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月影 未彩
な、何言ってるの零夜君?
月影 未彩
遥花は君の彼女でしょ…?
来栖 零夜
???
来栖 零夜
未彩さんこそ何言ってるの?
来栖 零夜
僕に彼女は い、居ないよ…?
月影 未彩
いや、そんなはず…いや、あれ…?
その瞬間、私は恐ろしい感覚を目の当たりにした
自分が話そうとしたことはなんなのか
誰のことを話そうとしたのか
そもそもその人物は妄想の存在だったのか
そもそも妄想ですらなかったのか……
月影 未彩
っ……?!?!
怖くてたまらなかった
確実に覚えていたはずの“何か”がスーっと消えていったのだ
月影 未彩
あ……え……?あぁ……
怖い怖い怖い怖い怖い
もう何を思い出そうとしたのかすら分からない
それは生き物だったのか否か
物語なのか否か
もう何も分からない
まるで粉が水に溶けていくかのように見えなくなって思い出せなくなった
来栖 零夜
?
来栖 零夜
もう…いい?
月影 未彩
え、あ、うん…
思い出せない以上、私にはどうしようもできなかった
不乱 稔音
ふふ…ふふふ…
不乱 稔音
遥花の存在を覚えているのは私だけ
不乱 稔音
もう誰も遥花の存在を覚えておらず、家すら分からない
不乱 稔音
何らかの奇跡が起きない限り、もうこの世界の人々は遥花を思い出すことが出来ない…
不乱 稔音
ふふ、感じるよ?
不乱 稔音
眠っててもひしひしと伝わってくる
不乱 稔音
遥花の感じる絶望が