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コメント
9件
好きぃぃぃぃぃぃぃぃ❗待ってます❗
続き待ってます!!!
神だぁぁぁぁ!!!! 裏切り者……誰だろう…… こういう雰囲気が好きなのは僕だけじゃないはず…!(((
第1話 「点呼」
――耳障りな鐘の音が、夜更けの廃校に響いた。
目を覚ましたのは、東京。
東京
重い瞼をこじ開けると、錆びた机、黒ずんだ黒板、割れた窓ガラス。
教室の中には、見知らぬ人影が次々に倒れている。
やがて、ぞろぞろと起き上がる声。
大阪
大阪が頭を掻き、
福岡
福岡が舌打ちし、
北海道
北海道が壁の地図を見上げる
地図――そこには日本列島が描かれている。
だが、不自然に黒塗りで隠された県がいくつもあった。
愛知
愛知が呟く。
全員が地図と自分の胸元を見比べた。
そこには名札のように、自分の「県名」が刻まれている。
やがて、全員が気づく。
――地図にある黒塗りの県。
その数は、まだ誰も動いていない人影の数と一致していた。
京都
教室の真ん中に立った東京が言う。
東京
東京
その声に従い、一人一人が立ち上がり、名前を告げていく。
北海道
青森
割愛
沖縄
教室の照明が一斉に点滅した。
――そして、鐘が二度鳴る。
東京
東京が確認すると、埼玉が声を上げた。
埼玉
皆の視線が、壁の日本地図へ。
黒塗りに消されている県は……ひとつ。
四十六。
だが、ここには確かに四十七人いる。
福井
和歌山
静まり返る教室。
そこで――黒板に、赤いチョークで文字が浮かんだ。
“地図から消えた者を探せ。
見つけられなければ、全員が消える。”
ざわめきが広がる。
大阪
神奈川
北海道
北海道
北海道
福岡が壁を拳で叩く。
福岡
ピーンポーンパーンポーン
その時、校内放送が不気味に鳴った。
機械的な声で、ただ一言。
「第一夜――開始」
窓の外を覗いた秋田が、血の気を失って呟いた。
秋田
全員が駆け寄る。
そこには、真っ暗な闇と、ひび割れた虚空が広がっていた。
――まるで、世界そのものが切り取られているかのように。
第一夜は幕を開けた。
そして誰もが、背筋に冷たいものを感じていた。
――この中に「偽物」がいる。
だが、誰が本物で、誰が消えるのか。
四十七人の螺旋は、まだ回り始めたばかりだった。
次回
第2話 「疑念」
物語はまだ始まったばかり、