/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
牢屋の中で少年は座っていた。
彼の名はセナ。吸血鬼。
彼は外の世界を知らない。なにも知らないのだ。
セナ
………………
扉を開けた音がした。
人間
おい、新入りだぞ。こいつはユキナだ。
ユキナ
…………………………………
人間の隣には吸血鬼らしき少女がいた。
人間はそのままユキナを牢屋に突き飛ばして行ってしまった。
セナ
大丈夫？
ユキナは起き上がって話し始めた
ユキナ
大丈夫だよ。あなたも吸血鬼？
セナ
そうだけど…。
セナ
もしかして君も？
ユキナ
うん。そうなの。
ユキナ
前は違う牢屋にいたんだけど…
セナ
そうなんだ
ユキナ
そういえばあなたの名前は?
セナ
僕はセナ
ユキナ
私はさっきあの人が言ってた通りユキナだよ。
ユキナ
私、前の牢屋ではひとりぼっちだったから
ユキナ
セナがいてくれて嬉しいな
セナ
そっか
セナ
(嬉しいか……………)
ユキナ
ここの牢屋では何をするの？
セナ
人間が輸血パックを持ってくるからそれを飲んだり
セナ
採血してそれを人間に渡したり
セナ
それくらいかな
ユキナ
教えてくれてありがとう。
ユキナ
後もう1ついい?
セナ
うん
ユキナ
ここってどんなルールがある？
ユキナ
前の牢屋ではルールが厳しくて怖かったの
セナ
うーん
セナ
確か人間を襲ってはいけないだよ
セナ
違反したら処刑されちゃうから
ユキナ
そうなんだ…
ユキナ
あ、質問ばかりでごめんね
セナ
大丈夫だよ
セナ
ねえユキナ
ユキナ
どうしたの？
セナ
怖くないのここが
ユキナ
そんなことないよ
ユキナ
だってセナが優しいから！
セナ
優しい……?
セナ
僕が？
ユキナ
うん
ユキナ
前の吸血鬼の子は私をいじめて
ユキナ
つらかったの
ユキナ
だけどセナはいろいろ教えてくれたし
ユキナ
私の心配してくれたから
セナ
……ありがとう
セナ
今日はもう寝よう
ユキナ
そうだね私も疲れた
ユキナ
おやすみ
セナ
おやすみ
こんな日がずっと続けばいい
ユキナがいれば一生牢屋でいい。そう思い眠りに落ちた。
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
