テラーノベル
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雷が鳴った。 倉庫の天井が,低く震える。 次の瞬間, 照明が一度だけ明滅した。
蓮音は思わず一歩下がる。
──が,その先に, もう逃げ場はなかった。
背中が,棚に当たる。 金属が,鈍い音を立てた。
康平
反射的に,康平が手を伸ばす。 掴んだのは,蓮音の手首だった。
強くない。 引き寄せるつもりもない。
ただ,離れないようにしただけ。 それなのに。
蓮音は息を止めた。
蓮音
康平も,自分が 何をしているかに気づいて, 動けなくなる。
二人の距離は,近すぎた。 視線を上げれば,目が合う。 呼吸の温度が,分かる。
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