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#シンママ
沙華やや子
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玉葱三太郎
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帰りの電車は少し混んでいる。二人は乗車口近くのバーを持ち立っている。
一緒に車窓を流れる夕暮れ時を眺めたり、時々見つめ合う。
大きな川の陸橋を渡る時
結莉
と結莉が言う。
羽矢斗
そう言って羽矢斗が結莉の腰を引き寄せた。
西日がほんのり窓から差し込んだ。春めいている。
なんだか電車の揺れがくすぐったい。
羽矢斗に支えられている腰がくすぐったいのかな。
もうすぐ結莉の降りる駅に到着する。
結莉
と言った刹那、結莉は羽矢斗にキスされた。ほっぺた。
羽矢斗
結莉
電車のドアが開き、結莉が降りると閉まった。
恋しくて、切ない瞬間だ。
電車に乗った羽矢斗を、思いっきりの笑顔で見送る結莉。
だってそうしないと余計に淋しい。
結莉
結莉の胸にひときわ咲いた、狂おしい想い。
けれど自分には娘がいる。大事な娘だ。
改札を出、スーパーへ猛ダッシュする結莉。時刻は17時前。
結莉
皐月は先に述べたよう、しっかり者であるし、料理も出来る高校1年生だ。
それでもやっぱり母は世話を焼きたいもの。
結莉
声がしない。皐月はまだ帰宅していなかった
胸を撫で下ろすような心地のする結莉。
急いで部屋着に着替えエプロンを着け、買ってきた塩サバを焼きながら具沢山のお味噌汁を作る。ごはんは出かける前にセットしてあった。
結莉がお味噌汁の味を見ていると
皐月
と皐月が帰宅した。
なにやら元気がない。
皐月
リュックをソファーに置き、座るや否や皐月がひと言言った。
皐月が、大の仲良しの希のことをそんな風に言うなど、これはただごとではないな! と母・結莉は思った。
結莉
皐月
皐月
結莉
皐月は口をとがらせながら
皐月
皐月
皐月
結莉は静かに娘の話を聴いている。今は皐月の隣に座っている。
皐月
結莉
皐月
結莉の中で、忘れかけていたジャンくんの存在が急に思い起こされた。
結莉
結莉
結莉
と本当は言いたい。
しかし『人間に汚れた面があること』や『人間が実はシンプルでもないこと』は、
誰かに言われて知るのではなく、
皐月自身がこれから大人への道を歩んで行く中でしか感じ得ない事柄。
結莉
と答えた……。本心以外の何物でもない。
皐月
と言いながら
皐月
とボロボロ涙をこぼし始め、皐月は泣きわめいた。
結莉が抱きしめると、小さな女の子のように母にしがみつき泣いた。
結莉
痛いほど感じられた。
結莉は黙って艶のある皐月の髪をずっと撫でてやっていた。
皐月が泣き止むまで。
皐月
結莉
皐月
ガクーッとズッコケそうな結莉だったが、少しだけ安心した。
そう、心と体は繋がっているからね。どちらにも栄養が必要!
皐月は
皐月
と、ごはんを食べ始めると笑顔を取り戻した。
***
――――いよいよ明日は、羽矢斗との初のドライブデート!
前日から
結莉
と気もそぞろの結莉。
この間の初キッスから、クリニック通院があり、1度だけ二人は逢っている。
アツアツぶりは留まることを知らない。
結莉がお風呂掃除をし終わり、コーヒーを飲んでいると……電話が鳴った。
愛おしい羽矢斗からだ。
結莉
羽矢斗
結莉
羽矢斗
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
羽矢斗
結莉
結莉
羽矢斗
羽矢斗
羽矢斗
結莉は細やかな羽矢斗の気遣いが嬉しい。
結莉
羽矢斗
結莉
人間、心を込めれば声も微笑をたたえるものだ。
結莉と羽矢斗の短いテレフォンデートは寒い季節を一気に進めるほどHotだった。
コメント
1件
第17話、読み終わりました。結莉さんが「母であり女」であることの両面が、今回特に克明に描かれていた回だなと感じました。皐月の恋愛の悩みに寄り添いながら、自分の恋の高揚も隠さない――そのバランスの描写がとても自然で、思わず引き込まれました。特に「ママは皐月が悲しんでいるのが辛いよ」という結莉さんの言葉、胸に響きました。羽矢斗さんとの電話の温かさも相まって、明日のドライブデートがもう待ち遠しいです。