赤兎は僕の手を引きながらずんずん進んで行く。
青兎
(すごいな…)
赤兎の住む世界は、様々な建物が積み重なるようにひしめき合っている。
とても小さな階段や、自分の世界と同じようなサイズの階段もある。
しかし、建築様式は目新しいものはなく
どちらかというと古い印象を受け、祖父母の家と似ているように感じた。
青兎
(さっきからずっと思っていたけど)
青兎
(行き交う妖たちがみんな赤兎に道をあけている。)
ちょっと大袈裟なくらいに。
妖
赤兎様!こんにちは!
妖
こんにちは赤兎様
妖
後ろの方はどちら様で?
妖
赤兎様!お久しぶりです!
妖
本日はこちらの品がお安いですよ!
赤兎様!赤兎様!
赤兎
こんにちはー!
赤兎
また後で!
赤兎
久しぶりー!
青兎
(一体この人は何者なんだろうか。)
青兎
(すごい権力でも持っているのか?)
赤兎の謎は深まっていくばかりだった。
???
お
???
赤兎だ
???
久しぶりに見たな…ん?
???
誰かを連れて歩いてる
???
赤兎があんなに親しそうに誰かを連れて歩いてるなんて
???
珍しいこともあるもんだ…
???
は
???
あれ人間じゃねえか
???
…
???
中々の上物だな…
青兎
?
青兎
(強い視線を感じた気がしたんだけど…)
青兎
(気のせいかな?)
キョロキョロ
青兎
!
???
!!
フイッ
すぐに目をそらす。
青兎
(目合っちゃった…)
青兎
(気まずいな…)
赤兎
青兎くん!もうちょっとだからね!
青兎
あ…はい!
タタタッ
???
…
???
はは
???
上物どころじゃないな
???
あれは格別だ
???
申し訳ないが、赤兎から奪うしかないな
???
楽しみだ