で、巨大な氷がうねり、形を変える。 屋敷全体が、ひとつの凍った檻のようだった。
童磨
童磨の声は、静かで冷たい。
童磨
ひろしは、ふらつく足で立っていた。 息をするたび、胸が痛む。
野原ひろし
そう思った瞬間-- 家の玄関の光景が、頭に浮かんだ。
野原しんのすけ
野原みさえ
野原ひまわり
自然と、口元がゆるむ。
野原ひろし
ひろしは拳を握る。 もう、力はほとんど残っていない。
それでも、一歩前へ出た。
童磨
童磨がどこか不思議そうに言った。
童磨
ひろしは、童磨をまっすぐ見返す。
野原ひろし
最後の力を、全身に集める。
野原ひろし
--ドン!!
ひろしの拳が、童磨の胸に叩き込まれた。
一瞬、世界が止まる。
次の瞬間-- 氷が、粉々に砕け散った。
童磨
童磨の体に、無数の亀裂が走る。
童磨
その体が、静かに崩れていく。
童磨
氷の粉が舞い、 上弦の弐の姿は、完全に消えた。
--静寂。
ひろしは、その場に膝をついた。
野原ひろし
足元が、ふわりと光り始める。
野原ひろし
光に包まれ--
野原みさえ
聞き慣れた声。
気づけば、いつもの玄関だった。
野原ひろし
野原しんのすけ
野原みさえ
ひろしは、苦笑いしながら靴を脱ぐ。
野原ひろし
居間の明かりは、いつも通り温かかった。
ひろしは心の中で、そっとつぶやく。
野原ひろし
父ちゃんな今日も、 家族のもとへ、ちゃんと帰ってきた。
--完--
コメント
3件
やりきったな、ひろし!!感動...!😭