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最近、同じ夢ばかりを見る。
どこまでも広がる澄み渡った青空と
ザザーッと音を立てて砂を押しては引いていく広い広い海
それと、
青
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そう言って無邪気に笑う君の嬉しそうな声色。
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クラスメイト
君と出会ったのは今から10年くらいくらい前のこと。
田舎に暮らしていた僕は、 全校生徒が50人くらいの小さな小学校に通っていた。
こんな田舎に転校生が来るなんて初めてのことで、 いつも人数が少ないおかげで鳥の声や風の音がよく聞こえる教室に クラスメイトの明るい声が飛び交っていた。
黄
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僕自身も楽しみにしていたけど、
元々人と進んで話せるタイプじゃなかった僕は
挨拶くらいはできたらいいな、
くらいに思っていた。
青
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青
青
青
青
大きく溌剌とした声、 緊張するような素振りも見せずに思い切り笑う顔。
黄
子供ながらに、僕はこの人と関われるような性格では無い、と思ってしまった。
黄
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クラスメイト
クラスメイト
青
青
クラスメイト
黄
案の定、すぐにクラスに馴染んだ君は、みんなに囲まれて質問に答えていた。
僕はそれを少し離れたところで聞いていたっけ。
きっと縁などない、
話すことなんて尚更ないんだろう、
そう思っていた。
そんな君と初めて話したのは、ある日の放課後のことだった。
この町は海が綺麗な町で、
僕は放課後よく海へ行っていた。
海の近くのコンクリートの塀によじ登って、
そこに座って本を読んだり ただぼーっと海を眺めてみたりしていた。
その日の放課後も、僕は海に来ていた。
青
青
塀の下から聞き覚えのある声が聞こえた。
黄
青
青
黄
ドギマギしながら答える僕に、君は構うことなく話しかけてきた。
青
青
黄
君はいつもクラスの隅っこに居る僕の名前をちゃんと覚えてくれてて
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青
青
黄
好奇心旺盛で、間髪入れずに質問攻めしてきた。
そんな君に多少押されながら僕らは色んな話をした。
そうしていつの間にか、正反対のはずの君と一緒に海に行って話をする仲になっていたんだ。
最初の頃は特に待ち合わせする訳でもなく、
たまに同じ場所で待ってて会えたら話をする、くらいだった。
でもいつしか僕の家まで来るようになって、
ピンポーン
青
黄
青
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一緒に海に行こう、だなんて誘ってくれるようになった。
青
黄
青
黄
沢山話をしていたけれど、当時はどんな会話をしていたかはあんまり覚えてない。
きっと他愛もない会話だったんだろう。
しかし、ただ1つ鮮明に覚えているものがある。
それは、君がギターを弾きながら楽しそうに歌うあの歌だった。
黄
黄
青
黄
青
ジーーーーガサガサッ
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そう言って君は得意げににひひと笑ってみせた。
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黄
青
黄
青
黄
青
青
黄
そうして君が歌って聞かせてくれたあの歌。
いつも明るくて元気な君が出しているとは思えない綺麗な声と音で、
でもすごく楽しそうに歌い笑うその横顔を鮮明に覚えている。
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青
黄
黄
青
青
あれから僕は君の歌が好きになった。
いや、
とても楽しそうにギターを弾き語る君のその姿が好きになった。
その後も君はよくその歌を聞かせてくれて、
その歌の歌詞は今でも思い出せるくらい体に染み付くように覚えてしまっている。
ねぇねぇ、ころちゃん。
また、 その歌を聞かせてくれないかな。