テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

三途

いったぁぁぁぁぁぁ⁈

竜胆

⁈⁈

竜胆

あっ、

竜胆

ごめ、

三途

っつぅぅぅ

三途はしっかり膝を擦りむいていた。

三途

すみません

三途

らいじょうぶでうぅぅ

しかし、痛いものは痛いのだろう、

綺麗な瞳に涙がぷっくりと浮かび上がる。

三途

あ゛の、

三途

ほんとに気にしないでください゛

竜胆

ごめん!

竜胆

ほんっとにごめん!

三途

ぅう゛ーーー

三途

だ。大丈夫、でず。

目尻は赤く縁取られ、頬は紅潮している。

竜胆

あ…

ぞくり

その三途の表情を見た途端竜胆の背に不思議な感覚が走った。

急速に喉が渇き、身体が温まってゆく。

ドタドタドタドタ…

大丈夫⁈⁈

竜胆

あ、兄貴…

三途

・・・

三途は痛みを堪え、涙を湛えながらふるふると震えている

あー

擦りむいちゃってたか…

今消毒するから、

ズボンあげられそう?

三途

はい゛…

竜胆

春千夜、ごめん…

三途

残念ながら、竜胆の謝罪は三途の耳を右から左へと通り抜けてしまった。

何故なら

三途

((っっっっっっっっっっっっっっ

三途

((っっな、名前!

三途

((名前!名前!

三途

((名前呼び⁈

三途

((竜胆先輩にな、名前、名前…

ーい

おーい三途くーん

戻ってこーい

三途

っは!

三途

あ、すみません

え?

そんなに痛いの?

ちょっと見せて

そう言いながら三途の膝に布が当たらないよう、蘭が器用にズボンを捲り上げていく。

んー、

結構広範囲いったねぇ…

こう広いと下手に絆創膏貼っても周りが痛くなっちゃうしなぁ…

取り敢えず消毒して

んー。

ガーゼでも当てとこっか。

三途

あ、ありがとうございます…

蘭が手際良く三途の膝に消毒液を吹きかけガーゼで傷口を包んでいく。

三途がぽけーっとその様子を眺めていたら手当はすぐに終わってしまった。

その間、竜胆はずっと押し黙ったままだった。

これでよし、と。

わ、もう2時⁈

竜胆、新入生の下校って確か一時半だったよね?

竜胆

・・・

竜胆?

竜胆

っあ、

竜胆

ごめん

竜胆

聞いてなかった…

だーかーらー

新入生の下校時刻!

竜胆

あぁ、

竜胆

確か…

竜胆

一時半?

だよな。

なので、三途君は即刻家に帰りなさい!

三途

あ、はい

三途の親御さんって結構門限とか厳しいタイプ?

三途

いや、別に…

そっか…

何故か蘭はほっとしたように胸を撫で下ろした。

よし、じゃあ帰った帰った。

またなんかあったらおいでね。

三途

あ、はい

三途

ありがとうございました…

蘭に半ば急きたてられるようにして保健室の扉へ手をかける。

あ、靴グラウンド側にあるから忘れないでねー。

三途

はーい

三途

ありがとうございましたー

去り際にちらりと見えた竜胆の顔が引っかかる。

どうしたのだろうか…

今すぐ戻り尋ねてみたいが、時間的にそういう訳にもいかない。

そして、三途は保健室を後にした…

竜胆

んー、

竜胆

こんなもんかな。

竜胆は毎朝こっそり花に水をあげるのが日課だった。

自分が世話嬉しいしてやった草木が花を咲かせたり、実をつける楽しさに気がついてから欠かさず行っている習慣だった。

それは、人為的に植えた花であれば勿論だが、犬フグリなどの自生した雑草もそうだった。

勿論こちらで植えた花の邪魔になってしまうのであれば抜かれる運命にあるのだが。

竜胆

あとは、

竜胆

第二グラウンド側の花壇のとこか

竜胆

第一グラウンドと第二グラウンド結構離れんだよなぁ…

竜胆

さみい。

ふと、あそこに小さなタンポポが咲いていたことを思い出す。

竜胆

昨日、綿毛になりかけてたよな…

竜胆

もうまんまるになってるかも。

こっそり摘んで吹いてみようかな、などと子供じみたことを考えながら最後の花壇がある第二グラウンドへと向かう

第一グラウンドから第二グラウンドへと移動する途中でだんだんと生徒の姿が目に入り始める。

しかしそれらの生徒がつけるネクタイやリボンの色は

竜胆のつける赤でも

3年のつける青でもなく、

初々しい緑色だった。

竜胆

あー、今日入学式か…

竜胆

朝早くから大変だな…

そんなことを考えながら歩いていると、第一グラウンドの花壇が見え始める。

竜胆

・・・⁈

竜胆

え、

そしてそこには、綺麗な金髪を垂らした女子生徒が蹲っていた。

思わず声をかけてしまう。

竜胆

大丈夫?

竜胆

おい、大丈夫か?

近くへ寄ってみると、どうやら男であることに気がつく。

竜胆

(まじか…

しばらく反応せずに蹲っていた男子生徒だったが、

徐に顔を上げた…

三途

へ?

竜胆

(嘘だろ…

こんな感覚初めてだった。

五感全てが目の前にいる一人の情報をを余すことなく受け取ろうとするような、

一目惚れ、だった。

恋廻り(学パロ) 竜春

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

10,300

コメント

2

ユーザー

10000…。つまりこの物語のいいねを8500にすればいいんですね。私の睡眠時間と宿題の時間削りたいと思います。はい。

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚