松村 三咲
う、嘘......
松村 三咲
川村さん!
紗羅
三咲ちゃん、待って!
紗羅
確認するから.....
血に染まった床に膝をつき
脈を確認する
紗羅
―――ッ
紗羅
......
紗羅
......だめ
岩崎 拓郎
は!?
岩崎 拓郎
なんで!!
松村 三咲
川村さん...!
松村 三咲
いやあぁぁぁ!
紗羅
近付いちゃだめ!
松村 三咲
なんで!
紗羅
殺人事件...だから
杉原 雅人
さ、殺人事件って...!
杉原 雅人
そんなのって......
紗羅
友江...ごめんね
紗羅
これ以上、私も触れられないよ...
唇を噛み、スマホで110にかける
トゥルルル...
トゥルルル...
トゥル...
はい
こちら110番、通信指令室です
事故ですか?事件ですか?
紗羅
えっと......その
紗羅
殺人事件......です
...あなたの今いる場所はどこですか?
紗羅
○○にある、Aっていうお店です
紗羅
(しっかりしなきゃ...)
紗羅
(通報なんて、何回もしてるでしょ!)
わかりました
現場に急行します
あなたのお名前を伺ってもよろしいですか
紗羅
碧 紗羅といいます
・ ・ ・
そのままLIMEで魔叉琉に連絡する
紗羅
魔叉琉、今大丈夫?
魔叉琉
ん、どーした?
魔叉琉
同窓会中じゃなかった?
紗羅
それが
紗羅
どうそかいで
魔叉琉
どうした、落ち着け?
紗羅
殺人じけんが
紗羅
ごめん、うまく打てない
魔叉琉
大丈夫、それは問題ないよ
紗羅
殺人事件があって
紗羅
ともだちの友江が
紗羅
ころされて
魔叉琉
そっか......
魔叉琉
警察には?
紗羅
連らくした
魔叉琉
わかった👍️
魔叉琉
俺もすぐに向かうよ
紗羅
ありがとう
魔叉琉
無理すんな
魔叉琉
LIMEはそのままで
紗羅
わかった
紗羅
なにか進展あったられん絡する
魔叉琉
取り敢えず、深呼吸して落ち着け
魔叉琉
じゃないと、大事な事全部見逃すから
紗羅
そうだよね
魔叉琉
ま、今回はあんまり無理すんなよ
魔叉琉
魔叉琉
マジで
紗羅
魔叉琉......
杉原 雅人
なあ、碧さん
紗羅
杉原くん...?
杉原 雅人
碧さんも座りなよ
杉原 雅人
立ってても疲れるし
紗羅
あ...ううん、私はここでいい
杉原 雅人
そう?
紗羅
私が下手に動いたら、血痕が増えちゃう
岩崎 拓郎
あ...でもさ
岩崎 拓郎
それって......
紗羅
うん...確認した時のだよ
紗羅
でも...捜査の邪魔になっちゃうから
松村 三咲
そう...でもさ、紗羅ちゃん
松村 三咲
ほんと、無理しないでね?
紗羅
うん
紗羅
それは判ってるよ
紗羅
(魔叉琉にも言われたし...)
ウ~ウ~ウ~...
紗羅
(あ......)
紗羅
警察、来たみたい
魔叉琉
すいません、藤野警部
魔叉琉
また乗せてもらって...
藤野警部
いや、いつも事件解決してくれてるからな
藤野警部
さ、いくぞ
魔叉琉
はい
藤野警部
皆も、遅れないように!
高峰刑事
は!
刑事たち
は!
藤野警部
......それで
藤野警部
電気が点いたら、この状況だった、と...
紗羅
はい......
魔叉琉
(この状況......)
魔叉琉
(まずいな、これ)
高峰刑事
おい
紗羅
え?
高峰刑事
どうしてあなたは血まみれなんですか?
紗羅
それは...その
紗羅
確認をしたからです
高峰刑事
確認?
藤野警部
こら!
藤野警部
碧くんは、探偵事務所の...
魔叉琉
(あちゃー...)
魔叉琉
(疑われる可能性が高くなったな...)
魔叉琉
はい、あのー
魔叉琉
俺と2人で、探偵事務所やってます
高峰刑事
へー...?
高峰刑事
なら、わざと確認をして
高峰刑事
返り血を誤魔化す、なんてことも
高峰刑事
考えられますよね?
紗羅
そんなこと!
魔叉琉
(やっぱり...)
魔叉琉
(この状況で、事件慣れしてる探偵は疑われる...!)
高峰刑事
事実、あなたもこの場にいたんだから
高峰刑事
殺害する機会はあったんじゃないですか?
高峰刑事
停電していた時間に
藤野警部
高峰刑事!
藤野警部
それくらいにしなさい!
高峰刑事
......はい
松村 三咲
あ、あの!
松村 三咲
ちょっと待ってくださいよ!
高峰刑事
ん?
松村 三咲
停電していた間、紗羅ちゃんは
松村 三咲
私の落としたフォークを拾うために
松村 三咲
テーブルクロスの中にいたんです!
岩崎 拓郎
ああ!俺たちも見てたぜ
杉原 雅人
はい、確かに!
高峰刑事
テーブルクロスの中に......ね
魔叉琉
(だけど、その分...)
魔叉琉
(停電する直前、紗羅の姿を見た人がいないって事になる...)
警部!
藤野警部
ん?どうした
この遺体、一突きで殺害されてます
藤野警部
...てことは
刃物の扱いに慣れている人物の可能性が高いかと
藤野警部
うーん...
魔叉琉
(やっぱり、この事件...)
魔叉琉
(誰かが、紗羅に罪を着せようとしている...)
高峰刑事
ほら!
紗羅
いや、待ってくださいよ!
紗羅
いくら探偵でも、刃物なんて扱いません!
高峰刑事
そうですか?
高峰刑事
何度も現場を見ているなら
高峰刑事
刺し方くらい理解してたんじゃないですか?
紗羅
そんなわけ無いじゃないですか!
魔叉琉
(このままじゃ、紗羅が犯人に…!)
魔叉琉
――紗羅
紗羅
え......?
魔叉琉
大丈夫
魔叉琉
俺が全部解決するから
紗羅
うん...ありがとう