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あれは

5年前のこと

道に迷って森に入ってしまった

私を

助けてくれた

私の大好きな人

でも、その人は

触れたら消えてしまう。

由奈

うぅ……

由奈

お母さん…グスッ

あれは、5年前の夏。

夏休みでおばあちゃん家に泊まっていた

1人で虫を探していた時に

誤って森に入ってしまった

由奈

どこなの…グスッ

由奈

虫もつかまえられなかった……泣

???

…え、えっと、大丈夫?

由奈

グスッ…だれ?

???

とりあえずこっちおいで

由奈

う、うん…

由奈

ここ、どこ…?

狐のお面を被った高校生くらいの男の子について歩いていたら

知らない森に着いた

由奈

あの、ここどこですか?

???

もうちょっとで着くからね

由奈

あの、手つないでも、いいですか?

霸他

…だめ

由奈

(´;ω;`)

???

よいしょっ、

???

着いた

由奈

すてきな神社…!

???

ここ、僕の家だよ

由奈

お兄ちゃんの家ここなの?

由奈

ゆなの家はこんなんじゃない…

???

あはっww

???

僕はみんなと違うから家も違うんだよ

由奈

(´;ω;`)

???

わ、泣かないで、、

由奈

お兄ちゃんお名前なに?

???

僕の名前は霸他(はくた)だよ

由奈

は、はくた?

霸他

僕は妖怪なんだ

由奈

よ、よーかい…!?!?

霸他

あははっw この姿で言われると信じられないよねw

誰がどう見ても普通の男の子だった

けれど、なぜ狐のお面を被っているのか

なぜ触ったらいけないのか

それだけが疑問だった

由奈

お兄ちゃんなんでさわったらいけないの?

霸他

ん?妖怪だからだよ

霸他

妖怪は触られたら消えてしまうんだ

由奈

お兄ちゃん消えてほしくない!

由奈

だって、かっこいいし助けてくれたもん!

霸他

僕かっこいいの?

由奈

かっこいいもん!

霸他

あ、ありがとww

由奈

じゃあ手をつないだり、ぎゅーもダメなの?

霸他

手をつないだり、ぎゅーもダメなの

由奈

ゆなそんなのやだ!

霸他

じゃあ最期の時にぎゅーするね

由奈

嬉しい!やったやった!

由奈

もうくらくなってきちゃった…

霸他

じゃあまた明日だね

由奈

え、やだやだ!

霸他

僕はいつでもここにいるから

霸他

また明日おいで?

由奈

分かった…

由奈

ばいばい!

霸他

バイバイ、また明日

由奈

お兄ちゃん、良い人だったな…

おじいちゃん

由奈〜!

由奈

あ、おじいちゃん!

おじいちゃん

どこいっとったんじゃ?

由奈

狐のお兄ちゃんのとこ!

おじいちゃん

狐のお兄ちゃん…?

おじいちゃん

もしかして、神使じゃな?

由奈

しんしってなに?

おじいちゃん

神使ってのは

おじいちゃん

動物達がおじいちゃん達に何か伝えようとしているのを

おじいちゃん

代わりに神使が伝えると言う役目の

おじいちゃん

神様じゃ

おじいちゃん

つまり、神の使いじゃよ

由奈

そんなにすごいの!?

由奈

でもお兄ちゃんようかいって言ってたよ?

おじいちゃん

神使は少しルールがあるんじゃ

おじいちゃん

1つ、神使は自分が神使って事を知られてはいけない

おじいちゃん

2つ、触れられてはいけない

おじいちゃん

3つ、恋心を抱いてはいけない

おじいちゃん

などなどじゃ

由奈

でも、おじいちゃんは知ってるからいけないんじゃ、?

おじいちゃん

ここら辺では有名じゃ

おじいちゃん

おばあちゃんも知っとるかも知れん

由奈

有名なんだ!

由奈

あしたね、お兄ちゃんのとこ行くの!

おじいちゃん

ほうほう、それじゃアイスを持って行きなさい

おじいちゃん

おじいちゃん用意するからね

由奈

いいの?ありがとう!

おじいちゃん

さ、早く帰って夜ご飯にするか

由奈

そうだね!もうおなかぺこぺこ!

おじいちゃん

そうかそうか、じゃあ早く帰るぞ、

由奈

うん!

この時はまさかこんなつらいとは思っていなかった…

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