僕
(あぁ、嫌だなぁ。)

翼はクラスに馴染めないしクラスメートからのいじめを受けていたため学校が憂鬱だった。ひどい時にはノートが破られていた事もある。
母さん
翼ー、早くしないと遅刻するよ!

僕
は、はーい。(行きたくないのに)

父さん
何でお前はいつもそうなんだ。お前は勉強が出来るんだから登校拒否の理由なんて無いだろう?友達と上手くいってないのか?

僕
上手くいってないわけではない。(上手くいってない所じゃないの分からないのかな)

父さん
じゃ、なんだ?

僕
もうなんでもいいよ。僕の世界に踏み込まないでよ!

父さん
お前が学校に行こうとしないから心配してやってるんだぞ?

母さん
そうそう。学校に行こうとしないし学校から帰ってきてもすぐに自分の部屋に行っちゃうでしょ?心配なのよ。学校で何があったとかたまに話してもくれないと…

僕
(そんな事言われても話すネタなんてないんだ。)

母さん
聞いてるの?

僕
聞いてるけど…皆で勉強して給食食べて掃除して…話すような事なんてないんだ。

母さん
まぁ、呆れた。

父さん
翼、お前本当に大丈夫なのか?

妹
んもー。お父さんもお母さんもお兄ちゃんの話ばっかりして!私の話もしてよ!

僕
(ふぅ、助かった…ありがと、瑠璃。)

父さん
瑠璃は最近どうなんだ?

母さん
小学校も慣れてきたでしょう?翼と違って瑠璃は社交的だから。ねー。お友達たくさん出来たでしょう?

僕
僕、そろそろ行くから

母さん
頑張るのよ。

妹
お兄ちゃん、じゃあね、

父さん
瑠璃はまだ出ないのか?

母さん
翼、今日委員の仕事があるのよ。

父さん
そっか。押し付けられたのかな…?

母さん
え?

父さん
そんな訳ないか。じゃ、俺も出るな。

妹
お父さん、行ってらっしゃい。

花音
あ、翼今日も来てる

陽莉
えー?それはどういう事?

花音
んー?もちろん早く不登校になって欲しいって事だよーw

陽莉
あ、だよねー。

花音
あ、美奈だ!おーい!

美奈
おはよ。何話してたの?

陽莉
( ノ〃ω〃)ノえっとね。

美奈
なぁにもったいぶってんの?ww

陽莉
翼の事!

美奈
へぇ、翼がどうかしたの?

花音
もうっ…美奈って鈍感だっけ?

陽莉
いじめて遊んでたの。

美奈
えっ?

花音
美奈、知らなかったの?クラスメートから虐められてた事。そんな訳…ないか。

美奈
知ってたけど花音達がいじめてるなんて思ってなかった。

僕
(後ろでグチグチうるさいなぁ)

未来
陽莉?

陽莉
あ、お姉ちゃん、なんの用?

未来
あんた翼くんからかう為に早く出たでしょ?私も同じ委員でたまに相談乗ってたんだよ?美奈ちゃんまで巻き込んで…もうだめだよ?陽莉も花音ちゃんも。

陽莉
いじめてなんかないよ!花音行こう!

花音
う、うん…!

未来
翼くん

僕
は、はい。あの、ありがとうございます

未来
ん?当然でしょ?早く行こう!遅れちゃう!ほら、美奈ちゃんも!

美奈
はいっ!

陽莉
うっざ。ねぇ、美奈も省かない?

花音
私も思ってた。というか、元々友達じゃなかったしねー。

この時何かが崩れだした。だが翼も美奈も未来もその事をまだ知らない。
僕
終わりましたね!

未来
2人がとっても頑張ってくれたからね?

美奈
いえいえ、翼が良くやってくれたんです。

僕
あ、時間だ!

何故か翼と美奈の席に花音達が戯れている。翼と美奈は席が隣同士だった。翼と美奈の席には花瓶が置かれておりご丁寧におなじ数ずつ花が挿されている。
美奈
2人とも何してるの?

花音
あ、美奈ー!はい。お花だよー、綺麗だったから。

陽莉
翼の席にも置いたよ。ペアルックだね。
⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆*

美奈
これ…どういう事?

花音
本当に鈍感なんだね。早く死ねって意味だよ?

母さん
翼ー。母さん、仕事に行くけど…

僕
僕は家にいる。

そんな生活は何年も続いたが家での勉強のおかげでいい大学生に行ける成績を収めいい会社での面接の時が来た。
母さん
ダメ、行かないで。翼は私がいないとダメなの。生活していけないでしょう?昔を思い出して。私が守る。最終学歴とかも見られるんだからそれで落ちるかも…ね?お願い!家にいて!!

僕
か、母さん!母さんには瑠璃がついてる。とにかく僕は行く!僕には頭脳という武器があるんだ。だから
可能性はあるんだ。

母さん
父さん、この子が行くって言うのよ。止めてちょうだいよ。

父さん
行くって…どこに?

母さん
面接よ!

父さん
良いじゃないか。良い成績なんだから。社会の役に立たないともったいないぞ翼は。

母さん
私はいやよ。翼、母さんの所に居れば辛いことなんてない。お金は母さんが稼ぐから。翼はお家に居ていいのよ

僕
行かせてくれよ、

1時間しても行かせてくれず母の強すぎる愛に言葉も出なかった。あの時は翼にあれほど行きなさいと言った学校。これが過去だったらよかったのに。今頃過保護に目覚める母に恐怖を覚えた翼と瑠璃と父の姿があった。
父さん
お前最近おかしいぞ!どうしたんだ?

妹
そうだよ、お母さん!!

母さん
おかしくなんか無いわよ。守りたいものがあるだけよ。
