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ボスキと主様

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ボスキと主様

42 - 第42話 デートは決まってお祭りで (ベリアンと主デート編③)

2024年09月19日

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屋敷に戻ると、主は部屋に行き、バスティンもシャワーを浴びたらすぐ来るからと言った。

(途中までは良かったのにな...。どこから間違っちゃったんだろう…。私が、ベリアンをあぁしちゃったんだってわかってる。それにしても、あの時言ってた…あれは、どうゆうこと?)

~回想~

ベリアン

貴方を失うかと思ったら、怖かったのです。だから、私は全て捨てます。〇〇さんさえいてくれたら、それで良いですから。

~現在~

何なの?
全て捨てるって?

(ベリアンは、ただ、私を失いたくなかっただけなんだよね…?私が、走って行ったりしていきなりいなくなったりしたから…。そんなことしなければ、普通に愛してくれたかもしれないのに…。)

私が悪いんだ………。

バスティン

それは、違う。

いつの間にいたのか、バスティンが扉の前に立ち、そう告げる。

ごめん。いたんだね…。気が付かなくて。

バスティン

それは、構わない。それより、すまない。ノックをしたのだが、応答がなかったので、変な気を起こしてはいないかと心配になり、勝手に入らせてもらった。すまない。
ところで、主様は、電気も付けずに、ずっといたのか?

そうだったんだ。気づかなくてごめんね。
うん…。付けたくないの…。

バスティン

怖いのか?

うん……。

バスティン

添い寝と言ったが、俺は傍の椅子で寝ようか?今、男である俺に触れられるのも怖いんじゃないのか?

大丈夫。バスティンは、私のヒーローだもん。今日だって、本当に悪い男の人から守ってくれて…怖くて動けなくなった私を、必死に元気づけてくれて…。この人が彼氏でよかったって……
思った。

バスティン

そ、そうか///そう面と向かい褒められると恥ずかしいものだな///

ふふっ。それに、さっきもそう。あんな風に見たからって、私を無理やり抱こうとはせずに、必死に私を慰めてくれたよね...。ありがとう…。

バスティン

それは、当たり前だろう。彼女のを見たとしても…////嫌がるのなら、しない。

うん……。今日、一日で、それだけは、十分わかった。バスティンは、絶対にそうゆうことしないって。

バスティン

勘違いされては困るので、言っておくが、全く興味が無いわけじゃない。男である以上、興味は…ある…////

そ、そうだよね…////

バスティン

だからって、今日の今日で抱こうとも思わないし、今の〇〇さんの状態で、俺が迫るようなこともしない。安心してくれ。今夜は、〇〇さんを守るために、ここに来たのだから。

バスティン……。
ありがとう。

バスティン

どうしたらいい?

あ、そうだよね!ごめん!一緒に寝よう。

バスティン

わかった。俺が扉に近い方で眠ろう。それなら、〇〇さんも安心して眠れるだろう。大丈夫だ。いざと言う時は、起きる。

ありがとう…。

そして、横になる主の横にバスティンも横になる。

バスティン

(よくよく考えたら、眠れる気がしない///あんな姿を見せられた後に…///綺麗だった…////いや、俺までそんな気を起こしてはいけないな。精神統一しよう。精神統一。精神統一。まぁ、そもそも、見張りみたいなものだし、寝ない方がいいのか…。)

(ドキドキしてる……///
あんなことが、あったばかりなのに…。)

コンコン

バスティン

……。

扉の向こうの人は、声を発した。

ベリアン

主様。起きておいでですか?

?!

ベリアンの声に、体を強ばらせる主を見たバスティンは主に、しっ!と静かにするよう人差し指を立て自分の口に当てると、すぐにベリアンにバスティンは返事をした。

バスティン

主様は、泣き疲れて眠っている。

…………。

ベリアン

バスティンくん…。そうですか…。
わかりました。元より中に入るつもりはありません。あんな怖い思いを…させてしまいましたから…。ただ、扉の前に手紙を起きますので、私が去った後、受け取り、明日にでも主様にお見せ下さい。

(手紙…?)

バスティン

わかった。
ベリアンさん。

ベリアン

今日は、バスティンくんはずっとこちらにいますか?

バスティン

あぁ。主様にその手紙を明日、渡すまではそばに居る。

ベリアン

わかりました。では、主様によろしくお願いします。バスティンくん。

(ベリアンが…心配してくれてるのはわかったけど…。でも、ごめん…。今は合わす顔がないの…本当にごめん…。)

バスティン

わかった。
ベリアンさん。

そういうと、廊下を歩き去る足音が聞こえ、バスティンは

バスティン

少し取ってくるので、
待っていてくれ。

うん…。わかった。

そして、取りに行くバスティン。それを主は受け取り、電気をつけたがらない主のため、手元にロウソクの火を近づけ、手紙を読みやすいようにするバスティン。

【〇〇さんへ
今日は大変申し訳ありません。私は貴方を失うのが怖くて、繋ぎ止めたい一心で、あなたのご意思を無視して抱いてしまいました。】

【私は、貴女を知りたかったのです。どうして、あのような行動を取らせてしまうに至ったのかを。それで、〇〇さんの心身を共に傷つけ、恐怖を与えてしまい、誠に申し訳ありません。】

【ただ、それだけ、私が〇〇さんを愛しているということだけは伝えさせていただきます。しばらく、私は遠征に行き、〇〇さんのお傍には行きませんので、安心してお屋敷でお過ごしください。
最後に、私は貴女を愛しています。お元気で。 ベリアンより】

何これ…これじゃ、
まるで……。

バスティン

もう、帰って来ない気なのか?ベリアンさんは…。

ごめん。私、ベリアンに会わなきゃ。

起き上がりベリアンの元へ行こうとする主の右手首を掴むバスティン。

バスティン

行ってどうするんだ?
また、繰り返すのか?

それは……。

バスティン

ここにいろ。今日は、もう、眠ればいい。明日、起きてから話をしたらいい。
〇〇さんもベリアンさんも頭を冷やす時間が必要だ。

(バスティンの言う通りだ。お互い感情的になった結果がこれなのだから…。)

わかった。明日にする。

そうして、また、眠る主。

バスティン

今は、眠れ。俺が〇〇さんの傍についている。

そう、微笑み主の頭を撫でる バスティン。

うん……すぅ~すぅ~。

バスティン

秒で寝るとは思わなかった…。だが、それだけ疲れていたんだな。そうだな。怖い思いをしたんだ。仕方ない。
俺も眠るか。

ベリアン

私は何故。あのようなことをしてしまったのでしょうか...。

ロノ

ベリアンさん。まだ、起きているんですか?

ベリアン

す、すみません。
うるさかったですか?

ロノ

いや、ムーが寝入れるくらい静かです。

ムー

すぅ~すぅ~。

ベリアン

ムーちゃんにも悪いことをしましたね。

ロノ

ムーは大丈夫ですよ。食べたいものいっぱい食べて満足して、寝ちゃいましたから。

ベリアン

……………。

ロノ

ベリアンさん?

ベリアン

……………。

ロノ

寝たのか。オレも寝るか。

数分経ち

ロノ

すぅ~すぅ~

ムー

すぅ~すぅ~

みんなが眠る中。ベリアンは外に出る。

ベリアン

今日の星も綺麗ですね………。

ベリアン

私は、あの日、このような星空の下、〇〇さんに告白を致したのでしたね…。叶うと思いもしなかった思いが叶って、嬉しかったことを今でも鮮明に覚えております。

ベリアン

叶うことなら……もう、貴女には傷ついて欲しくはありません。ですから、貴女の幸せを願います。私は遠くから見守っていますから。お傍にいれなくとも良いですから…。

ベリアン

ですから………。笑っていてください。ずっと、みんなの太陽で、月で居てあげてください………。

ベリアンは静かに涙を流した。

翌日、近くの丘で、主は待ち合わせをしたい旨をバスティンからベリアンに伝えてもらい、待ち合わせの場所に来ていた。

来ないな……。

(もう、会ってくれないのかな...?もし、そうだとしても、自業自得。自分でまいた種だもん。潔くベリアンから離れよう…。)

とそう思っているとベリアンが来る。

ベリアン

お待たせして、申し訳ありません。

いつも通り、執事らしく振る舞い、主に精一杯微笑むベリアンにいたたまれなくなる。

ベリアンごめんなさい。

ベリアン

あ、主様が謝る必要はございません。頭をお上げください!

私が急にいなくなるから、ベリアンを不安にさせちゃったんだよね?

ベリアン

それは…否定いたしかねます…。

私があんなことしなきゃ、ベリアンは不安に押しつぶされて、私をあんなケモノのように抱いたりなんてしなかったよね?

ベリアン

それも…否定いたしかねます。しかし、私が主様にしたことは許される事ではありません。本当に申し訳ありませんでした。怖い思いをさせ、体を傷つけ…。

ベリアン。私は、もう大丈夫だから…。だから…。

ベリアン

私は、手紙に書いた通り、しばらく遠征に行きますので、主様のお傍には参りませんからご安心ください。本日はお顔を拝見できただけでホッと致しました。お会いして下さり感謝致します。

そう、頭を下げ、その場を離れようとするベリアンの手を掴む主。

ベリアン

主様………。私のお傍に寄らないでください。

なんで?

ベリアン

また、主様を傷付けでもしたら…。

昨日みたいなことするの?

ベリアン

決してしません。もう、2度とあのようなことがないよう、私は主様から離れないといけません。ですから、遠征に明日から行って参ります。ただ、悪魔執事に戻るだけです。必要なことがあれば、今まで通りに行かずとも、対応はさせていただきます。ご容赦ください。

いやだ。

ベリアン

主様…。

私、ベリアンにいて欲しい。執事としても、彼氏としても…。

ベリアン

まだ、私を彼氏としても見て下さるのですね……〇〇さんは…。
そのお言葉だけで嬉しく思います。

だったら!!だったら、
ベリアン…
行かないで…。

ベリアン

……行かなくてはなりません。私は、あなたの彼氏である前に、悪魔執事ですから…。

そうだよね…。なら、帰って来たら、また、一緒に…。

ベリアン

もう、私は、2人きりで貴女と過ごすことは致しません。

頑なに主を避けようとするベリアンに主は

(やっぱり、私…潔くベリアンから離れるなんて出来ない!だって…!)

愛してるの!!ベリアンのこと!!
もう、あなたから向き合うことから逃げたりしないから!!あなたを拒んだりしないから!!だから、そばにいて!!

激しい感情を叫びに近い大声で伝えた。

ベリアン

〇〇さん……周りに聞こえてしまいますよ?

いい!!あなたが、私の元にそれでいてくれるのなら…!

ベリアン

私は、貴女を〇〇さんを傷つけたのですよ?昨日のこと、お忘れになった訳ではないでしょう?

そうだけど、ベリアンも同じだけ傷ついたって…わかってるから…。

ベリアン

………。どうなっても知りませんよ?私は〇〇さんが愛おしいあまりに傷つけてしまうような人間なのですから…。

うん。構わない。もう、逃げない。

ベリアン

いえ、逃げても良いのです。私は、〇〇さんが笑ってさえくれるのなら、それだけで十分幸せなのですから。

ベリアン…。私を抱いて…。

ベリアン

?!

ベリアン

いけません。それでは…また…〇〇さんを…。

いいの。ベリアン、あなたを私が受け入れたいって言ってるの。あなたの全てを…。

ベリアン

〇〇さん………。では、狩りで使う道具置き場に参りましょうか…。

うん。

そして、2人は道具置き場へそのまま向かう。

道具置き場に来ると、ベッドサイドに2人は座った。

ベリアン

大丈夫ですか?震えていますよ?無理をなされなくても良いのですよ?

大丈夫だから!

ベリアン

フフ…。

え?

ベリアン

大丈夫です。私は、致すことだけが全てだとは思いません。今日は、ここで、2人で語らいませんか?

語らう?

ベリアン

そうです。私は〇〇さんをもっと深く知りたい。その気持ちが爆発して昨日あのようなことを致してしまいました。それならば、貴女を知ることができたのなら、もう、あのようなことは起きないでしょう?

ベリアン…。うん。お話しよう。私もベリアンを知りたい!

そして、2人は笑い合いながら、夕方になるまで話続けた。ベリアンの紅茶を飲みながら…。

ベリアン

そろそろ帰りましょうか。

うん…。

ベリアン

〇〇さん?

寂しい…。

ベリアン

また、〇〇さんのところに帰ってきます。〇〇さんが許してくださるのなら…。

うん。許すから。そもそも私も悪いから…。ごめんね。だから、絶対に帰ってきて!
その時は、2人でデートのやり直ししてくれる?

ベリアン

ええ。帰って参ります。その時は、私がぜひ、デートにお誘いしてもよろしいでしょうか?

もちろんだよ!約束だよ?

といい、ベリアンの前で右の小指を立てる主。その小指にベリアンも右の小指を絡ませる。

ベリアン

はい。必ずお誘い致します。
私の愛しい〇〇さん。

そして、自然と2人は唇を寄せ合い キスをした。

ちゅっちゅっちゅっレロ

んっ...///

ベリアン

(〇〇さんを私は愛しています。ですから、守り続けます。そして、もう、2度と傷つけないと誓いますよ。)

2人は唇を離すと、名残りおしそうにその場を後にした。

外に出るとすっかり夕空となり、夜を出迎える準備をはじめていた。

ベリアン。

ベリアン

はい。いかがなさいましたか?

手を…繋ぎたい…////

ベリアン

途中までで良いのなら、私も繋ぎたく思います///

うん!大好きだよ。
ベリアン。

ベリアン

はい。私も〇〇さんをお慕いしておりますよ。

そして、2人は恋人繋ぎをして途中まで帰り、途中からは執事と主らしく帰っていった。

翌日、ベリアンは遠征へ向かう前に主と散歩にきていた。

行っちゃうんだね…。

ベリアン

仕事ですから、仕方ありません。私たちは悪魔執事ですから。依頼が来たら、向かわねばなりませんから。

うん…。

ベリアン

そんなに寂しいそうなお顔をされないでください。1週間程度で戻ってきますから。

え?

ベリアン

?いかがなさいましたか?

もっと長いのかと思った!口ぶり的に!

ベリアン

そ、それは、申し訳ありません。
実際、その依頼の後の依頼もお受けして、主様にお会いする頻度を下げようと当初は考えていたものですから...。

そうだったんだ…ごめんね。気を遣わせて。

ベリアン

そんな主様が謝ることは何一つないのです。元はと言えば、私がいけないのですから!

と慌てて主を励まそうとするベリアンに主は笑う。

ふふっ。

ベリアン

あ、主様?

帰ってきたら、約束、
忘れないでよね?

ベリアン

ええ。そもそも、忘れるわけがありません!///

わかった。なら、1週間後を待ってるね。
行ってらっしゃい。

ベリアン

はい。行ってまいります。主様。

そうして、2人は約束を胸にベリアンは遠征に、主は屋敷で待つのであった。

おわり

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