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おそろいのキーホルダー
バックについたままの、小さなキーホルダー
杏
って君が言ったんだっけ
正直いってあまり興味は無かった
でも、君があまりに嬉しそうだからつい
悟
って言った
それからずっとなんとなくつけたままだった
そして、君がいなくなった今も
傷だらけになっても外せなくなった
だってこれは君との「おそろい」だから
いつも隣にいたのに
?
その声を聞いて、反射的に頷いた
でも座ったのは見知らぬ人
いつもなら、隣には君がいたのに
当たり前だったことが、当たり前じゃなくなった瞬間
ようやく気付いた
どれだけ君が近くにいたのか
どれだけ君が、大切な存在だったのか
傘を貸した日
朝から雨が降っていた
駅の入り口で、制服の女の子が傘を持たずに立ち尽くしていた
よく見ると、隣のクラスの人だった
翔太
よく見ると、隣のクラスの人だった
翔太
そう言って自分の傘を渡す
花
翔太
雨の中を駆け抜けるのは少し寒かったけど、振り返ったとき
彼女が小さく「ありがとう」と言ってくれた
それだけで何だか温かくなった