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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

雪の様子が変

あの日

雪が泣きながら寝ていた あの日から 、ずっと

雪女姉弟を送った時は 普通だったのに

僕と接する時だけ、なんで…?

白來

ね、雪

ん?

白來

僕、夢見たんだ

そうか

白來

……

白來

僕が、1人のヒトの事を
好きだった時の…

白來

これって、何か

白來

それいつの話だよ

白來

白來

えっ、と…

俺が産まれるより
ずっと前だろ

白來

そうだけど…

俺に言われても
んなの、わかんねぇよ

白來

……っ

白來

そう…だね

白來

(なんで)

白來

(辛い)

白來

(雪は僕と対等に
接してくれるって)

白來

(ずっと…そう思ってたのに)

……治療、すっから

白來

うん…

     リキジュシュヨ
心身静寂、力授呪与
急喼如律令

白來

(雪の呪力は…変わんない)

白來

(…ように、感じる)

白來

(でも、なんで…?)

白來

(なんで眼、
合わせてくれないの?)

白來

ねえ雪

……

白來

あの日
どんな夢見たの?

…白來には関係ねぇよ

白來

……なにそれ

白來

(すごく…モヤモヤする)

白來

(上手く言えないけど、なんか…)

白來

……

……はい、終わりだ

そろそろ妖力も戻ってきただろ

明日かなんかにでも
戻れるんじゃねぇか?

白來

……そうだね

白來

(僕はどうするのが正解?)

白來

…わかんないよ……

あ?

白來

なんでもない…!

雪の横をすり抜けて 奥の部屋に飛び込む

勢いよく襖を閉じた

俺は…

……

襖を閉じて 拒絶したのは僕なのに

止めてもらえなかった事に

名前すら 呼んでもらえなかった事に

勝手に傷付いて

白來

っ…

耳と尻尾が出ているとはいえ

ヒトの姿でいると 泣いてしまいそうだから

     ヘンゲ 解かかった変化を 完全に解いて

白來

(雪…僕は
どうすれば良いの……?)

部屋の隅に 丸くなって目を閉じた

???

白來

???

俺と一緒にいて、楽しい?

白來

どうしたの、急に

白來

██といて楽しくない訳
ないじゃんか

???

そう…だよな

わかっていた

██じゃないことなんて

でも

???

『俺じゃ駄目なのか…?』

あの時の声を 聞いてしまったから

あの時の必死な瞳を 見てしまったから

???

白來?

それに

白來

…ううん

白來

なんでもない

██がもういない、なんて そんなの

理解したら 自分が自分でなくなると

そう思ったから

白來

大好きだよ、██

???

俺も白來のこと大好きだよ

偽った

感情に蓋をした

でもそれで良かった

自分が好きなのは

大切なのは

???なんだって

???は██なんだって

そう思うだけで 救われた

???

……俺は…

???

……

白來

(夢……)

白來

(あれは…何?)

白來

(…わかんない、けど)

白來

(でも)

あの危うさ

何となく憶えがあった

白來

(あれは……)

白來

――雪

声に出したら 朧気だったそれが

ハッキリとした気がする

白來

(っあれ…なんで)

ぽた、と

白來

(涙なんか、出るの)

とめどなく溢れる大粒の雫は

白來

(偽って、蓋して…)

止められなくて

白來

(なのになんで)

でもきっと

偽りだらけの 感情に蓋した生活も

あの時の自分には 絶対に必要で

白來

(こんな感情…知らない)

悲しいのに嬉しくて

あったかいのに辛い

白來

(雪はきっと、
憶えてない…)

そう思うと

何故か苦しくて

辛くて

…切なくて

白來

(なんで)

白來

(……)

白來

(僕、雪のこと…)

白來

――!

白來

(そっか…そうなんだ)

揺らいでいた感情に 与えられた名は

最も単純なものであり、

最も複雑なものでもあって

キスもされてないのに

雪が近くにいる訳でもないのに

頬が熱くなる

白來

(…伝え、たい)

白來

(僕の気持ちも、過去も)

白來

(全部……)

騙し、偽り

白來の純粋な気持ちを 踏みにじったこと

例えそれが前世のことで あったとしても

俺がやった事に変わりはない

(これで、良い)

自分を納得させようと そう思ったのに

残り火のような熱さが 消えてくれない

(意味、わかんねぇ)

(前世の俺は)

(確かに白來が…)

(白來のことが、
好き…だったんだろうな)

目を伏せる

今の自分は、と聞かれても

正直、わからなくて

(俺は…俺には)

(誰かを好きになるとか)

(愛すとか)

(そんな資格……)

耳に残って離れない ナニかの悲鳴が

聞こえた気がした

???

不穏そうな空気だね

ッ…!?

???

でも助かったよ

…なんで

???

どうしてだと思う?

第10話【単純で、複雑】

続く

玉響の刻は縁の果てに【BL】

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