鬼神丸
戦争発端の理由は何となく分かりました
鬼神丸
次は今どうなってるかを知りたいです
華関
そうね
華関
簡単にまとめるなら拮抗してるかな
蓮爺
ほぉ?
蓮爺
それは意外じゃな
蓮爺
先程の話的には妖陣営の持つ術とやらに苦戦して人間陣営が劣勢かと…
華関
三年ほど前はそうだったわ
華関
今は人間陣営が押し返してようやく拮抗してる感じね
蓮爺
その拮抗まで到る道のりは?
神無月
こちらも詳しく話すと長くなるので
神無月
サッと話すと、妖陣営の持つ力を
神無月
私達人間も真似できるようになったからです
華関
蓮の兄さんが木術を使えるように
華関
他の人もあらゆる術を使えるようになってる
蓮爺
ワシはお主に教えてもらったから使えるが
蓮爺
ほかの者が使える理由が分からんな
神無月
実は数年前に妖陣営の拠点を落としたことがありまして
神無月
その拠点を漁っていると面白いものを見つけたのです
そう言って神無月はひとつの巻き物を机にそっと置いた
蓮爺
これは?
神無月
術式の会得方法が書かれた巻物です
神無月
これを見つけ、人間でも扱えるか研究していき
神無月
長きに渡った研究の結果3年前にようやく人でも扱えるようになり
神無月
それが広まり今に至るという感じですね
鬼神丸
じゃあ妖陣営のアドバンテージがこれを見つけられたことで
鬼神丸
そのアドバンテージがなくなり拮抗してるってこと?
華関
そういうことね
華関
勿論練度で言えば彼らの方が上よ
華関
でも妖陣営は人間陣営と比べて数が少ない
華関
そのため練度の低い人間でも数が揃えば
華関
流石に彼らでも勝てなくなるの
蓮爺
性能に重きを置く妖と
蓮爺
数で練度を誤魔化す人間か
蓮爺
確かに人海戦術を使われてしまえば
蓮爺
妖とて苦戦は強いられるのぉ
鬼神丸
ちなみにその術式の解放の仕方は?
神無月
生きとし生けるものには必ず待つ力がある
神無月
それは生命エネルギーというものだ
神無月
それを元にして術式を作るらしい
神無月
さらに人によってその生命エネルギーの量が異なるのだ
神無月
勿論年齢による違いもあるが
神無月
天性の才能であったり、人によっては努力で補えたりするものもある
神無月
そしてその生命エネルギーには属性というものも存在しており
神無月
風林火山の四属性が基本として存在している
神無月
その四属性から派生した属性もある
神無月
蓮爺さんが木術というのを扱うのも
神無月
風林火山の林から派生したものです
蓮爺
そうじゃな
華関
私は氷属性を得意としてる
鬼神丸
あれ?風林火山からの派生ではなく?
華関
あぁ、『氷属性』だ
神無月
華関さんのように風林火山以外の属性もあります
神無月
これは天性の才能であったり
神無月
血筋によるものだと現在は判明してます
華関
まぁ、そんなところだね
華関
ちなみにこの風林火山には得意不得意がある
華関
火は林に強く、林は風に強い
華関
風は山に強く、山は火に強い
華関
覚え方は色々あるな
華関
普通に今ので覚えてもいいし
華関
言葉遊びみたいにして覚えてもいいな
神無月
有名どころですと…
神無月
『風吹いて山が崩れ、土砂により火は鎮火され、木々の根強さに風は諦める』
神無月
なんかが有名ですね
鬼神丸
それなら覚えやすいですね
神無月
神無月
そうだ、鬼神丸くんも試す?
鬼神丸
何をですか?
神無月
自分が何属性の力を持つか知りたいでしょ?
鬼神丸
!
神無月
術式が使えればそれだけで戦闘の幅が広がる
神無月
より簡単に戦闘を終わらせることができるよ
鬼神丸
是非お願いします!
華関
華関
やっても構わないけどそれは後にしてね
華関
話が少しズレたけどとにかく今は拮抗してる
華関
だからどこもかしこも警戒態勢だと思っておきな
蓮爺
なら、次なる目的地はどうしたものか…
華関
まずはこの楓ノ里を守ることから入ろう
華関
この周辺にある村々を回って欲しい
華関
そしてそこで争いがあるならやめさせてくれ
華関
その時に楓ノ里が止めに来た、と言ってくれて構わない
華関
そうすれば楓ノ里もとうとう動き出すのかと両陣営に知らせることが出来る
蓮爺
なるほどのぉ
華関
それにそうしていれば鬼神丸とやらの新たな刀が出来上がるだろう
神無月
爺さんに頼まないとまだなんとも言えないですが
神無月
恐らくは快く承諾してくれるはずです
鬼神丸
助かります!
蓮爺
よし分かった
蓮爺
では、しばらくはこの里を拠点に行動していいんじゃな?
華関
そうだね
華関
楓ノ里周辺の村をこちら陣営につけて
華関
圧をかけて行きたいからな
蓮爺
新たな驚異がいるぞってことかのぉ
華関
手始めに二人にはすぐ近くにある『郷雨』という村に向かってくれ
鬼神丸
分かりました
蓮爺
早速向かえばいいか?
華関
そうしてくれると嬉しいが
華関
神無月が鬼神丸に術式を与えたいみたいだからな
華関
近いうちに行ってもらえればそれでいい
華関
そこで事件なりなにかあったら
華関
解決して報告の程を頼む
蓮爺
うむ承った
神無月
では、会議の方はこれでおしまいですね
神無月
鬼神丸くん場所を変えましょう
神無月
そこで術式検査してみましょうか
鬼神丸
はい!
蓮爺
蓮爺
鬼神丸もワシ以外の仲間ができて嬉しいようじゃな
華関
かく言うあんたは悲しそうな顔してるが?
蓮爺
いや、な
蓮爺
やはり長年ともに居たからか親のような気持ちになってな
華関
……そうか
華関
てっきりもう戦場には顔出さないと思ってたよ
蓮爺
ワシもそのはずだったが…
蓮爺
戦いからは逃げれぬ運命なんじゃよワシは
華関
なんにせよ私は帰ってきてくれて嬉しいぞ
華関
あんたが居れば楽だからね
蓮爺
あまり年寄りを乱暴に扱うでない
蓮爺
すぐに逝ってしまうぞ?
華関
笑えない冗談はよしてくれよ…
蓮爺
若いままのワシを想像してると思ってな
華関
そんな訳ないでしょ
華関
冗談よ冗談
蓮爺
冗談だとしたらよォ冷えたわい
華関
私が雪女だからってか?
華関
やかましいわ老いぼれが……
蓮爺
ふっ…