テラーノベル
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事件が起きたのは、雨の日だった。
曇った雲も、灰色に染まった校舎も、 全てが彼奴の瞳と重なって見えた。
壊れた彼奴の瞳と____
寺刃ジンペイ
聞こえたのは、 教室の奥からの怒鳴り声。
聞き慣れた声だった。 だが、何処か冷たく、 誰かの怒りを真似したような...
霧隠ラント
生徒A
霧隠ラント
寺刃ジンペイ
足が勝手に動いていた。
まるで引き寄せられるように。
霧隠ラント
寺刃ジンペイ
その姿は、まるで別人だった。
荒い呼吸、血走った目。 黒く光るオーラが寺刃の周囲を包んでいた。
こんな寺刃の姿は見たくなかった。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
霧隠ラント
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
霧隠ラント
霧隠ラント
寺刃ジンペイ
寺刃の瞳が揺れた。
たった一瞬だけ、あの頃の“寺刃”が、 戻ってきたような気がした。
霧隠ラント
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
その言葉が、心の奥を深く刺した。
彼奴が___ 寺刃が私を遠ざけようとするとは 思わなかった。
霧隠ラント
手を伸ばした、その瞬間。
寺刃は、消えた。
黒いオーラに包まれ、静かにゆっくりと___
あの日から、寺刃は姿を消した。 まるで、自分ごと 世界から切り離そうとするように。
私の前で、泣きそうな顔をして。
自分を責めるように、背を向けて___
寺刃は自分自身を守るために、 私たちの世界から姿を消した。
だが、それでも私は寺刃を探す。 寺刃を信じる。
たとえこの手を、 もう二度と手に彼奴に届かせれなくても。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹.
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