累音
6月の蒸し暑いじめりけ
鬱蒼とした髪の毛に苛立ちを覚える
振られたばかりだから
きっと雨すらも気持ちいいのに
この暑さのせいで汗のようで気持ち悪い
累音
累音
いくら涙を流したって
降り注ぐ雨と共に流れてしまう
五月雨過ぎの篠突く雨
華々しく洗い流してくれない
くそったれな雨
累音
悲しみもろとも
全部湿気に変わってなくなればいいのに
拓哉
あいつは傘をさしに来やがった
累音
拓哉
累音
拓哉
累音
拓哉
傷つけたあいつの
いらぬ優しさ
ボツボツと落ちる大粒の雨に
乾く笑いが絶えない
累音
拓哉
累音
拓哉
累音
拓哉
累音
ボツボツボツボツ
ザザザザー
累音
拓哉
累音
拓哉
拓哉
ボツボツボツボツ
ザザザザー
今更許せるはずなんかないのに…
累音
いらぬ優しさが悲しさを引き立てる
軽く傾けた斜め45度の傘に
彼はずぶ濡れて
私の背中へ雨は遠ざかる
累音
拓哉
拓哉
累音
迎えに来てなんか言ってない
迎えに来ても欲しくない
なのに生ぬるい
この湿気のせいだろう
頬から雨粒が伝った
累音
拓哉
五月雨過ぎの篠突く雨
遠く離れた相合傘
75センチ離れた僕と君
累音
累音
累音
累音
この大きな雨音で全部かき消されればいい…
拓哉
累音
2人が入るには狭すぎるような傘に
無理やりねじ込んだ肩と肩
累音
拓哉
やっぱり君の隣がいい…
コメント
2件
地の文が素晴らしい!
大人な相合傘… さすがあみこさんです…!