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海

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1 - 海

♥

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2019年08月22日

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夏。 夏。 もう逢えないのかな。 覚えてないの? 海であったあの女の子だよ。 夏の音が聞こえたあの海の。

誰だろうあの女の子は。

うっ。

思い出せないよ…

おい夏。

転校生来るらしいよ。

興味無い。

(あの女の子に会いたい。)

探してるんだろ。

小さい頃にあった女の子。

別に。

俺。知ってるから。

夏がその子のこと忘れられないってこと。

幼馴染みには嘘つけないよ。

俺もその場にいれば良かった。

見たかった。夏の一目惚れした子。

お前もついてないよな。

海の家にいる間に俺はその子に出会ってたんだから。

歩はその子の良さなんて分からないだろうけど。

神奈川県から転校してきました。

川瀬音です。

東京は何年ぶりか分からないけど

小さい頃住んでいました。

これからよろしくお願いします。

ねー。夏。あの子美人。

ああ。

(何回か目が合ったような。)

(気のせいか。)

……

夏。

小さい頃東京に住んでたって言ってたよね。

あぁ。

でも、人違いの可能性もあるし。

とりあえず、音って子のこと探ってみたら。

うん。

あれ。音…

あの子で間違いないのかな。

ねぇ。

え?

あ、ごめん突然。

同じクラスの河田夏です。

あ〜。

河田さん

夏でいいよ。

みんな夏って呼ぶから。

じゃあ、夏。

小さい頃東京にいたって言ってたけど

いつくらいまで?

小学校入学前くらいかな?

私、ここの近くの海が大好きで。

よく行ってたんだ。

俺も。

親が、海の家に期間限定で働いてたから、

よく遊びにいってた。

じゃあ、会ってるかもね。

私、会いたい人がいるの。

(え?)

引っ越す前に海に行った時にあった人なんだけどね。

小さいから顔とか覚えてなくて。

でも、優しくて。暖かい人だった。

会えたらいいなって思ってて。

会えるよ!

え?

いや、何でもない。

じゃあ、私そっちだから。

なにあの子。

何?凛

あの子誰なの?

転校初日から夏に色目使って

ほんとに嫌いなんだけど。

お前に関係ないだろ?

それに、俺から話しかけたんだし。

は?

なんであんな子に話しかけんのよ。

凛は、夏を思って言ってるの。

転校してきてよく分からない女に捕まって欲しくないの!

悪いかどうかなんてまだ分からないだろ。

それに、俺はいつから凛のもの?

っ…

夏は、ほんとに気づかないんだね。

凛がどれだけ夏のこと思ってたと思ってんの?

何も知らないくせにそんな気軽に言葉ぶつけないでよ!

もう帰って。

は?

呼んだくせになんだよ。

いいから!

帰って!!

夏君か…

覚えてないのかな。

思い出してよ。早く。

私が

辛い思いをする前に。

音ちゃん?

え?

ごめん!

クラスのグルチャから引っ張ってきちゃった。

迷惑だった?

いや!

別に、迷惑じゃないですよ。

ただ、いきなり過ぎて

びっくりしたというか。笑

ごめんね〜笑

聞きたいことがあるんだけどさ

音ちゃんって

海にいた子でしょ。

え?

なんで、

俺。

あの時の子だよ。

嘘ですよね?

え?

私、覚えてるんです。

どんな子だったか。

歩さんじゃないと思います。

バレちゃったか。

俺、今日の自己紹介の時

一目惚れしちゃったんだよね。

付き合ってって言ったら

困る?

困り、

ますね。

私、海の子が忘れられないんです。

あの、暖かい優しさが。

申し訳ないけど

歩さんとは付き合えないです。

でも、協力して欲しいんです。

私の初恋を探すの。

いやだ。

って言いたいところだけど。

好きな子のお願いは聞くしかないもんね。

だから、協力してあげるよ。

ほんとですか?

じゃあ、お願いします。

(なんかあの2人親しくなってんなー)

このクラスにいるかな?

えー。わかんないです。

でも!きっといるはずなんです。

分かってるって。でも焦らないで。

ねー。夏

音ちゃん。

歩にメロメロだけど。

やっぱ。男たらしだったんだね。

お前。

その言い方やめろよ。

なんでそんなにあんな奴に夢中になるの!!

夏が振り向かないならいいや。

音ちゃんがどうなるか知らないから。

は?

おい!凛!

(凛ちゃんと楽しそう……)

え、

真彩

どしたの?音

教科書が破れてて…

真彩

誰?

真彩

こんなことしたの!

ほんと。ひどーい笑

凛だろ。

音の教科書破ったの。

夏酷っ。そんなに凛のこと悪者にしたいの?

お前しかいないだろ、音の事気に入らないの。

そんなの分からないよ?

真彩ちゃんだって、クラスの学級委員長だから

無理して付き合ってるだけかもしれないし。

真彩

そんな事ない!

真彩

音と仲良くしたいだけ!

ほんとに?凛にはそう見えなーい!

だって、今までずっとぼっちだったじゃん。

真彩

おい!

もう凛ちゃんいい加減にして!

私の教科書隠したのも誰かわからないし、

凛ちゃんじゃないのかもしれないけど。

私の大事な友達の悪口言うのはやめて

もう傷つけるのは私だけにして。

お願い…

は?何それ。いい子ぶってさ。

音の教科書破ったの凛だよ。

やっぱりお前!

音のなにが気に食わないんだよ!

うるさい!

全部気に食わないの!

凛の夏をとるし。

友達も全部音の話ばっか。

もうみんな凛と友達やめれば?

凛ちゃんに私はなりたいな。

は?何言ってんの。

今の凛最低じゃん。

凛ちゃん本当はいいこでしょ。

だから、素直に教科書やぶったって言ってくれたんじゃん。

お金持ちでみんなに愛されてる凛ちゃんになりたいよ。

音……

私ね、好きな子がいるの。

小さい頃浜辺であった男の子。

私、それが誰だかもう気づいてるんだよね。

相手はなんにも気づいてないけどさ。

相手に自分の好意を知ってもらってるって幸せなんだよ。

(あの時の女の子は……音……)

ごめんなさい…

ほんとに…

こうして、凛とのトラブルは解決した…

音〜!!

夏!

音が言ってた浜辺の男の子って

やっと気づいた?

ずっと待ってたんだよ。

俺!

ずっと前から…

駄目。

どうせなら海行こうよ。

海で聞きたい。

分かった。

俺はきっというだろう。 夏の音が聞こえる あの海で。 「好きです」 と

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