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康平は,胸の奥が ざわつくのを感じる。 自分が守ったつもりで, 何かを切り捨てた感覚。
康平
言葉が続かない。
蓮音
康平は,はっとする。
蓮音
静かに,しかし,はっきりと。
蓮音
その瞬間,康平は理解する。
──蓮音は, もう限界だった。 ──言葉にしなければ, 壊れていた。 それを,自分は止めた。
康平
謝罪の声だった。 蓮音は,すぐには答えない。 少しして,短く息を吐く。
蓮音
康平
蓮音
視線を逸らしたまま,続ける。
蓮音
それは拒絶ではない。 猶予だった。
康平は,何も言えずに頷く。
倉庫の中で, 二人は黙ったまま立つ。 距離は近いのに, 触れられない。
康平は,この沈黙が 自分の言葉の結果だと, ようやく理解する。
──善意だった。 ──正しいと思った。 それでも。 相手の覚悟を見ない優しさは, 残酷になる。
その事実が, 雨音と一緒に胸に落ちてくる。