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#シンママ
沙華やや子
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玉葱三太郎
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コメント
1件
うわあ、沈丁花の香りで締めるの、すごく綺麗ですね……! 結莉さんがジャンくんとのDMで少しずつ心を開いていく流れが自然で、皐月ちゃんの「ママ、元気が戻ってる!」にじんわり来ました。ラストの「結莉さんっ」で誰が呼んだのか気になりすぎます。次回が待ち遠しいです!
SNSが楽しくざわついた。
『つむじちゃんとジャンくん、気が合うね~』 『ジャンくんとつむじちゃんもしかして♡』などなど。
それらのジャン&つむじをからかう書き込みの中に『今度のオフ会で二人の様子が見られるの、楽しみ』というものがあり……つむじこと結莉はちょっと寂しい気分になった。
結莉
そこへ皐月がラジオのあるリビングへ戻って来た。
皐月
結莉
皐月
まったくしっかり者の娘である。
結莉
しかし結莉はそのあとも『三角関係』のこと『オフ会』のことで心を曇らせつつ『ハートのたまご』を聴いていた。 気づくと既にエンディングだった。
DJロリポップ
そこでまたもざわつくリスナーたち。
『ロリポップさん、春爛漫?』 『彼氏ができたのかな~』 『気になるねー』etc.
結莉はそんなに気にならない。
(戸川さん……。ジャンくん……。オフ会に行かれない……)などとウジウジしていた。
皐月は結莉のそばでスマホをいじっていたが、チラチラと結莉を気にしていた。
月曜日はまたクリニックの日だ。
結莉の通院曜日は決まっていない。ドクターが「一週間後」と言っても、薬は少し余分に出してくれるので、体調の良い時に通っている。無論ドクターがそれで良しとしているから。
***
ぼんやりと結莉は日曜日を過ごしている。娘の皐月は親友の望(のぞみ)ちゃんの家へ遊びに行った。
家事もほどほどに明日の通院に控え体を休めている結莉。心が健康な人にとってちょっとしたお出かけであっても、結莉にとってはおおごとだったりする。
それに……
結莉
モヤモヤ、ビクビク……ラジオから素敵な音楽は流れているが冴えない結莉だ。
なんだか体も辛いので、横になりスマホを見ている。
結莉
結莉
ダイレクトメッセージが届いている。
結莉
そう、やっぱりジャン・ロイドンくんからだった。
ジャン君
結莉はユウウツに飲み込まれそうだったので、気分転換がしたくジャンくんへ返信した。
結莉
すぐにジャンくんから返信が来た。
ジャン君
結莉
ジャン君
二人はまたも、まるでチャットでもしているかのようにメッセージを続けた。
結莉
ジャン君
この言葉を深読みした結莉……。
結莉
返信に困ってしまった結莉。
どうやらジャンくん、それを察したようで
ジャン君
と書いてきた。
結莉は、洞察力の鋭いジャンくんにドキリ。
結莉
そう素直に感じた。
結莉とジャンくんは1時間近く主にラジオ番組のことをメッセージし合った。
結莉
ジャン君
結莉
皐月
夕方4時過ぎ、皐月が帰宅した。
結莉
皐月
結莉
皐月
結莉
***
――――月曜日。結莉の通院日だ。
やはり痴漢が怖くて顔色を曇らせている結莉。
皐月
皐月が念を押す。
戸川さんになにがなんでも逢いたい結莉は首をブンブン横に振る。
結莉
皐月
皐月は頷いた。
いつものように親子でマンションエントランスまで下りて行き、結莉が自転車の皐月をまず見送る。
今日はラジオで降水確率40%と言っていた。結莉は皐月にバス通学を進めたが
皐月
と大らかに言い放った。
結莉
皐月
元気にペダルを踏む自転車の皐月が小さくなって行く。曲がり角を曲がって見えなくなった。
薄曇り。白っぽい灰色の空だ。安心のため結莉は今日折り畳み傘を持って出て来た。
結莉
そんなことを思い、空を時々見上げつつ歩き、いつもの駅に着いた。
改札前でギュッと両手を握り一度深呼吸をした。
結莉
と胸の中で言う。
ホームへ行くと今日も人の山。毎度のことながらげんなりする結莉。 しかし結莉は、用事を早く済ませたいタイプだから、電車に乗るのはいつもこの時間になるのだ。
今となっては、あの紳士でイケメンの戸川さん目当てだし。
……が、今日、痴漢野郎は居なかったし、戸川さんへも逢えなかった。
結莉
株式会社うちわ金魚の入っているビルを見上げ、結莉は通り過ぎた。
結莉
それはまるで初恋をした中学生の少女のような胸のざわめきようだ。
クリニックは激混み。月曜日は時に患者さんが多い。 結莉の順番がやって来たのはなんとお昼だった。9時前にはとっくに病院に到着していたのに。
すぐそばの院外薬局もとても混んでいる。
結莉
やっと薬ももらい外に出「ンー」と伸びをした結莉。 スマホを見るとお昼2時前にもなっていた。
結莉
ため息をつき、駅へ向かって歩き出した。
――――ポツ、ポツ、ポツ……。
結莉
雨が降って来た。心配性の結莉の大きなバッグから折り畳み傘が取り出され、バッと開かれた。
結莉
結莉
そんなことを思っていると、とっても甘く懐かしい香りがして来た。
結莉
足を止め、香りを辿りキョロキョロする結莉。
結莉
小さな公園の植え込みにたくさん咲いている。雨に濡れ、しっとりとした香りが余計に強く感じられる。雫を受け始めた花びらが可愛い。
結莉は、しばしちょっぴり体をかがめ沈丁花を愛でていた。
羽矢斗