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#シンママ
沙華やや子
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183
玉葱三太郎
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ホットコーヒーがテーブルにやって来た。カップとソーサーの微細なお花の模様が美しい。
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
まるでわんぱくな男の子のように嬉しそうに自分の誕生日を教える羽矢斗。
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
結莉は自分のことを、大好きな羽矢斗にもっと話してみたくなった。
羽矢斗
結莉
ギュ!
その時羽矢斗が、優しく、でも包み込むように力強く、結莉の右手を両手で握った。
羽矢斗
結莉は……泣けてきた。
愛する人に受け止めてもらえる喜び。安心感。
涙をこぼしながら続けた。
結莉
羽矢斗は、シクシク泣く結莉の言葉を一切遮らず、ずっと結莉の心に寄り添い話を聴いていた。
結莉
そう言うと結莉の瞳からボロボロッとさらに涙が溢れた。
羽矢斗
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
その日のデートは、喫茶店のあと映画を観に行った。結莉はどちらかと言うと古い映画や、マイナー路線を好む。羽矢斗は流行り物が好きらしい。
そんなことを楽しく話しながら「今、映画館、なにをやってるだろうね」と行き当たりばったりで訪れた。
すると、羽矢斗好みの流行り物が始まるまでにはかなり待たなければならない時間帯であることが判明。
結莉
と10分後に始まる自分好みの作品へといざなう結莉。
羽矢斗
とチケットを2枚購入する羽矢斗。
結莉
羽矢斗
結莉
二人はシアターの中に入って行った。
平日のお昼間。お客さんは少ない。
羽矢斗
結莉
結莉は羽矢斗に手を引かれ、少しだけ後方中ほどの席に腰かける二人。
映画は邦画で、題名は『さなぎの花』いかにもマイナーな映画という雰囲気の題名。
二人はどんな映画かまったく情報を頭に入れないまま作品を楽しむこととした。
結莉はワクワクしていた。
羽矢斗のひと言を聴くまでは……。
羽矢斗が言ったのだ。
羽矢斗
なんて言って少し顔をしかめた。
結莉
羽矢斗
しかしすでに映画は始まった。 二人はかたずを飲んでスクリーンを見つめている。
りんごをムシャムシャ齧る、若く麗しい女性のアップから始まる。 次に女性が振り向き、タバコを吸っている男性のもとへ駆け寄る。
結莉
唾をゴクリと飲み込み、胸に誓う結莉であった。
――――話は中盤に差し掛かっていた。どうやらそんな怖い雰囲気ではなく、ホッとしている結莉。
チラリと隣を見ると、羽矢斗はスクリーンにくぎ付けだ。
結莉
映画の内容は、主人公であるりんごが大好物の女性が不治の病で余命半年。恋人と精一杯人生を謳歌するというものだろうか。
途中で主人公が言う。
映画の主人公
そこで主人公の恋人が言う。
映画の主人公の恋人
結莉の頬をツーと涙が伝った。
その瞬間だ。
羽矢斗が
羽矢斗
と小さな声で呼ぶ。
結莉
涙声で横を向くと……
結莉はキスされた。
結莉は夢中になり、恍惚の表情で羽矢斗の舌を欲した。
二人の舌は飴玉を欲しがる生き物のように絡んだ。
映画館でのファーストキッス。
結莉はうっとりし気絶しそうになった。
ゴツゴツとした羽矢斗の手をキュッ! と握り、そっと唇を離し
結莉
と耳元に囁いた。
羽矢斗
結莉
そこから再びスクリーンに向き直し、エンドロールが流れ照明がつくまで、二人は席に座っていた。
素敵な作品だったので、結莉と羽矢斗は余韻に浸っていた。
シアターを出る頃には、夕方4時近くになっていた。
結莉
羽矢斗
羽矢斗に唇を奪われた恥ずかしさを楽しみたい気もして、結莉は黙っていた。
羽矢斗も、同じ気持ちがしているようだ。
繋いだ指先から伝わって来る。
結莉
結莉は羽矢斗の恋人になったことに運命を感じている。
コメント
1件
わあ…第16話、めちゃくちゃ良かったです😭 結莉さんが過去の辛い経験を打ち明けるシーンで、羽矢斗さんが手を握って「大変な思いをしたんだね」って言うところ、本当にぐっときました。あの優しさ、全てを受け止めるような空気感が素敵すぎます。 そして映画館でのファーストキス!「とても愛してるんだ」って耳元で囁かれるなんて…もうドキドキが止まりませんでした。お互いの余韻を楽しむ無言の時間も、すごく大人な雰囲気で素敵でした🌷